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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・ダンジョン攻略編

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ダンジョン攻略・ダンジョンマスターと能面ビーム

 すいません。楽しかったです。

 ダンジョンマスターはがっつりモフ落ちしてしまったらしく、いまだに人語を話さずだらしなく腹を晒してピクピクしている。間違いなくやり過ぎたようだ。


「ロザリンド…」


「てへ」


 くっ可愛い…いや、ちゃんと叱らなきゃとかディルクさんが葛藤してます。私に甘いディルクさん、愛してます。後でディルクもがっつりモフってあげるからねと言ったら真っ赤になった。可愛いのは間違いなくディルク様です。


 後で聞いたのですが、ダンジョンでは警戒していたのでもふられたらまずいと我慢していたし、モフ欲暴発も危惧していたので仕方なく許可したらしいです。やっぱり嫉妬するから自分以外はあんまりもふらないでねと、コッソリの言われてキュンキュンしました。

 ディルクは本当に素晴らしすぎる伴侶です。惚れ直してまうやろ~です。


「恐ろしい威力だな。銀狼族をここまで骨抜きにするとは」


「……ロザリンドのテクニックはスゴいもんね…」


 ジェラルディンさんがドン引きして、ディルクはうっとりしたご様子です。いや、その……ごめんなさい。たまに加減を忘れてごめんなさい。


「確かに…僕はちょっとしかしたことないけど、ものすごく気持ち良かったもんなあ」


 ん?待って!


「ジェラルディンさん、今なんと?」


「む?恐ろしい威力だな」


「いや、その後!」


「骨抜きに「その前!!」


「??あれは銀狼族だろう。匂いがする。異常に薄いが、間違いない」


「くっ…殺せ…」


 どうやらダンジョンマスターの意識が戻ったようです。


「リアルくっころいただきましたッス」


「黙れ馬鹿」


「いたっ!」


 もはや脊髄反射でツッコミをかましてしまった。ダンジョンマスターはモフ攻撃によって、まだ腰が抜けている。生まれたての子犬である。なんか可哀想になってきた。



 これ、どうしよう。


「…屈辱だ…主以外に、愛する妻以外に腹を見せてしまうなど…」


「あ、うん。ごめんなさい」


「態度が軽すぎる!こんな女に体を弄ばれたなんて…」


「なんか、表現がひわ「シャラップ!!」


 とりあえず凛花はどついて(物理的に)黙らせたが、どうしよう。さすがの私もこんな足腰たたない子犬を虐待したくない。


「あれ?」


 鍵が輝いて、ゆう…精霊さんが現れた。ウエストポーチをペシペシする。


「ロザリンドちゃん、その幽霊さんはお面を出してって言ってるッス」


「幽霊さんではない。精霊さんです」


「…………え?」


「幽霊さんではない。精霊さんです」


「え?あー…精霊さんはお面を出してって言ってるッス」


 凛花さんがあからさまにこいつ面倒くさいという顔をしたが、気にしないんだから!!


 しかしウエストポーチにあるお面?1個しかないよ。ウエストポーチから能面の小面(こおもて)さんを取り出した。これはこと姉ちゃんが遺した遺産で、クリスティア城にあったもの。こと姉ちゃんはある時期から急に能面をつけだしたのだが、多分それが勇者になった後だったのだろう。

 こと姉ちゃんは能面があった方が表情が解りやすかった。能面をつけだしてからは、どこか遠くを見ることが多かったのを覚えている。


 無表情な精霊さんがそれをつけると、輪郭がくっきりしたように見えた。




 そして、小面さんからビームが出た。目からビームが出た。小面さんビームは、ダンジョンマスターに直撃した。





 はい?





 ええと、ゆう…精霊さんに能面の小面さんを渡しました。うん、ここまではいい。

 精霊さんが小面さんを装着したら、なんかぼやけて透けてたのがハッキリクッキリ見えるようになりました。うん、ここも問題ない。

 小面さんからビームが出て、ダンジョンマスターがぶっ飛びました。





「なんでじゃああ!?なんでビームが出た!?小面さんになんか魔法がかかってるとは思ってたけど、危険物だったわけ!?いや、なんでダンジョンマスターを攻撃したの!?」


 硬直が真っ先に解けた私が全力でツッコミをかました。


「いや、なんか腰抜けてたみたいだし…ショック療法?あと、他の女にもふられてメロメロだったのが気に入らなかった」


 ゆう…精霊さんたら厳しいな!つうか、スゲー見覚えある精霊さんなんですが?


「ご主人様!」


 ダンジョンマスターは満面の笑みで精霊さんに駆け寄った。


「おすわり」


「わん!」


 いいのか、それで。犬か?犬なのか??狼の誇りはどこ行った??


「…私は言葉様じゃない。そんなことも解らないなんて、先が思いやられるわ。待ち人様…いえ、凛様。私はずっと貴女を待っていたのだと思います」


 顔は小面さんで見えていない。けれど確かに、彼女は私が知る渡瀬言葉にそっくりで…優しく微笑んでいるように見えた。

 ちょいちょいネタを挟みつつ、次回に続く!

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