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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
楽しい楽しい?新婚旅行編

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お寝坊さんなアナタ

 とりあえず、当面の魔力補充は魔石があればいいかな。


「ニャンダー、はい」


 ガラガラと魔石を出す。先日のスタンピードでたくさんゲットしたから、小山になった。


「…………あの、ここここれは、にゃんでしょうか?」


 恐る恐る聞かれる。


「魔石」


「いやその、それはわかるんです!これ、どうするんです?」


「使って」


「えええええええ!?いやまあ、確かにこれだけあればしばらくは保ちますが……こんなに大量にどうしたんです?はっ!不甲斐ない私への遠回りなリストラ勧告!?」

「違うから」


 なんでそうなった!?ナビィ君も呆れてるよ!


「いや、当面の動力として使ってください。根本的解決には少しかかると思いますし」


「ありがとうございます!ありがとうございます!!」


 コメツキバッタ並みに頭を下げるのもやめてほしい。テンション高いなぁ。


「ええと……魔力溜まりが枯渇した理由はわかりますか?」


「うちのダンジョン内のユグドラシルが何故か休止してしまったからだと……」






 案内してもらったユグドラシルは、観光地化されていた。しめ縄と電飾で飾られたあげく、お社まで造られて完全に謎のご神木と化している。これは言われなきゃユグドラシルだと思わないというか、私も普通に何回かここの前を素通りしてたわ……。

 とりあえず整備するとか適当に理由をつけて人払いしてもらい、我が家のユグドラシル担当であるスイを呼んだ。


「スイー、カモン!」


「はいはい。どうしたの?火山噴火の次は、植物が爆発でもした?」

「それはどういう状況なの!?」


 やめてください。そんな珍事件は起きてない!!観光地としてデコレーションされたユグドラシルさんに困惑したぐらいだ。


「えー?ロザリンドだからなんかこう、珍事件に遭遇し……うへえ、ナニコレ。ここまでされて起きないとかどうなの。ホント職務怠慢もいいとこじゃない?」


 スイがユグドラシルさんを見て呆れている。いやまあうん、身内は厳しいね!


「ええと、どうしようか」


 緊急時ではないので、魔力を注ぐのもなあ。うっかり破裂してパーンとかはやだなー。昔に比べれば上手くなったはずだから、気をつけてやれば大丈夫かな?


「斧持って素振りして。あの、木こりの歌歌って……あ、リンカ連れてきてリンカ!きこリンカ!」

「待て待て待て!それは酷くない!?」


 以前ガクブルしていたユグドラシルさんを思い出す。またトラウマ植え付けてどうすんだよ!今回はそこまで非常事態じゃないよ!?


「そう?ユグドラシルが起きないせいで魔力枯渇を起こしそうなダンジョンマスターがいたのに?健気にも身を削って耐えていたのに?なんとかしようと祈りを捧げたり肥料与えたりなけなしの魔力を送った痕跡も」

「きこリンカさんを召喚しましょうかね!!」


 そんなわけで、事情を聞いた凛花が来ました。肉じゃがさえあればいくらでもどこにでも来てくれます。我が姪ながら、大丈夫なんだろうか。

 きこリンカ姿だと、もはや姪かどうかも怪しいけど。あんまり考えてなかったけど、あの変身はどういう原理で、どこまでを再現しているのだろうか。謎だ。


 きこリンカさんは、準備運動とばかりに素振りをしている。もちろん、木を切る歌を歌っている。


「にゃあああああ!?伐採は駄目!!にゃんてことしてるんですかああああ!?」


「大丈夫大丈夫」

「大丈夫大丈夫……多分」


 スイがドSを発揮している。私はちょっと不安なので多分と言った。多分と言えば嘘をつかずに済む。


 ユグドラシルがガクブルし過ぎて痙攣している。お寝坊さんは起きたらしい。


「おはよう。とりあえず反省しろ」


 そして寝起きのユグドラシルさんにガチ説教するスイ。凛花は肉じゃが入りタッパーを持ち、天ざる蕎麦を食べに行きました。お蕎麦美味しいよね(現実逃避)


 ちょっとさぁ、思っちゃったのよね。魔力溜まりが枯渇して、それどこ行ったのかなって。ウルファネアとシャムキャッツで発生したスタンピード。シャムキャッツとウルファネア、地味に近い。というか隣接してる。これだけの施設を動かしていた魔力が吸われなくなり、他で飽和した結果がスタンピードだとしたら?


 早期解決したからよかったけど、下手をすれば死者多数だったよね。


「ロザリンド、何か気になるの?」


「え?うん……。実はさぁ……」


 かくかくしかじか。お蕎麦はうまうま。ディルクに説明しました。





「反省してください。他にまだ休止している所は無いんですか?」


「いやその、ほら、たくさんいるから葉っぱを探すの大変っていうか……」

「探せ」


 私の推理を聞いてしまったスイがガチギレしている。ディルクも無言で圧をかけている。私も流石に弁護しようがない。


「仕事には責任を持て」


 スイは悪戯大好きだけど、仕事に責任を持つ子です。お仕事はきっちりかっちり完璧なのです。


「下手をしたら冒険者がたくさん死んでいたかもしれません。こちらのダンジョンマスターさんもです」


「わ、私は大丈夫ですよ?ほら、魔力も正常に循環されましたし!」


「……こんな健気なダンジョンマスターに、罪悪感はないわけ?」


 スイはユグドラシルさんが泣いてしおれるまで怒っていました。スイが他にまだ休止しているユグドラシルがないか調べてくれるそうです。頼りになる!

 でも、ちょっと気になるなぁ。こと姉ちゃん……ユグドラシルさんとダンジョン。定期的に魔力を吸い上げて使うシステム。んー。情報が足りなくてうまく繋がらない。


 休みが終わったら、彼方さんあたりと話し合ってみようかな。魔王を倒したこと姉ちゃんの足跡を調べてみるべきかもしれない。

 昨日更新できなかったのはお出かけしていたからと某ゲームが今週メインクエストクリアしないとでられないイベントが……

な、なるべく毎日できるよう頑張るので許してください!(;´Д`)

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― 新着の感想 ―
[一言] ヘイヘイホー♪きこリンカさん絶好調!今日も良い音で素振ってますネッ!!(* ̄∇ ̄*) ニャンダーさんを困らせるヤツ、いくない!ニャンダーさん良く頑張った!きこリンカさん、ちょこっと斧を滑ら…
[一言] とりあえず職務怠慢なユグドラシルさんは、枝葉を少々(大量に)剪定してパーク内の土産物屋で売る木彫りの熊の原料になってもらいましょうか。
[一言] かくかくしかじか。お蕎麦はうまうま。 いつも思う。「かくかくしかじか」はわかるが「お蕎麦はうまうま」………面白いので他にもたくさんつけてください!
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