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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ついに始まる結婚式編!

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まさかの属性チェンジ

 神様達による大サービスにより、ヴァルキリーとロージィ君に神の力が注がれてしまった。どうしよう。これ、下手に攻撃して散らしたら大惨事に…なる?死んだ魚の目をしながらも多分心配してきてくれた役に立たない賢者をチラッと見た。


「馬鹿なこと考えるなよ?暴れるなよ、馬鹿弟子」


 そのチラ見で私の破壊衝動をなんとなく察した色ボ賢者が釘を刺してきた。


「もう蹴散らしてやりたい。いいかげんにしてほしい。祝われてる気がしない。呪われている」


「気持ちはわかった!落ち着け!ディルク殿、鎮めてくれ!こいつが暴れだしたら大変なことになる!」


「……わかりました。いっそ俺も暴れたいですが…暴れたら悪化しそうですものね。ロザリンド、おいで」


「ディルクぅぅ!!」


 ディルク限定チョロザリンドは、ディルクにおいでと言われたら即座に抱きつきます。ふああ…癒される。もうなにもかも忘れてディルクとふて寝したい。

 とりあえず天狐様達は渡瀬の祖母にめっっちゃ叱ってもらおう。挨拶に行くついでにチクってやる。この場をどう納めよう……余興だと言い張るか。あのサボ神共はどうしてくれようか…。


「怖い!うちのトンデモ弟子が怖い!!なんか企んだ笑いすんなよ!」


「仕方ないでしょう。晴れの舞台にこの仕打ち…この恨み晴らさでおくべきか…」


「気持ちは若干…いや、だいぶわからんでもないがやめとけ!別に指輪に悪さしようとしてるわけじゃ……」


 繭状の魔力塊から出てきたのは……にゃんとも可愛い子供だった。独特な服装をしていて、和テイストファンタジーって感じ。上は和装だけで下はズボンだし、なんか本来耳がある部分の耳当てとアンテナ的なのとか、部分的にSFっぽい。そして、豹耳。ディルクに似ている可愛らしいお嬢さんへとヴァルキリーは変身していた。






「ヴァルキリーが…ヴァルキリーが萌え系になっただとおおおおお!??」






 ロボから華麗に萌え系豹耳ロリへと変貌したヴァルキリー。ロージィ君も和装ファンタジーテイストに変身した。ロージィ君はパソコンを食べてないせいか、SFっぽい要素はない。


「主…私はツクモガミなるものに進化いたしました。今後も主にお仕えします!たくさんやれることが増えました!頑張ります!」


「え、ええええええ」


「ロージィは大丈夫?」


「へーき、へーき。神の力が付与されただけ。そのおかげで精霊もどきになったから、大気のマナとか食事でも活動できるようになったぐらいかな?オレ、これからはご主人様の仕事を手伝うからな!」


 付喪神化した結果、私たちの意思や魔力供給がなくともある程度の活動が可能になりました。もはや彼らの定義が危うい。


「え?うん。ありがとう。ロージィはいいこだね」


「えへへ」


 ディルクにほめられてへらりと笑うロージィ君を見て、これはこれでいいかと思ってしまった。それはさておき、お~し~お~き~だ~べ~(ドクロな御方風にお願いします)


「ヴァルキリー!」


「ロッザリンドォォ!!」


 私の意思に呼応して、ヴァルキリーはバットになった。かっとばせー、ロッザリンドォォ!!


「必殺!頭棍棒打撃(ヘッドバットアタック)!!」


「ヘッドバットって頭突きだろうが!意味が違うだろ!!」


 天ちゃん、ツッコミをありがとう!私はサボテンの中にいる神だけをバットで殴ってお空の彼方へブッ飛ばした。


「ま、正しく神をも恐れぬ所業……」

「か、神よ…!」

「なんという罰あたり…」

「素晴らしいスイングだったな」


 神だろうがなんだろうが、私は仕返しを忘れません。座右の銘は『恩は倍にして返せ。恨みは十倍にして返せ』です。それにしても、武の教皇…脳筋にもほどがあるな。他の教皇達はサボテンの中身に心当たりがありすぎて、アワアワしてる。死なないし大丈夫だよ。

 今までのヴァルキリーでは不可能だったけど、ヴァルキリーがメガ神化した事で神だけをしばき倒すという荒業が可能になった。完全に身から出た錆って奴だね。仇となったね、馬鹿たれが!もはや一体感を感じるヴァルキリー(釘バットバージョン)を振り回す。


「待て、凛!いや、ろざりんどだったか!?話せばわかる!!」


 天狐様が身の危険を察知して叫んだ。湊さん達も必死にうなずく。


「話し合いだけで解決できるなら、そもそも戦争は起きません。晴れの舞台にこの仕打ち…この恨み晴らさでおくべきか…」


 ちょうどいいのでこと姉ちゃんの般若のお面を装着したら、般若からビームが出た。ビームは標準装備らしい。


「り…ロザリンド、さん?親父達は渡瀬のババアとよく…よぉぉぉく叱っとくからこのぐらいにしてやってくんねぇか?客をこのままにするのもマズイだろーし」


「わかりました。よぉぉぉく叱っといてください。ダンのミラクルディナーを抜きにされたくなくば、大人しくしてくださいね」


 天狐様は頷いた。あとはクラリン…はまるで倒されたヒロインかのごとく怯えている。


「ぷるぷる…」


 口でぷるぷる言ってる辺りに余裕が感じられる。なんか一気に冷静になり…状況のまずさに気がついた。


「あ~、お母さん」


「え?」


「関係者以外の記憶をごまかそっか?」


 ロージィ君が素晴らしい提案をしてくれた。


「ロージィ君、賢い!偉い!素晴らしい!!」


「えへ…あ、ヴァルキリーの協力もないと無理だよ。拗ねたからどうにかしといて」


 うちのヴァルキリーがすっかりロボから萌え系豹耳ロリに…違和感がはんぱな……いいモフモフだな。耳もふかふかだ。よしよししたら機嫌が直ったらしい。ロージィ君もヴァルキリーの状況を見て話しかけてきた。


「ただ、今までのインパクトを塗り替えるレベルのナニかで上書きしたいんだけど……」


「…出番カ?」


 ゴラちゃんは私をまっすぐ見た。神降臨、神ホームラン事件を上回るインパクト……私は頷いた。だが、ゴラちゃんは二番煎じ。先ほどの映像で目撃されているのだ。


「…肉の聖女様、出番ですかな?」


「やめて…やめろください!馬鹿上司!ウルファネアの恥を晒すな!!」


 かなり昔…あの呪われた魔女っ子ステッキを使っていたおっさんだった。相変わらず(筋肉的な意味で)ナイスバディだ。


「ということは、わしもか」


 引退した元ウルファネア国王が立ち上がる。まともな息子達が止めようとするが、言うことを聞かないのが迷惑なおっさんである。


「父上、おやめください」

「父上、夕飯抜きにされたいのですか」


「主のためだ。わしが恥をかくことで主のためとなるならば仕方あるまいて」


「父上は私の主に認められていません。私だってまだなんです」


 うん。私はどっちも嫌だからね。ジェスはまだ諦めてなかったんかい。そしてある意味空気を読んだ凛花の呪いの杖が発動した。


「悩める子羊を救済するゾ☆魔法少女☆土下座衛門☆見☆参!!」


 可憐にポーズを決めちゃった視界に絶大なる破壊力を示したオッサン。これは生きた有害物質である。丸太のように太くガッシリした腕を持ち、脛毛と腕毛と胸毛がフッサフサなガチムチゴリマッチョなミニスカ生足魔法少女風衣装を纏ったうさみみつきのオッサンが出現した。


「天知る地知る人が知る。誰かの叫びが私を呼ぶ!魔法少女☆金具志堅(キングシケン)!ここに光臨!!」


 よう○うさぁぁぁぁん!?(意味不明)


 リボンまみれの可愛らしい洋服。へそだしミニスカニーハイブーツを着用し、アフロとなった元ウルファネア国王がいた。銀色の狼耳と尻尾は変わらない。おい、尻尾は振るな。見える!見えてはならんもんが見える!


 ご乱心というレベルを果てしなく越えている、狂気のコラボレーションが実現してしまった。


 そしてとどめは股間に葉っぱのみを纏った細マッチョな素晴らしい肉体美の頭に白い花を生やした残念なイケメンである。


「ロージィ君、これだけインパクトがあれば…」


「………問題ないね!」


 多分やり過ぎと言いたかったロージィ君は、思考を放棄して笑顔を見せた。人生、なるようにしかならないんだよ!!


「……ウサミミガチムチ毛深い魔法少女とアフロマッチョミニスカと細マッチョの露出狂……………ありッスね」


 そんな凛花さんの呟きが聞こえてきました。お前の思考はどうなっとんじゃい!!ないわ!なにもないわ!お前のキャパは無限に広がる大宇宙かあああああああい!!

 魔力制御しているのでつっこめなかったが、内心ではハリセンを振り回しまくってました。三人のインパクトにより、無事記憶を塗り替えることに成功。迷惑な変態が乱入して捕縛したことにしました。


 お客さんがもれなく死んだ魚のような瞳になりましたが、仕方ないと思います。神様が悪いんです。

これはあれですね。こういう時、どんな顔していいかわからないって奴です。

誰か笑えばいいよって言ってください(現実逃避)


活動報告に書籍化続報をのせました。興味のある方はチェックしてみてくだい。

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