色んなラブ
「ロザリン、神様ランクが上がったわ!」
「…そんなのあるの?」
「無い」
「気分よ」
サラッと騙された。それはさておき、なんとなくクラリンが神々しい気がします。気のせいかもしれないけど。
「クラリン、あの子の恋を叶えたいの」
「あの子って?」
「クラリンがロザリンのラブでお手伝いした子」
「レティシア嬢ですね」
「そうそれ」
「なんでレ…なんとかさんにこだわるんスか?」
凛花が首をかしげた。
「声が聞こえたの。クラリンへのヘルプを求める声が…」
「…愛の神に初めて祈ったのがそのレ…なんとかなんだろうな」
「レティシア嬢ね」
「…すまん、出てこなかった。しかし、レティシア嬢?はともかくアルディンの糸がこじれまくっているからなぁ…かなりの力が要るだろう。今のクラリンならなんとなく解るんじゃないか?」
「そうね…でも、クラリンは愛に惑う女の子を助けたいの!」
「協力しますよ、クラリン!」
「ロザリン…!」
「「ソウル☆フレーンド!!」」
がっちりと腕を組む私達。
「……仲がいいな」
ラヴィータが遠い目をしていました。ノリが悪いです。
とりあえずあとクリスティアに居るラブラブカップルと言えば………
「私達ですの?」
「というわけでお願いします!」
「でも私はずうっとロザリィに相談しておりましたし、今さらお話しできることはあまりありませんわ」
「じゃあ、シーダ君!」
「俺か?」
シーダ君は戸惑いつつもきちんとお話ししてくれました。
実はシーダ君、スリだった頃からミルフィが物語のお姫様みたいに綺麗だと思っていたらしい。今思えば、一目惚れだったのかもしれないとシーダ君は話した。
二度と会うはずもなかった二人を繋いだのは、私だった。再会した二人は惹かれあい、見事婚約して今に至る。
「あの頃はまだ…ミルフィがつがいだとはわからなくて…でもずっと気になっていたよ。今、ミルフィが側にいて幸せだ。今でもたまに夢にみるよ。俺は本当はまだ貧乏暮らしをしていて、今の暮らしが全部夢なんだってやつ。盗みで捕まって腕を斬られて…まともに働けもしなくなる…でも、ロザリンド達に出会わなきゃそっちが現実だったんだろうなと思うよ。俺は本当に運が良かっただけだ」
シーダ君は苦笑した。
「だから俺、偉くなってロザリンドみたいな事がしたい。ロザリンドが経営してる孤児院をウルファネアにも建てて、昔の俺みたいなガキを出さないようにしたいんだ…ごめん、恋の話じゃなくなっちまったな」
「いいえ、シータン。それもラブ、これもラブよ」
「うあ!?」
クラリンは貴族風ネズミ…某ブルジョワジーなネズミ風衣装にコスプレしていた。ぜひ○ッキーマウスだYO☆と言っていただきたい。
「まあ、いつの間に…お似合いですわ、クラリン」
「サンキュー、ミルルン!」
クラリンは微笑んだ。
「慈愛、博愛ってとこかな?もちろん私も協力させていただきますよ。ちびもふもふが栄養不足で毛がパサパサになるなんて、世界への冒涜ですから!!目指せ、素敵なもふもふ王国!!」
「…ぶれないな」
「ぶれませんね」
「ロザリン、台無しなの」
いやいや、もふもふはこの世にもたらされた奇跡なのですよ。もふもふは保護されるべきなのです!そして余すところなく愛でるべきなのです!!
私はそこから5時間ぶっ通しでもふもふ愛について熱く語った。
シーダ君は仕事をしていた。ミルフィはウトウトしていたが、最後まで聞いてくれた。
そして、クラリンが…もふ丸化していた。もはや毛玉みたいなもふもふと化していた。
結晶化されたラブは………
「…これは大丈夫なのか?」
「まあ…」
「…大丈夫…なの。多分…多分?」
「なんかもう、正直すまんかった!!」
結晶化したラブにまで毛が生えていた。いやもう、私のもふもふ愛のせいに間違いないわ!!
どうしてこうなった!?




