温泉といえばこれよね!
スーパーハイテンションからローテンションになり、すっかり落ち着きました。ロザリンドです。
現在、エステを受けてます。これは有料コースでして。一旦カップルコースは休憩して、ディルクはマッサージ。私はエステ。一時的に別行動なのです。
「お嬢様はお肌がきれいですにゃー」
「あ、結婚してるのでお嬢様ではないですよ」
「にゃ!失礼しましたにゃ!お若いからてっきりお嬢様だと思いましたにゃー」
「いやいや、大丈夫ですよぅ……」
すごい気持ちいい……有料コース最高……!お肌もうるつやだー!ディルクは先に戻っていたらしく、温泉横のベンチでまったりしていた。
「ロザリンド……なんだか肌がいつもよりつやつや?」
「えへへへへ。エステ効果かな?」
ディルクの手にスリスリする。どうよ、ぷるツヤもちもちほっぺなのだ!
「ロザリンドは可愛いなぁ……」
「可愛くはないから。ディルクも疲れは取れた?」
「最近デスクワークが多かったからか、結構肩が凝ってたみたいだね。マッサージでだいぶ軽くなったけど、こまめなストレッチするといいって冊子をもらったよ。濡らすと困るからカバンにしまったけど」
ディルクもリラックスできたらしく、尻尾がゆらゆらごきげんです。なんとなく毛並みがいつもよりツヤツヤ……いや、これはいつもか。たゆまぬブラッシングとケアの賜物だね!
「じゃあ、続きしようか。と言っても次で最後みたいだね」
「最後は何かなー」
ラストはクイズだった。しかし、温泉に浸かりながらお互いについて答えるというもの。早く答えないと茹だる。地味にきつい。なぜなら、百問答えねばならないからだ。特に猫は暑いのが苦手だからか、茹だって浮いてしまい、救助されている人も何人かいた。普通にお医者さんとライフセーバーっぽい人が待機している。
まあ、気分悪くなったら即リタイアしようと約束して私達もクイズを開始。フリップに答えを書いて一斉に出すスタイルです。
今までにもそういうクイズをしたことがあったし、なんとか百問答えきった。
「おおおおお!!にゃにゃにゃんと!出ました!出ちゃいました!!全問せいかーーーい!!」
係員のお姉さんが派手に鈴を振り回す。福引きとかでよくあるアレだ。
「にゃんとにゃんと!パーフェクトクリア達成なので特別プレゼントですにゃ!ニャンダーランドご優待券をプレゼントしたちゃいますにゃ!おめでとうございますにゃー!」
「ありがとうございますー」
ニャンダーランドって、何?常連らしきお客さんが羨ましそうにしている。よくわからないが、チケットを二枚いただいた。なかなか凝ったチケットだなぁ。箔押しじゃん。これ、金?めっちゃお金かかってそう。
「こちらは粗品の牛乳無料券ですにゃ!」
「わーい!ありがとうございます!」
喉乾いてたから普通に嬉しい。なんか、そっち喜ぶのって顔されたけど……ニャンダーランドがなんだかわからないから仕方ないと思うんだ。
「はぁ……最高!」
「おいしいねぇ……」
風呂上がりのキンキンに冷えた牛乳最高!コーヒー牛乳とフルーツ牛乳もあったよ!やばいな、ここ!是非リピートしたい!両親とかミルフィとか……凛花とか彼方さんも絶対好きだな!教えておこう!!
お風呂上がりはラウンジでコーヒー牛乳を飲みながら涼んだ。いやあ……マッサージチェアもあるとかすげぇ……!ユデン最高!!絶対また来るんだ!!
「お楽しみいただけましたかな?」
公爵様もユデン巡りしたのか、牛乳片手に挨拶をされた。
「こんな格好ですみません」
慌ててマッサージチェアを止めようとするが、公爵様は楽しげに笑ってやんわりとそのままでいいと言ってくれた。
「ははは。この宿は我が領の自慢でしてな。お気に召したならなによりです。それより、多量の土産を購入してくださったとか。是非、もう一つの自慢を試していただきたく、お願いに参りました。本日は遅いですし、明日にでもご案内したく思います」
「是非お願いします!」
この宿が大当たりだったのだ。もう一つの自慢にも期待が高まる。公爵様の手を取ったら、さっき貰ったご優待券がひらりと落ちた。
「おや……案内するまでもなかったようですな。明日、午前中お迎えに参ります。できるだけ動きやすく着替えやすい格好でお願いいたしますね」
公爵様が拾ったご優待券に何かを重ねて渡してきた。
「……ニャンダーランド、一日フリーパスチケット?」
そこには、ニャンダーランド一日フリーパスチケットと刻まれたカードがあった。かなり精巧な作りで、何らかの魔法を帯びている。
明日はそのニャンダーランドに行くようです。公爵様はあまり仲睦まじいお二人の邪魔をしても悪いからと帰っていきました。
夕飯も大変豪華で美味しかったです。まあ、ダンのご飯には負けるけど……おでんが特に美味しかった。シャムキャッツは米こそないけど和食よりなのでとてもよかったです。
シャムキャッツに米を普及させようと心に誓いました。兄よ、シャムキャッツでも育てやすい米作ってね!(他力本願)
作者は温泉に行ったらコーヒー牛乳を飲みたいです。牛乳も捨てがたいです。旅先では紙パックよりビン牛乳派です
悪なり8巻、1月発売!ご予約はお早めに!
見どころは山盛りてんこ盛りすぎて、エルンストが霞んでおります。
※今回は珍しくちゃんと宣伝しておりますね(笑)




