表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
楽しい楽しい?新婚旅行編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

691/729

テーマパークはご飯もうまい

 丁度いい時間になったので、ディルクとお店に入ることに。


「何食べたい?」


 通りすがりにいい匂いが……。これはお出汁の匂い。店先で実演販売をしていたのだが、それはこの世界にはなかったはずのもの。


「蕎麦!?ディルク、私お蕎麦食べたい!天ざる!天ざる食べたい!!」


「テンザル??よくわからないけど、ロザリンドが食べたいならいいよ」


 うちの旦那様、マジ天使!わからなくてもとりあえずお付き合いしてくれるんだよ!もおおお!好き!! 

 そう、お蕎麦の実演販売!小麦粉はあるからうどん的なものは作れたけど、そば粉はなかったから作れてなかったの。


「やった!今行こうすぐ行こう!」


『アンギャオオオオオス!!』


「「………………」」


 ディルクの雄々しい腹の音が響いた。


「急いでギャオス(腹の音)を鎮めよう!ごめんね、お腹すいたよね!」


「空気を読まないギャオスめ……!」


 もはやギャオスがペットか何かみたいです。いや、ある意味ギャオスは空気を読んでいる。ご飯食べよう。今すぐ食べよう。

 ディルクと急いでお店に入った。


 そしてここでお品書きを見て悩んだ。温かいものならうどんが食べたい。しかし、蕎麦屋(正確には茶屋って書いてあった)に来たなら冷たいお蕎麦が食べたい。天ざる最高なんたけど、わかめうどんも捨てがたい……!しかし、お残しは嫌だ!


「ディルク、こっちとこっち……選べない……」


「両方頼んで。食べきれないのは俺が食べるよ」

「ディルク好き」


 持つべきものは、たくさんご飯を食べれる夫です。たくさん頼んじゃったけど、ディルクなら大丈夫!両方頼んでしまいました!


「おいしー!」


「うん、本当に美味しいね」


「あのね、この天ぷらをお蕎麦と頬張るの!ふわあ……うっまぁ……天ぷらサクサク……お蕎麦もおいしい!さいっこう!」


 天ぷらの油がそばつゆに溶けてうまあ!おうどんのかまぼこ、猫さんで可愛い。食べちゃうけどね!こういうさりげない特別感がテーマパークご飯ならではだよねー!え?どんぶり買えるの!?この柄可愛いし買っちゃお!いい記念になるわー!


 暫くお蕎麦を食べてて思った。わさびほしい、わさび。付け合せはネギだけだった。流石にわさびはないみたいね。あと、うどんに七味入れたい。柚子胡椒でもいい。


「すいませーん。ちょっと持ち込み食材、ちょい足ししてもいいですか?」


「にゃ?かまいませんにゃー。なにかいい食材があるんですかにゃ?」


 店員さんは興味津々といった様子だ。取り出したるはーわさび!皮をむいてー、サメっぽい魔物の皮ですりおろす。おろし金よりきめ細かくすれるのよね。きれいな緑色のわさび完成!

 通な人はそばつゆに溶かさず乗っけて食べるけど、私は刺激が強すぎるから溶かす!


「はわ……ピリッとおいしい!」


 お蕎麦とわさびって最高!ネギはついてたからなおよし!


「ふにゃー?お客様、少しだけ分けていただいても?」


「いいですよー。ディルクも使ってね。あ、入れすぎると辛すぎてしんどいから気をつけてください」


 そして、店員さんはお蕎麦にわさびを入れて食べた。


「うーまーいーにゃーーーー!!」


 店員さん、グルメ漫画並みのリアクション。ほらー、厨房の人まで来てしまったじゃないですかー。


「そんなにおいしいの?」


 わさび入りつゆのお蕎麦をディルクにあ~んしてあげた。


「こっちのほうが美味しいね。なくても美味しいけど、さっぱりしていてこっちのほうが好きかも」


「まだあるから使っていいよ」


 切ったわさびを更にすりおろす。


「ありがとう」


「うどんには、こっちかこれね。お店じゃ流石にやらないけど、家だとキムチとか鯖缶入れてたこともあるなー」 


 休日めしのうどんを思い出す。凛花はキムチうどんが好きだったな。今度作ってやろう。自家製キムチあるし。そうめんに鯖缶とキムチがもうね、激ウマ。夏になったらやろうかな。流しそうめんパーティーとか楽しい。きっとやろう。


 そんな感じで現実逃避しているのだが、いいかげん私達のテーブルに人が集まりすぎていてしんどい。


「仕事してください」


 流石は獣人。ちょっと殺気を出したら、即座に散った。話したければかまわんが、私達は客なんだからね!お蕎麦がおいしいから許すけど!


「お姫様、大変申し訳なかったですにゃー。こちら、当店からのサービスですにゃ。当店自慢のスペシャリテ!クリームマシマシスペシャル白玉フルーツあんみつパフェですにゃ」


「ふおお……白玉が猫さんだ!かーわいい!!」


 これはすごい!もはや芸術のようなパフェである。りんごのバラが鮮やか!そして。白玉大好き!もちもちー!はっ!下のあれはみつ豆!?アイスとコーンフレークはないの!?生クリームはあるのにー!

 スイーツは別腹とはいえ、これはチャレンジメニューでは……?確実に食べきれない量だよ。


「フルーツもおいしいね」


 ディルクと仲良く食べました。後で聞いたら、あのパフェは人間換算で六人前だったのだそうです。獣人換算だと大体一人前であるらしく、ディルクが全部食べてくれました。ディルクのおかげでお残しはなしです。

 ありがとう、ディルク。おやすみなさい、ギャオス。


 

なんとか本日もノルマクリア!


ディルクがいればお残しの心配はありません。

ギャオスは毎日鳴いています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユハズ先生も絵が綺麗なので必見ですよ!!悪なりコミカライズ、スタート!! 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!コミカライズのリンクはこちら!」 小説二巻、発売中です。書き下ろしもありますよー 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!二巻のリンクはこちら!」
― 新着の感想 ―
[一言] つられて鳴くギャオスinマイ腹。きゃるるるるってなんじゃいな(笑) ディルクがちゃんとエサやらないから!( `皿´ )ノ←八つ当たり(笑) 獣人の胃袋がすごかった件。エンゲル係数鰻上り留ま…
[一言] ロザリンドは飯テロ常習犯(認定)、ギャオスはディルクのペット(確定)、ロッザリンドォォは神さえも殺せる裏ボス(確信)
[一言] 店員さん、前世では料理会の会長してる白い髭の爺さんじゃなかった?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ