ちょっと色々起きすぎじゃない?
久しぶりなので
コウ→ロザリンドの加護精霊。火の精霊とドラゴンのハーフ
クーリン→ロザリンドの加護精霊。水の精霊とバハムートのハーフ
ハク→ロザリンドの加護精霊。土の精霊とモグラ獣人のハーフ
ハル→ロザリンドの加護精霊。風がメインだが全属性を扱える。
ミス・バタフライと真琴に商談は任せて観光することになった。クランもふもふ主義のメンバーはお土産をしこたまもらって帰還。お土産にミス・バタフライが食いついたのは言うまでもない。真琴に頑張っていただこう。私は新婚旅行だからもう仕事しないもんね!
そんなわけで、やって来ました、絶景スポット!ユーフォリアは高山にあるので、かなり景色のいい場所がある。
「うわ、いい景色!」
「ユーフォリアでも一番高い山ですから」
商談中の真琴に代わってウールンさんが案内をしてくれた。うーん、絶景とはまさにこのこと。岩山から一望する景色はとても美しい。心なしか空気も澄んでいる気がする。しかし、なにか変。なんだか足元がムズムズするというか……?そのへんをふよふよ飛んでた精霊さんが親切に理由を教えてくれた。
『もうすぐ火山が爆発するんだ。だから火の魔力がたかまってて落ち着かないんだよ。噴火ってキレイだよー』
「ほほう、噴火かぁ…………噴火あ!??」
想定外の一大事じゃないか!!なんなの!?スタンピードの翌日は噴火ってなんなの!?
「ロザリンド?」
そういえば、精霊さんって精霊眼がないと見えないんだった。しかし、説明する暇も惜しい!!
「コウ!!コウ、助けて!!」
「お姉ちゃん、どうしたの!?お姉ちゃんが助けてって言うなんて、世界が滅ぶの!?」
コウの中で、私はどうなっているのだろうか。よほど助けを求めず無理すると思われているのだろうか。そんなことより、噴火を阻止せねば!下手すれば世界は滅びないけど、ユーフォリアが滅びる!!
「火山が噴火しそうなの!どうにかできない!?」
「え?うーん、お父さんに聞いてみるね」
そう言ってコウが火の精霊王を喚ぼうとしたら、なんか派手な多分火の精霊と思われるオッサンが現れた。
「ふははははははは!不遜なユーフォリアの民め!我が怒りを思い知るがよいわ!!」
どうも、高笑いしているオッサンが元凶みたいなので一撃与えて大人しくさせてから話を聞くことにした。
ユーフォリアの民は火の精霊を信仰していたが、最近は忘れられてしまった。昔は盛大にお祭りをしていたが、今では信心深い老人が祠を掃除してお供えする程度なんだとか。
「それのどこが不満なの?」
「偉大なる我の存在を忘れるなど、許せん!」
「忘れてないじゃん。ご老人達はちゃんとお供えしてるじゃん。そんな健気なご老人達まで皆殺しとか、最低最悪。神が許しても私が許さん!滅してくれる!!」
喋ってたら腹が立ってきたので指輪を剣にしてちょっと刺したろうかと思ったら、コウが慌てて止めようとした。
「待って!そいつを傷つけると、本当に噴火しちゃうかも!」
なんでも、今噴火寸前でなんとかコウが抑えているが刺激が加われば即噴火しかねないそうだ。
「クーリン、ハク、ハル!来て!助けて!!」
「はーい!クーリンだよ!」
「ロザリンドちゃん、世界が滅ぶのぉ!?」
「どーした!?天変地異の前触れか!?」
ハクとハルは私をなんだと思っているんだ?そんな場合ではないので、即指示を出した。
「ハルはコウの補助!コウはお父さん喚んで!ハクはマグマの逃げ道作って、クーリンはお母さん喚んでマグマの出口を全力冷却!!」
「マジでやべーじゃん!」
「おとーさーん!」
「はぁいぃ」
「おかーさーん!」
そして、現れた火と水の精霊王にビビるオッサン。
「コウのお父さん、ちょっとうかがいたいのですが」
「おお、待ち人様!なんなりとお申し付けください!」
あのオッサンの所業は精霊としてどうなのか聞いてみた。チクったともいう。案の定アウトだったそうでコウのお父さんから怒りのオーラが見えた……気がしたが、怒りで発熱したせいで蜃気楼が発生しただけだった。
「お父さん、噴火の方をなんとかしてからにして!」
「あっちぃ!キツい!」
「おお、すまない」
「二人とも、ごめんね」
余計なことを言ってしまったようだ。コウとハルに悪いことをした。私もヴァルキリーを使って真面目にお手伝いしよう。
「……時間はあるから、彼とは後程ゆっくり話すことにする。さっさと火山を鎮めるとしよう」
「ひいぃ!?」
火山に穴をあけ、無事溶岩を横穴から排出するのに成功した。
「さて、我らは『話し合い』をするとしようか」
コウのお父さんは怒ると怖いタイプらしい。威圧感がすごい。しかし、その威圧に負けずウールンさんがオッサン精霊を守るかのように間に入った。
「お待ちください!精霊様は我らを守ってくださいました!わ、わたくしはユーフォリア王の娘、ウールン!どうか、どうか精霊様を……」
怯えながらも、ウールンさんは懸命にオッサン精霊を守ろうとしている。
「あのさ、こんなに健気なウールンさんも殺すつもりだったわけ?酷すぎない?」
「ぐぬっ!?」
「お祭りも……申し訳ありませんでした。ここ暫く、狩りができる者が減ってしまい、生活に余裕がなかったために祭りをするだけの備蓄がなかったのです。我らは、目に見えずともけっして精霊様への感謝を忘れてはおりません!」
つまり、オッサン精霊は勘違いでユーフォリアを壊滅させようとしたってことかな?オッサン精霊は冷や汗ダラダラ。ウールンさんに見えなくて良かった。威厳が欠片もない。
ウールンさんは私とオッサン精霊の会話で内容を察したらしい。今も微妙にオッサン精霊の方を見ていない。精霊王は皆に見えるが、オッサン精霊は見えないようだ。
「ウールンさん、よくわかりました。しかし、精霊さんのせいでうっかりユーフォリアが滅ぶところだったのです」
「二度とこのような事がないよう、しっかりと言い聞かせておく。火の精霊王の名に懸けて!」
そんなわけで、オッサン精霊は火の精霊王であるコウのお父さんに引きずられていった。これにて、一件落着?
そんな感じでユーフォリア王宮に戻ったら、ユーフォリアを救った勇者扱いされて大変だった。ウールンさんに口止めするのを忘れていたよ!!なんでこうなった!?
なんでこうなった
答えを選んでください。
1ロザリンドは吸引力が変わらないトラブル吸引女子だから
2ロザリンドがうっかりしていたから
3ロザリンドがロザリンドだから
あ、本人が異議を申し立てているので逃げます!




