プロローグと新生活
あれから二年後が経ちました。とある女の子視点になります。
私は天羽故。贈り人として日本からやってきた。私を喚んだのは優しくて不器用で真面目な騎士様だ。
剣と魔法の世界。とある乙女ゲーム…素敵な恋しちゃお☆胸キュン☆ときめきマジカルアカデミー☆願いを叶える贈り人☆と酷似している世界。
タイトルが恥ずかしいのは私のせいではない。作ったやつが悪い。そして、私は好き好んであんな軟弱なゲームをしたわけではない。私と同じ名前のヒロインだからと、無理矢理やらされたのだ。ゲームとしてはまあまあだった。恋愛そっちのけで修行したため、ノーマルエンドとやらになって友人に爆笑されたがそこはご愛敬である。
そして私は、今日クリスティアのシルベスター魔法学園に入学した。
「貴女、人にぶつかっておいて謝罪もできないんですの?」
最悪だ。入学早々に絡まれた。というか、よそ見してたらぶつかった。しかも、なんでこの人が…例の乙女ゲームの悪役令嬢、ロザリア=ローゼンベルクが居るんだ?
「…すいません」
頭を下げる。確かにぶつかったのはこちらが悪い。
「ロザリ…ア、そのぐらいにしてやりぇ」
「「………………」」
噛んだ。俺様が台無しだ。俺様バカ殿涙目だ。しかも、あんたの婚約者の名前が怪しいのはなんでだ。
「……あ、アルディン様が言うなら仕方ありませんわね。次はありませんわよ!」
あ、ロザリアが無かったことにした。しかしこれ以上絡まれたくなかったから頷いた。
「ありがとうございます」
「アルディン様、大丈夫ですか?治癒かけます?」
「…大丈夫…」
こそこそ話してるけど、聞こえてるよ?わりとロザリアっていい奴かもしれない。高飛車ではなさそう。
しかし、わざわざ入学先をゲームと違うとこにしたのに、何故彼らが居るんだ。学校の生徒会長がアルフィージだし…薬草園にはやはりチョロいルーがいた。
「私はラビーシャ。よろしくね」
そして、同じクラスにサポートキャラのラビーシャ。やべえ、本物超美少女!!
そして、強制力なのか出会いイベントが発生するわ発生するわ………とりあえず攻略対象全員に会ってしまった。
「いや、おかしい」
そもそも、私を召喚した人間が違うのだ。関わりたくなくて学校も変えたのだ。これは現実だ。ゲームじゃない!
「たのもう!」
「ふへ!?」
私は生徒会室に乱入した。1番ボロが出そうなアルディン様が居るからだ。
「アルディン様、お話があります!」
「俺にか?」
やはりアルディン様は俺様ではない。子犬みたいだ。そして、なんかまばゆい。アルディン様はゲームと明らかにキャラが違う。
「何故、私の前でだけ下手くそな演技をするのですか」
「…………うぅ……」
あ、言い方がまずかった。事実だとしても、下手くそは言いすぎだった。涙目ですよ、またしても。申し訳ない。
「ロザリ…アが…じゃなくて、その…」
「ロザリア=ローゼンベルク様?」
結局、しつこく問い詰めたらロザリア=ローゼンベルクが乙女ゲームの再現をしたがっているらしいとわかった。
「たのもう!」
「え!?」
今度はロザリア=ローゼンベルクに突撃した。
「ロザリア=ローゼンベルク!私はフィズ…フィズリア=ロスワイデしか好きじゃない!逆ハーはゲーム以外はありえない!!しかも、私はゲームの攻略対象全員が好みじゃないです!!」
「わかりました!その一途さ、気に入った!!貴女の恋を応援します!!」
よくわからないけど、以後ロザリア=ローゼンベルクは私の協力者になった。名前が実はロザリンド=バートンだったと後に知り、しかも、結婚していた……とりあえず、現代日本では考えにくいな。
旦那さんも紹介されたが、優しそうだった。
しかし、何故ロザリンドがゲームを再現したがったのかは謎のままだ。まあいいか。私は幸せに毎日を過ごしている。




