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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・ダンジョン攻略編

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ダンジョン攻略・英雄はなぜ吊るされたか

 凛花視点になります。

「ロザリンド!?ジェラルディンさん…悪気がないのはわかりますが、見るだけでダメなものを食べる話ををするなんて酷いです!ロザリンド、行こう!」


 気分が悪くなったらしいロザリンドちゃんを、ディルクさんが颯爽とお姫様抱っこで連れ去った。カッコいい!!いやん、憧れるッスよ!!


「おじさん、さいてー」


「ぬ?」


「お姉ちゃん、こっくろ?苦手。なのに、食べる話して、気持ち悪くした。おじさん、さいてー。嫌い」


 てしーん、てしーん。マリーちゃんの尻尾が不機嫌に揺れた。


「父上…見損ないました!最低です!」


 ジャッシュさん…目が超怒ってるッス!怖い!


「お父さん、最低!!」


 ジェンド君とジャッシュさんが怒って席を立ちました。しかしご飯はきちんと確保しています。流石です。


「マリーも行く!」


 マリーちゃんも自分の皿を持って部屋にいってしまいました。


「……………」




 あ、逃げ遅れた。




 ジェラルディンさんと二人きりッス。超気まずい。


「…リンカ殿は行かないのか?」


「え?あー、はい」


 いくら自分でも(自業自得とはいえ)しょんぼりした人をボッチにするのはちょっと…

 ロザリンドちゃんはディルクさんがどーにかするから絶対大丈夫だし…


「そうか。俺はこんなだからな。他人をいつも怒らせてしまうのだ」


 相当にへこんでいらっしゃる。耳も尻尾もしんなりですよ。


「…初めて、だったんだ」


「何がッスか?」


「対等か、格上の相手と泊まりで冒険をするのが。息子達と冒険をするのが」


 ジェラルディンさんは、いつも相手が格下だったから今回が楽しくて仕方ないのだと話した。しかし、息子達を怒らせてばかりだとしょんぼりした。


「しかし、主に対しては何が悪かったのだろうか。あれは食わず嫌いするにはもったいないものなのだが…」


 ウルファネアでは普通に高級食材であり、いいだしが出るし、身もとても美味らしい。文化の違いですね。ジェラルディンさん、本当に悪気なかったんスね。


「あれはダメッスよ。話したくも見たくもないレベルッスから。食べるなんて無理ッスよ」


「そうなのか?」


 いまいち解ってないご様子。うーむ…


「つーさん、いい例えないッスか?どんなに美味しくてもウルファネアで嫌悪される虫系魔物はいないッスか?え?フナムシモドキ?」


「………!!?」


 ジェラルディンさんの尻尾が…いや、全身の毛がぶわわわってなったッス。


「い…今なんと?」


「フナムシモ「いや、言わなくていい!!」


 あ、よく見たら鳥肌たってるッスよ。


「ロザリンドちゃんにそのフナムシホニャララを食べろと言うのと同じッスよ。ジェラルディンさんもどんなに美味しくても食べたくないでしょ?」


 ジェラルディンさんは何度も頷いた。しかし、この人がこんな反応するなんてどんな魔物なんだろうか。

 いや、知らない方がいい気がするッス。


「見るのも嫌な物を食べられるわけがないッスよね?」


「俺は…俺は主になんと酷いことを…!」


 ジェラルディンさんが泣いた。マジ泣きだ。どうしよう。いい年したオッサンを泣かせてしまった。


「うぐっ、ふぐぅぅ……」


 オッサンは泣き止まない。


「ロザリンドちゃんは怒ってないッスよ」


「いや、俺が自分を許せない…!」


 これ、どうしたらいいッスかね…困っていたら、全身白タイツ鳩マスクがやって来た。



 え?あ、ポッポちゃん…?そのロープは何??


「話は聞かせていただきました。我が主、ロザリンド様への心ない発言に罰を与えましょう」


「ああ、頼む」




 こうして、ジェラルディンさんは吊るされたッス。いや、なんでだ!?ポッポちゃんはジェラルディンさんを吊るすといなくなった。


 カムバック、ポッポちゃぁぁぁん!!





「もういいッスよ!吊るされたまま寝るとか、体に悪いッス」


「いや、問題ない」


「問題あるッス!明日からまたダンジョン攻略ッスよ!?」


 反省したオッサンは吊るされたまま寝ると言って聞かず、自分ではダメだと判断してジャッシュさんを呼びに言ったッス。


「父上…反省したのはいいですが、今度はリンカさんを困らせてどうするんですか」


 しかし、反省したオッサンは皆の説得を聞かなかった。ジャッシュさんでもダメだったから、ジェンド君とマリーちゃんも説得して全員で言ってもダメだった。


 結局、自分達が折れたッス。







 そして、朝。


「ジェラルディンさぁぁん!?」


 吊るされたジェラルディンさんに驚愕するロザリンドちゃん。


「主か…昨日はすまなかった」


「もうどうでもいいわ!なんでこんなことに!?」


 やはりロザリンドちゃんは怒ってなかった。


「うむ、皆に怒られた」


 オッサン、それだと自分達が吊るしたみたいじゃないッスか。実行犯はポッポちゃんで吊るされるのを望んだのはジェラルディンさんッスよ!


「シンプルな理由だな!」


 ロザリンドちゃんも信じるなッス。





 そして、朝食。


 ロザリンドちゃんとディルクさん以外、怒ってると思ったらしくロザリンドちゃんが必死でもう大丈夫だと告げてました。


 皆、否定するのが面倒だし、なんか精神的に疲れたので許してあげることにしたらしいッス。


 追伸・本気で反省したジェラルディンさんは、以後けしてコックローチを話題に出さず、似た魔物はロザリンドちゃんに見せないように一瞬で倒していたッス。


………めでたしめでたし? 

 何故ポッポちゃんが来たのか。魔がさしたようです。この小説、魔がさしてばっかりだけど。

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