これ、思ってたんと違う
久々更新であります!!
皆さんがアルディン様並みにキラキラした瞳でこっちを見てくるので日程を繰り上げて他国に行こうかと思ったその時……私は閃いた。
すると、商談を終えた真琴が部屋に入ってきた。
「ロザリンドちゃん、今度は噴火を鎮めたって?なんか信心深い爺婆達が銅像作って崇めるとかなんとか」
「止めて!やめて!絶対NO!!」
全力で阻止したかいがあって、銅像は作られなかった。危ない!!私のメンタルが死ぬとこだったよ!感謝を形にするのはやめてほしい。気持ちだけでいいよ!気持ちだけでいいから!!そして、感謝はいいけど信仰はダンメエエ!!
そして、ようやく落ち着けたので先程思いついた話を真琴にしてみた。
「真琴、火山と水源といえば?」
「え?なんかなぞなぞ??」
「いいえ。答えは温泉!!」
「温泉!!いい!温泉ほしい!!水浴びはもう嫌だ!ここで風呂って贅沢なんだよ!めったに入れないんだよ!」
日本人と言えば、お風呂好き!お風呂大好き日本人!!私と真琴は手を取り合った。真琴いわく、ここでお風呂は贅沢なのだとか。特に冬はクソ寒い。木も凍るから、薪必須。お風呂沸かすなんて新年ぐらい。私が昨日お風呂に入れたのは、恩人だから最高の歓待をしたからなのだそうだ。
よくてたらいにお湯を入れて、体を拭くのが基本らしい。寒いのにお湯に浸かれないのが辛いと真琴が泣いた。
「「いざゆかん!我々の湯ートピアを目指して!!」」
こうして、私と真琴は温泉を探すことにした。ディルクがついていけずにオロオロしていた。マイダーリンかわゆす。
「ママ、ここは無理だね。あっちを掘るといいよー」
頼りになるクーリンにより、あっさり源泉が見つかった。とってもグツグツしている。まあ、問題ない。
「マジか……ロザリンドちゃんてば、チートぉ……」
「うちの子がチートなんだと思う」
例外もいるが全く狙ってないのに、ほぼ精霊王関係者なんだもの……。どうしてこうなった……?
「ロザリンドちゃん、言われた通りにぃ岩でコーティングした地下水路ぉ、できたよぉ」
「は??」
なんで真琴は驚いてるの?険しい山道を抜けてまで温泉に入りたくないわけだし、人がいるとこまでお湯を引くに決まってるじゃないか。
ついでにユーフォリアを水洗に大改造しちゃおーかな。お湯だから冬も凍らないし、風呂の残り湯を下水にするとして……。後で図面引いてハクと作ろう。
「馬鹿なの?入れたとしても湯冷めするじゃん。冬は凍死しかねない。しかも、源泉だから熱湯だよ?やけど必須じゃん。これを道の下にひけば、雪かき要らずになる。お湯だから凍る心配もないし、水洗にしとけば清潔になって疫病予防になるんだよ?やらない意味がわかんないんだけど」
「そうなんだねぇ、ロザリンドちゃんは物知りだねぇ」
「ママ、頭いい!!」
凛の世界の知識だから、ある意味常識な気がするけども褒められた!温泉成分が管に吸着しないか不安と話したらそうならない素材を使うと言ってくれたハクの方が物知りだと思うけどね。とりあえずどっちも可愛いから撫でとこう。
「そもそもクリスティアって水洗が主流だから。ど田舎じゃないと汲み取り式はないかな」
「そーなんだ……」
「ロザリンドが主導で広めてたよね。工事も率先してたし」
「ぎくり」
ディルクが微笑んでいた。余計なことは言わなくていいのよ!?
「ロザリンドは本当にすごいんだよ。孤児院の経営方法もよく考えてる」
「ノンノンノン!凛の世界の知識がすごいの!」
「ええ……俺も同じ世界の人間ですけどぉ?」
「………個人差!真琴は確か農業大卒でしょ!?農業知識チート特化なんだよ!」
「……俺はロザリンドちゃんみたく役にはたってないけどね……」
真琴がいじけてしまった。
「ロザリンドはすごいけど、反面けっこうやらかすから、比べないほうがいいと思うよ?」
「それ詳しく!」
「言っちゃダメ!」
追求する真琴をかわしつつ、集中が途切れたら大崩落を起こす危険があると脅して黙っていただいた。嘘ではないしね。魔法は集中力と想像力が命!
「できた!!」
新しい物を作るには、試行錯誤が必要だ。予想外の出来事から、改善する。トライアンドエラーってやつだ。逆に、作ったことがあるものを再現するのは難しくない。それまでの技術があるからだ。
ちゃんと位置エネルギーを考えてあるから、流れが滞ることはないはず!
中央にあった広場を壊して共有の温泉施設を作った。トイレは水洗に変更。城の浴場にも温泉をひいた。
「本当にロザリンドちゃんはどこを目指してるわけ?たいへん立派なお風呂をありがとうございます!!」
真琴に土下座された。やめて、なんか拝みだすやつが出てきた。
「これで毎日お風呂に入り放題ですよ。とりあえず、土下座をやめて、説明してきて」
「喜んで!」
温泉を試してもらうために、最近だいぶ良くなったがまだ少し病弱な母と仕事で疲れているであろう父を呼んでみた。
「ロザリンドちゃんも入りましょ!なんだかすごいわ!元気もでるし、お肌が見て!ぷるつや!」
「…………肩こりと頭痛も治った……」
温泉って、こんなに効果が出るものだっけ??何かが……何かがおかしい!!私は即座に美人な賢者を召喚した。
「またやらかしやがったな、意味不明弟子!」
「不可抗力です!!」
「お前の天啓は予想外の方向に結果を出すといい加減学習しろ!普通の温泉が万病と状態異常を癒やし、美容効果もある奇跡の泉になってるじゃないか!!最近腰が痛いから僕も入る!」
「えええええええ………い、いってらっしゃ~い」
ひとしきりキレたが、美人な賢者のじじいは温泉に行ってしまった。
「…………まあ、悪い効果はないみたいだし……」
「………聞かなかったことにしよう……」
ディルクとそんな会話をしたが、残念なことに聞かれており、
奇跡の温泉は女神ロザリンドの癒やしの泉としてユーフォリアの観光名所となるのであった。
私は普通の温泉がよかったのに………これ、思ってたんと違う……。どうしてこうなった!??
ようやく言えます……
小説悪なり6巻発売中です!
打ち切りにならないように応援お願いします(笑)
6巻のみどころはやはり…
悪役令嬢ミルフィリア!!
ドレスのデザイン、珍しく私です!見てね!!




