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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
楽しい楽しい?新婚旅行編

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うちの弟、すげえ

 借りていた服を返却しようとしたのだが、記念にどうかと着物を勧められた。気に入れば同じデザインを買えるらしい。もちろん、他の物も購入可能で、レンタルした人は一割引らしい。


「買います!夫の着物!セクシー着流し!!」

「ロザリンド、欲望がだだ漏れだよ!?」


「まいどありですにゃー」


 朗らかに笑う店員さんに、ディルクが笑顔でこう告げた。


「ここからここまで全部ください」

「ディルク!?」


「ま、まいどありですにゃーと言いたい所ですが、かなり高額になりますよ!?」


 店員さんが素になっている。そりゃそうだ!かなりの高額だもんね!


「足りませんか?」


 ジャラジャラ金貨を出すディルク。討伐により、ディルク個人の資産も相当なもの。この程度の出費、お小遣いで問題ないのだろう。ただ、私のクローゼットに入りきらないのではという点のみが気になるんですが!?


「ただ今お品物をご用意させていただきますが、お嬢様のサイズぴったりのものがいくつか不足しております。後日お届けでもよろしいでしょうか?」


 上役と思われるスタッフさんが丁寧に対応してくれた。


「この服はここでしか手に入らなそうだったから。ロザリンドによく似合っていたしね」


 この笑顔のためなら、クローゼットなんて些末な問題だわ!しかも、似合ってるですと!?思わずヘラヘラしてしまった。そこでふと思いつく。


「あ、反物も買えます?家族や友人へのお土産にしたいので」


「ま、まいどありですにゃー」


 これで着物ドレスとか作ろうかな。このしこたま買い込んだお土産がさらなる騒動を起こすとは……浅はかな私は思っていなかったのであった……。






 正直ニャンダーホテルにもお泊りしたかったが日程的にあまり余裕がないので転移を使ってシヴェリハスへ。遭難したのが結構痛い。まあ、その分を転移で短縮しているものの、旅の醍醐味が失われている。悩ましいところではあるけど、この先は行ったことがない土地もあるし、まぁいいかな!

 見つかると面倒なので、認識を阻害する魔法を自分とディルクにかけてみた。効果の程はよくわからない。


「ロッザリンドォォ!!」


 その声に、ディルクが顔を引きつらせた。私も微妙な気分になる。顔だけ私そっくりだが、首から下はマッスル的なナイスバディ……偽リンドに罪はない。偽リンドは復興を手伝っているらしく、農作業をしていた。


「わはははははは!」

「ロッザリンド!!」


 集中が切れて走り出す迷惑なおっさんをしばいたり、双子達に指示しているようだ。あっという間に荒れ地が開梱されていく。


「そーれー」

「とりゃー」


 双子達は偽リンドを手伝い、魔法で種を植えて芽吹かせていく。偽迷惑なおっさんは、邪魔な岩を砕いたり力仕事をしている。


「相変わらず凄いなぁ……」


 ぼんやり眺めていたら、シヴェリハスの町人さんが偽リンドに話しかけた。


「いつもありがとうね、偽リンドちゃん」


「ロッザリンド……」


 あ、照れてる。別にもう見た目とかは気にしないけど、その掛け声どうにかならないかなぁ……。後で賢者あたりに相談してみよう。偽リンドも普通の会話がしたいに違いないしね!




 魔法のおかげで全く誰にも認識されずに城までこれた。この魔法、超便利!ちょっと面倒だけど、今度から使うようにしよう!


「あ、でもどうしよう。このままだと、城に入れてもらえないか」


「こっそり行って、ポッチを驚かせちゃう?」


 ディルクがにっこりと笑った。


「それ採用!!」


「了解。じゃあ、しっかりつかまってね」


 そう言うと、ディルクは私を軽々と抱きかかえてお城に侵入した。認識阻害がいい仕事をしているので、見られても誰も気がつけない。この魔法、かなりヤバいな!


「あ、あの人って確か……」


 以前計算対決をした宰相さんじゃなかったかな?あの時は過労でボロボロだったけど、ずいぶん毛並みが良くなっている。それに、とても機嫌がいいらしく鼻歌混じりでスキップしている。


「こんにちはー」


「!??もが!!」


 魔法を解除して話しかけたら叫ばれそうだったから口を塞いだ。申し訳ないが、騒ぎを起こしたくはないので我慢していただこう。


「お忍びで弟に会いに来たのです。案内していただける?」


「!!(コクコク)」


 めっちゃ頷いてくれたので手を離した。なんか、目がキラキラしているような??


「お久しぶりです、ポートフォリオ殿下の姉君様とその御夫君!!お待ちしておりました!ポートフォリオ殿下のおかげで我が国は日に日に良くなっていくばかり!姉君様や兄君様方の援助はもちろんのこと、ポートフォリオ殿下は我が国の希望の星!!」


「ええと……?」

「うあ……気が済むまで語ってもらうしかない奴だこれ……」


 いきなりマシンガントークを始めてしまった宰相さん。その瞳は植物トークをし始めた兄そのもの。

 まあ、うちの可愛い弟が褒められるのは正直いい気分なのでお付き合いすることにした……の、だが。


「あら!ポートフォリオ殿下のお姉様!もー!聞いてくださいよ!ポートフォリオ殿下ったらね!」


 お次は厨房にいた肝っ玉母さん的なお方……さらに次から次へと人が来るんだけど!そして、皆ポッチをべた褒めなんだけど!!

 嬉しいけどエンドレス賛辞はやめておくれ!ポッチがこの国で大事にされててうまくやってるみたいだってのはよくわかったよ!

 しかし、こんな短期間でもはや信者的な支持者を増やしまくるなんて……ウチの弟すごすぎやしないかな!?

色々あって大変更新遅れましたー!

ちょっと体調的な問題で、しばらく不定期になるかと思います。

元気になったらまた更新しますね!!


悪なり8巻、皆様のおかげで発売中であります!

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ユハズ先生も絵が綺麗なので必見ですよ!!悪なりコミカライズ、スタート!! 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!コミカライズのリンクはこちら!」 小説二巻、発売中です。書き下ろしもありますよー 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!二巻のリンクはこちら!」
― 新着の感想 ―
[一言] さ、ポッチに会いに…「殿下が!」「殿下は!」「殿下に!」…先に進めやしねえ…(ーωー;)あの姉にしてこの弟アリ…でオケ?そっっっくりネッ!!姉弟揃って人タラシなんだからも~(* ̄∇ ̄*) …
[一言] 更新ありがとうございます。続きが読めて嬉しいのですけど、 『身体大事に!!』 これが一番ですので、どうぞ「明。」様のペースで更新してくださいませ。 ホント健康超大事!無理は禁物です。 因みに…
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