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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ついに始まる結婚式編!

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少し掘ったら黒歴史

 とりあえず、余計なことは言わないことにした。話題を変えるには………ダンのごはん!!


「ダン、次の料理は何かな?」


 劣勢とみて話題をすりかえたッスとか言う凛花にさりげなく肉じゃがと呟いたら、すいませんを連呼していた。そろそろ学習しようよ。


「ふふふ………自信アリだぜ。多少見た目に難があるが、お嬢様なら大丈夫だろ。オーク肉も平気だしな」


「おーく?」

「世の中には知らない方が幸せな事もあるッス」


 首を傾げる渡瀬の祖母。いや、最初は平気じゃなかったよ。だけど、冒険者さんは普通に食べるし、アークもマーサも普通に食べるし………味はちょっと高級な豚肉なんだ。細かいことは、気にしないで!


「…………オークって、よくこう……ゲームとかファンタジー小説に出てくる豚の顔して体は人間みたいな?」


 兄さんもゲームをする人だから、知っていたようだ。渡瀬の祖母が渋い顔を……いや、この人は渋い顔がデフォルトだった。


「そんな感じッス。わりとおいしいッスよ」

「凛花、食べたの!?」


「オススメはとん……オークカツかしょうが焼きッス」


「食べたんだね!?そして豚肉みたいな味なんだね!あ、あの……この料理は……」


「オークは使ってないよ」


 ただし、キメラ的な生き物の肉だけど。私も最初は抵抗があったよ。


「高級肉の味だったッス」


「………食べてみたいわね」





 渡瀬の祖母は剛の者だった。ジョークでもなく、真顔だった。





「流石はリンの祖母」


「どういう意味ですか!?そして兄様の妹ですよ!!」


 他人事な顔してる兄だけど、そのセリフはブーメランだからね!??あの可愛いお野菜さん達をおいしく食べれちゃう兄には言われたくな………い……………そこで、私は恐ろしいことに気がついてしまった。


 訴えるように丁度料理を持ってきたダンを見る。


「今日の料理には入れてない。お嬢様の結婚祝いだからな」


 良かった。安心した。そして、置かれた料理は………多分魚だった。何故多分かというと、パーツだったからだ。そして、超でかかったからだ。


「これは真海王マグロの目玉と唇を蒸したものです。特製タレにつけて召し上がってください。前回は人数が多すぎて流石に無理でしたが、間違いなく魚の中で最高にうまい部位です」


 真海王マグロはでかいので、目玉も唇もでかい。そして、目玉と目があってしまった。


「………………………」


 いや、気のせいだ。この海王マグロは私が仕留めた。お刺身、おいしかった。ダンがおいしいというのだ。おいしいに違いない!ダンが巨大な目玉と唇を切り分けていく。


「ん!…………………おいしいいいいいいいい!!」


 覚悟を決めて一口、タレにつけた目玉をかじったら、激ウマ!なにこれ、とろける!ダンのご飯にハズレなし!!え!?ナニコレ、超おいしい!ふあああああ…………心なしか頭がスッキリして、肌がプルツヤ…………に?


「………!!」


 凛花に必死でアイコンタクトを試みる。ダメだ。あいつも目玉がおいしくてうっとりしてるから気がつかない………あ、気がついた。


「…………!!」


 そして渡瀬の祖母を見て痙攣していた。失礼なやつだ。元からそれなりに美肌だった女子達はさほど変化がなかった。ちょっとプルツヤになってほのかに肌が輝くぐらいだった。しかし、渡瀬の祖母と彼方さんの効果は顕著だった。



 二人とも、肌がプルツヤになっていた。ちょっと若返ってないか?シワが………!


「ナニをやらかした。トンデモ弟子」

「とりあえずで人のせいにしないでください、若作りロリ師匠」


「絶対そっちの方が酷い!食材用意したのは君だろ!?明らかに原因、君だろ!?どうせこの魚もトンデモ素材なんだろ!?」


「…………立派なお魚でした!」


 海上で遭遇したなら苦戦した………かもしれなくもないかもしんないが、陸にうちあげられたマグロは一撃で食材になりました。脳みそまで筋肉な英雄が一刀両断です。


「うむ。でかかったな」


「……………そもそも真海王マグロなんて聞いたことないんだけど?」


「亜種らしいですよ」

「やっぱりトンデモ素材じゃないか!!」


 いやまあ、うん。でも仕方がないと思うの。


「身はだいぶ食っちまったが、真海王マグロです」





 しん、と場が静かになってしまった。立派なお魚さんにビックリしたみたいです。





「………………これ、どうやって退治したの?投網……は無理だな。死骸なのにトンデモ魔力なんだけど」


「お嬢様、はい」


 真海王マグロの魔石……いや、魔岩だろう。青く輝く岩をしまった。立派な魔岩だから、エルンストと頑張れば潜水艇も作れるかも。


「……………もう君、僕の弟子名乗るのやめてよ!明らかに僕より強いし!」


「いえ、賢者様から大事なことを教わりましたから」


 美人なじじいがかなり駄々をこねたが、気にしないことにした。


「それにしても立派なマグロね。凛は漁師の才能があったのかしら」


 渡瀬の祖母は案外天然である。親切な………ダンジョンマスターという妖怪的存在が召喚してくれたので陸で戦ったと話すと頷いていた。


「もう、本当に僕の弟子名乗るのやめてよ!」


 美人なじじいがかなりしつこかったが、しらんぷりしました。

賢者の訴えが聞き入れられる日は、多分来ない。

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