表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
楽しい楽しい?新婚旅行編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

674/729

この姪にしてこの叔母あり

 ロザリンドちゃんは凍った魔物を容量がおかしい鞄にひたすら仕舞いながら、迷うことなく歩き出した。歩きながらこちらに話しかけてくる。


「凛花を呼んどく?」


「凛花ちゃん?なんで?」


「ここのダンジョンが該当するかはわからないけど、ゲームに出ていたダンジョンのマップをすべて暗記してる変態だから」


「………へ?マジで?」


「マジマジ。変態でしょ?」


 変態というか、それはスゲーわ。普通は覚えられないだろ。


「変態っつーか、凛花ちゃんって記憶力スゲーんだね」


 ロザリンドちゃんが遠い目をしていた。


「興味があることへの記憶力と集中力と腐女子力はすごいから、それを勉強に活かしていたのよね」


「ナニソレ」


 ロザリンドちゃんは沈痛な面持ちだ。何かを思い出したらしい。というか、腐女子力って何よ。嫌な予感しかしないから聞かないけど。


「ゲームに関連付けて暗記したまでは良かったけど、弊害もあってね」


「うん?」


「回答欄にゲームキャラの名前とか国名を書いちゃったり、もはや別の物語を創作しちゃったみたいよ。あれね、二次製作」


「うわぁ……」


 それはもう、あらゆる意味で痛い。


「国連加盟国に、クリスティアが入ってた」

「世界を超えちゃったね!!」


 クリスティアって確か、ロザリンドちゃんが住んでる国だね!そんなゆるーい会話をしていたら、ダンジョンに到着。


「……敵はいないみたいね。真琴、一応全部凍ってるけど罠が作動する場合もあるから気をつけて」


「わかった」


「あ、一応やっとくかなー。私は渡瀬凛!渡瀬言葉の姪であり、待ち人でーす!!」


 なんかの暗号??ロザリンドちゃんが叫ぶと、洞窟が揺れて氷が割れていく!


「ぎゃああああ!?」

「危ない!」


 危うく崩れた氷の下敷きになるところだったが、間一髪でディルクさんが俺とロザリンドちゃんを担いでダンジョンから出てくれた。残念なのは俺もいるせいでロザリンドちゃんまで俵かつぎされてることかな!


「大丈夫?怪我はない?」


 いや、ディルクさん、マジイケメン。カッコいいなー。


「アニキって呼んでいいですか?」

「やめて」

「ああん、ディルク超イケメン!好き!」


 ロザリンドちゃんにじゃれられて、はにかむイケメンディルクさん。ロザリンドちゃんはマジでいいお婿さん捕まえたね。ああ、ウールンで癒されたい。俺も嫁に会いたくなってきた。あのフカフカなおっぱいとフワモフな体毛が恋しい。


 ところで、ダンジョン入り口で土下座しているロボはいつまで放置なのかな?すげえさっきからチラッチラしてるよ?あ、まだ無視ですか。サーセン。


「………マチビトサマ……」


「ディルク、ありがとう!ディルクが居なかったら危うく生き埋めになる所だったよ!」

「にゃ!?こ、こら!人前だからね!?服の中に手を入れない!」


 ロザリンドちゃん、明らかにロボが話しかけたら生き埋めになってたを強調したな……。ロボよ、ロザリンドちゃんが落ち着くまで待つしかなさそうだぞ。あ、地面に額を擦り付けてる。


「………ロザリンドちゃん、ロボかわいそうじゃね?」

「ディルクが居なかったら、私はともかく真琴は死んでたけど?私は最悪ヴァルキリーでダンジョンぶっ壊すなり結界張るなりできたけど、真琴は無理だよね?」


 ロザリンドちゃんが指差したダンジョンを見た。うん、死んでたね!間違いないわ!


「ロボ、反省しろ!」


「モウシワケアリマセンデシタ」


 ロボは素直だった。というか、このロボはなんなの?ロザリンドちゃんが叫んでた話となんか関係があるの?


「ロザリンドちゃん、待ち人ってナニ?」


 ロボではなくロザリンドちゃんに聞いたのだが、答えたのはロボだった。


「マチビトトハ、ワレラガますたーニツグケンゲンヲモツオカタデス。ワレワレハ、ズットマチビトサマヲオマチシテオリマシタ。ナゼカシセツがトウケツシテシマイ、ハソンシタタメニタイハンガトウカイイタシマシタガ、マチビトサマヲカンゲイイタシマス」


 つまり、ロザリンドちゃんが凍らせたから俺は死にかけたのではないだろうか。ロザリンドちゃんをジトーッと見ると目をそらした。本人もそこに思い至ったらしい。気まずそうだ。

 呆れた目でロザリンドちゃんを見ていたら、預かった袋が光だした。


「うお!?」

「あ、ナビィ君かな?」


 ロザリンドちゃんに袋を渡すと、彼女はそこから鍵を取り出した。何故か鍵から新しいロボが出てきた。


「座標ヲ確認。ハラペコンノエリアト確認。遺跡ノ大規模ノ損壊ヲ確認。マスター、修復許可ヲ要請シマス」


「うん、許可します」


了解(ラジャー)


 ロボは壊れた遺跡に入っていった。土下座していたロボもついていった。


「ロザリンドちゃんはロボの親玉なの?」


「ちっがあああああああう!!たまたま父方の叔母が遺産として残したの!」


「え?つまり、ロザリンドちゃん……凛さんの叔母さんが御茶ノ湯博士?」


「それもちっがあああああああう!!」


 それから丁寧に待ち人について説明されたが、つまりロザリンドちゃんがロボの親玉で、凛さんの叔母さんが御茶ノ湯博士って認識で合ってるんじゃね?と思ったのだった。


 この叔母にして、この姪ありだな。

賢い真琴は、あえてやっぱりロザリンドちゃんがロボの親玉とは言いませんでした。沈黙は金なり。


現在、活動報告にて人気投票実施中!今日、9月10日までの予定ですので、まだの方はお早めに!


宣伝でーす!


挿絵(By みてみん)


コミックス一巻は9月1日発売!可愛いサボテン達は必見です!


挿絵(By みてみん)


小説四巻は9月10日発売!あのある意味神回をとくとご覧あれ!!そう、あのヴァルキリーがついに姿を現します!!エンジンがかかりだした四巻をお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユハズ先生も絵が綺麗なので必見ですよ!!悪なりコミカライズ、スタート!! 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!コミカライズのリンクはこちら!」 小説二巻、発売中です。書き下ろしもありますよー 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!二巻のリンクはこちら!」
― 新着の感想 ―
[気になる点] > 詳細は最終章でやりますが、概要はこんな感じです。 ご回答有難うございます。 前世設定の回收か確定のことは安心した。 しかし最終章ね…… 侯爵夫人編の?それでも全体の? (そもそ…
[良い点] ディルクマジイケメン! 他の作品には、嫁が強いの場合、危險の時は扱いが雑のことも多いですか、ディルクは絶対しない。 [気になる点] > 「ゲームに関連付けて暗記したまでは良かったけど、弊…
[良い点] >ハラペコン 溢れ出る「おなかすいてる時に名付けました」感w
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ