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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・ダンジョン攻略編

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ダンジョン攻略・色々しかたないと思うの!

 ダンジョンマスターと思われるモノはゆらゆらした影になっていた。さっきは人の手が下敷きになっているように見えたのだが、見間違いだったのだろうか。ダンジョンマスターが影の手をあげると、ナニかが召喚された。


 なんか、すごい見たことあるドラゴンだった。赤い鱗に、立派な角。もう1体も美しいクリスタルの輝きを持つ鱗。理知的な瞳はどこか優しい。


「マリアさんとルラン!?」


 私のコウのママドラゴンと、クリスタルドラゴンの友人、ルランでした。


「あら、ロザリンドちゃんじゃない。元気かしら?」


「げ、元気ですよー。コウも元気です」


「久しぶりだな、ロザリンド。ジャッシュ、また焼き菓子をくれ」


「あ、はい」


 ジャッシュは自分の鞄から焼き菓子を取り出すとルランに渡した。


「…まだ焼き菓子あげてるの?」


「私はたくさん酷いことをしましたし…クリスタルドラゴンさん達、毎回すごく喜んでくださるので続いてますね」


 いやまあ、ジャッシュがいいならいいけどね。クリスタルドラゴンとはすっかり仲良くなったらしい。


「ぐうっ!?」

「うあっ!!」


 マリアさんとルランが苦しみだした。ダンジョンマスターが洗脳しようとしているらしい。


「ふんっ!」


 しかし、マリアさんは自力で洗脳を解いた。


「あの魔とかいうのに比べたら、楽なものだわ!そう何回も体を乗っ取られてたまるもんですか!」


 それは確かにそうだよね。そして、マリアさんはダンジョンマスターに襲いかかった。それにより気がそれたのか、ルランも自力で洗脳を解いた。


 マリアさんはダンジョンマスターを噛む直前で消えた。ルランも襲いかかろうとした瞬間に消えてしまう。


「なんなんだよ、お前ら!!なんでこんなに魔物に知り合いがいるんだよ!これじゃ試練にならないじゃないか!!」


 ダンジョンマスターに怒られたが、正直そんなこと言われてもとしか言いようがない。

 ダンジョンマスターがまた手をあげると、空間が歪んで竜のような巨大なお魚がぴちぴちした。


 バハムート。それは、巨大なお魚さんである。飛べるがいきなり召喚されたためか、ぴちぴち…いや、ビッチビチしている。でかいから危ない。尻尾の一撃で即死しかねない。


 バハムートの知り合いもいるんですよね。見覚えあるバハムートなんですが。いや、そんなにバハムートは知らないけどね。


「ふいー、いきなり陸に呼ばれたからビックリしたよ。おや、ロザリンドさん、こんにちは」


「…………こんにちは」


 やはり知り合いのバハムート…クーリンパパでした。ダンジョンマスターよ、何故こうも知り合いばかりを喚ぶんだい?


「うあ!?」


 洗脳しようとしているらしいが、クーリンパパは魔に侵されたクーリンママ(水の精霊王)の側にいても魔を寄せ付けなかった猛者である。


「なんの!!」


 案の定、洗脳を自力で解いてしまった。ダンジョンマスターの洗脳は、魔より下位のようなので当然といえば当然である。バハムートには効きにくいのか、クーリンパパが特別なのかはよくわからない。


「悪いが、私は他人に簡単に使役されるような雑魚ではないんでね」


 確かに、雑魚ではなく(釣り的な意味でも)大物ですよね。もし釣れてしまったら、船が転覆しそうです。クーリンパパがどや顔して、消えました。


「本当になんなんだよ!上位の魔物に知り合いが多すぎるだろ!!」


「えっいや…はい…なんかすいません」


 キレるダンジョンマスターについ謝罪する私。あれ?ダンジョンマスターは影というか…黒っぽいモノがまとわりついてる?


「チタ!」


「おうよ!」


 あっさり浄化できました。どうやらとりついてたわけではなく、怒りに引き寄せられてまとわりついてただけみたいですね。


 そして、魔が取れたダンジョンマスターは予想外の姿をしていた。


「こうなれば、俺自身がお前達を試してやろう!」


「ディルク、手出し無用です。私が行きます」


「…まあ、適任かな?油断したらだめだよ」


「はい!」


 ディルクから許可をいただきました。他メンバーも頷く。やや呆れた目線がある気もするが、気にしない。私の意識は完全にダンジョンマスターに向いていた。

 ダンジョンマスターが駆け出した。飛んで火に入る夏の虫。私はダンジョンマスターを捕まえて、我がゴールデンフィンガーを全力全開で発動してやった。100%中の100%ぉぉ!!である。心、技、体の全てを尽くし、私はもふった。そう、もふって、もふってもふもふしまくってやった。


「き、きゃいいいいいん!!」


 ダンジョンマスターが悲鳴をあげる。ディルクが可哀想なものを見る目をしている。凛花が成仏しろよと言っていた。死なんわ。


 そう、ダンジョンマスターは…力強く地面を踏みしめる足に、ピンとした尻尾。凛々しい瞳。昔のジェンドそっくりの銀色毛皮をしたもふもふ子犬…ではなく子狼の姿をしていたのだ!


「ふふ…ふふふふふ」


 これは私の獲物(もふもふ)である。最愛のもふもふは当然ディルクだが、目の前のもふもふは愛でねばなるまい。敵だから、手加減も無用である。







 結果、ダンジョンマスターはモフ落ちした。






「あふーん…」


 ヨダレを垂らしてピクピクしている。うむ。やり過ぎたね。もはや人語を話さないよ!


「………どーすんスか、これ」


「…………どーしよっか」


 凛花からシャイニングウィザードをくらったのは、言うまでもない。しかし、後悔はしていない。ディルクほどではないが、よきモフモフでした!


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ユハズ先生も絵が綺麗なので必見ですよ!!悪なりコミカライズ、スタート!! 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!コミカライズのリンクはこちら!」 小説二巻、発売中です。書き下ろしもありますよー 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!二巻のリンクはこちら!」
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