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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・ダンジョン攻略編

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ダンジョン攻略・ボスと英雄

 さて、やって来ました30階。ボス部屋です。


「皆、心の準備はいいですか?行きますよ!」


『おう!』


 扉を開けると、緑の匂いを感じる。部屋の中央には巨木…いや、これは…


「ここのボスは魔力食いか」


「樹木ならばこの…木こりんかにお任せッス!伐採上等!!」


 斧を振り回す、むさいオッサン(きこりんか)。危ないからやめろ。


「ギィイ!?」


 魔力食いは怯えている。効果は抜群だ。魔力食いが凛花に怯えている隙に、魔力を冷気に変換する。ミルフィが以前、わざと魔力を吸わせて内部破壊したらしい。同じ手段を使わせてもらおう。


「ま、待ってください!謝ります!土下座します!誠心誠意、全力をもって謝罪しますから、許してください!お願いします!!」


 つむじしか見えないが、見覚えがある少年が目の前に現れ、土下座していた。


「シーダ君ちの、きーちゃん?」


 シーダ君ちに預けられた魔力食いの長個体は何をどう間違ったのか、精霊化してしまった。シーダ君の魔力のせいだと思われる。

 多分兄が調合した特殊肥料や私の魔力のせいではない。私はほんのちょこっとしかあげていない。きっと肥沃なウルファネアの大地とシーダ君の魔力のせいにちがいない。きっとそうにちがいない!!


「お前も一族郎党皆殺しにされたくなければ全力をもって謝罪しろ!」


「ギィイ!!」


「無理すんな!戦う意思がないのはわかったから!」


 魔力食いも多分土下座しようとしたのだが、木の幹はそもそも曲がる仕様ではない。ミシミシいってたよ!?


「ギイィ…」


「魔力食いは美味しくないですから、許してください!葉っぱなら枯れない程度ならいくらでも差し上げますからぁ!!」


「あの…」


「すいません、すいません!生きててすいません!見逃してやってくださいぃ!!」


「ギイィ…」


「お前は黙ってろ!ロザリンド様はなぁ、ほぼ独りで大海嘯を止めて、英雄を下僕にして、SSSランクを狩りまくって食料にしまくり、SSSランク魔物組合で最年少危険人物リスト入りしたあげく、あのミルフィ様をも従えているんだぞ!?」


「待て!ミルフィはあくまで親友だから!従えてないから!いや、SSSランク魔物組合って何!?危険人物リストに入っちゃってんの!?」


「ギイィ!?ギイィィィ!!」


「いや、だから無理すんな!折れるから!!」


 パニックを起こして土下座しようとする魔力食いを宥めるのが大変でした。むしろきーちゃんもパニックを起こしているのでそっちを宥めるのも大変でした。




 結局、SSSランクの知能が高い魔物の組合に私がブラックリスト入りしているらしいと知りました。ジェラルディンさんもらしいです。しかし、ディルクは入ってないらしい。解せぬ。とりあえずこれだけは言わせてくれ!


「流石の私も、無抵抗の相手を倒したりはしないから!」


 明らかにホッとした様子のきーちゃんと魔力食い。


「よかったな!」


「ギイィ!」


「お前、危なかったぞ!ロザリンド様のアイディアでミルフィ様はあの残酷な氷魔法を使ったらしいからな!」


「ギ、ギイィ!?」


「そうだぞ!今度こそ内側からズタズタにされながら氷漬けになるとこだったんだ」


「ギィイ…」


 魔力食いの葉っぱが真っ白になった。ショックだったらしい。同じ戦法で倒そうとしていたことは内緒にしておこう。


「…さっき、氷結魔法使おうとしてたッスよね?」


「な、なんのことかな?」


「「…………………」」


 きーちゃんと魔力食いにも聞こえていたらしい。きーちゃんの顔は真っ青になっていた。魔力食いの葉っぱはまだ真っ白だ。


「い、いや!やらない!今は敵意もないから戦わないから!」


「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいぃぃ!!」

「ギィイ、ギィイ、ギィイイイイ!!」


 シーダ君を傷つけた魔力食いはその報復にあい、すっかりトラウマになっていたらしいです。


 後に闇様から、

「公爵令嬢とは、怒らせたら怖い娘のことなのだろう?」

 と言われました。違うから!別に公爵令嬢は戦闘民族じゃないから!しかし、


・私➡元公爵令嬢

・ミルフィ➡公爵令嬢

・シュシュさん➡元公爵令嬢


 身近な公爵令嬢は、戦える令嬢または元令嬢でした。いやいや、多分他の公爵令嬢は戦えないはずです、多分!我々が変わっ……………ちょっぴりお転婆なだけですよ!!きっと!!


 ま、まぁとりあえず、地下30階クリアです!

 おかしいな…ボス戦2回目もスルーだと…?

 しかし、こんな感じでダンジョン攻略は進みます。地下300階までは長そうですねぇ。

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