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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・ダンジョン攻略編

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ダンジョン攻略・アレの裏側

 前話の凛花視点になります。ちょっとわかりにくかったみたいなんで。



 地下12階。


 自分のつーさんがカボチャの馬車ではなくこう…メカっぽい馬車になった。ロージィ君の馬に合わせたらしいッスよ。流石は空気が読める杖さんッス!


 ヴァルキリー君は世紀末的センスの馬になっているッス。気に入ったんスかね?そしてこのフロアでもマッチョネスト=サボテンさん達が道を作ってくれていたッス。


 このまま戦わずに次の階に行くかと思ったッスが、そう甘くはなかったッス。



「む?」


 異変に気がついたのは、外というか御者台に居たジェラルディンさんだった。後で聞いたら、作りものの太陽が陰ったから気がついたらしいッス。


 ジェラルディンさんは空を見上げて叫んだ。


「空から敵襲だ!!」


 迎撃しようとロザリンドちゃんが即馬車から身を乗り出して、絶叫した。




 敵は、凛姉ちゃんの天敵だったッス。



「きゃあああああああ!!」


「ロザリンド!?アレか!」


 流石は旦那さん。把握が早いッスね。自分も敵を確認して納得したッス。


「あー、凛姉ちゃん苦手だったッスもんねぇ」


 ロザリンドちゃんは焼きつくそうとしたみたいッスけど火力が足りなかったのかコックローチの丸焼きが大量に降ってきたッス。


「いやあああああああ!!」


 完全に自滅ッスね。降ってくるコックローチにパニックになるロザリンドちゃん。まあ、仕方ないッス。人間誰しも苦手なものはあるッスよ。


「火属性だからデザートコックローチにはあまり火は効かないッスよ…まあ、よく焼けてるけど」


 流石はロザリンドちゃんッスかね。それでも倒しちゃってる辺りが規格外ッス。

 ただ、空から降ってきたコックローチ(こんがり焼けてます)に半狂乱だけど。


「デザートへの冒涜だ!デザートが食べられなくなる!」


 わけわからんことをわめきだしたッス。とりあえず、ツッコミしといたッス。


「いや、砂漠だからデザートなだけッスよ…」


「む?どういう意味だ?」


「自分らの世界にはいくつか国があって、砂漠をデザートという国があるんスよ」


 ジェラルディンさんそうか、とうなずいてたッス。よくわかってない気がするけど、どうでもいいからスルーした。

 さて、デザートコックローチ自体はさほど強くないはずだけど、数が多いのが厄介ッスね。


「ディルク様、ヴァルキリー君、ロザリンドちゃんは任せたッス」


「え?うん」


「オマカセヲ」


「総員、戦闘開始ッス!!」


『おう!!』


 自分はつーさんを馬車から杖に戻してコックローチの大群を倒すことにしたッス。ロザリンドちゃんの戦力は惜しいッスけど、あんなにコックローチにパニクってる状態で戦わせたら味方が危ない。ディルクさんは護衛というより、ロザリンドちゃんが魔力暴走させたりしないためのストッパーッスね。


「い、いやあああああああ!!」


「ロザリンド、落ち着いて!」


 あ、自分がつーさんを戻したせいでコックローチの集団に囲まれたロザリンドちゃんが泣き叫んでいる。すまんッス。でも流石につーさんナシはきついッス。


 大丈夫、とロザリンドちゃんを宥めるディルク様が頷いた。頼りになるッス!ロザリンドちゃんは任せたッスよ!ヴァルキリー君が馬車になってくれたのでその中に避難させられたみたいッスね。多分これで落ち着いてくれるはず。


 皆は一気にコックローチへ襲いかかったッス。すかさず支援魔法を発動する。コックローチは防御力が高いから、攻撃力を重視した。


「勇猛無比!疾風怒濤!!」


「いやあああ!」


 いつも通りジェンド君がコックローチを切り刻む。


「これは…素晴らしい支援魔法ですね!」


 ジャッシュさんが苦無で確実に仕留めていく。


「にゃあああ!!」


 マリーちゃんもコックローチを叩き潰すが、暑さのせいかイマイチ動きが悪い。ただ、近くにジャッシュさんがいてフォローしているので問題はないみたいッスね。


「わはははははは!」


 ジェラルディンさんは…コックローチを物理的にちぎっては投げているッス。ロザリンドちゃんが泣くからやめさせるべきか迷ったッスが、下手に加減させて大ケガしたら嫌なので放置したッス。


「サボボボ!!」


「サボボボ!!」


 サボテンさん達も針マシンガンでコックローチに応戦しているッス。



 確実に数を減らしているものの、コックローチが多すぎる。時間を稼いでもらって大技を使うか考えていたら、背後から魔法の気配がしたッス。


 ロザリンドちゃんは氷の槍魔法を乱発して、自分達を巻き込まない位置からコックローチを攻撃し始めたッス。


「うわ………」


「流石はお嬢様…」


「わはははははは!主には負けられんな!」


「にゃー」


 正確に氷の槍はコックローチを刺し貫き、氷漬けにしてしまう。冷気が流れきて、ちょっと涼しい。しかし、すごいッス。自分達より倒してないかなぁ?魔力コントロールは大丈夫かと後ろをうかがうと、ディルクさんが補助しているのを感じた。多分ディルクさんは無意識ッスけど、本当にロザリンドちゃんはいい旦那さん見つけたんスね。

 さらに、急に暑さが和らいだ。しかも、氷の槍は止まらない。超スゲーッス。


「さあ、一気に殺っちゃうッスよ!ロザリンドちゃんに負けらんないッス!!」


『おう!』


 マリーちゃんも普段ほどではないけどさっきよりは動きがいい。このまま殲滅しようとしたら、太陽が猛スピードで落ちた。


「え?」


 確かに、直射日光と照り返しはきつかったッス。本当に規格外というか、ロザリンドちゃんは滅茶苦茶ッスよ!


 しかし、今がチャンス!コックローチもいきなり夜になって混乱しているッス!!皆の動きが格段によくなった。やはり暑さのなかでの戦闘は非常に厳しかったッス。

 特にマリーちゃんはいつもの動きになっている。


「疾風迅雷!さて…戦いやすくなったとこで本気でいくッスよ!変身(メタモルフォーゼ)!!」



 白き衣を纏い…大切な存在(こども)を守るために戦う女戦士(アマゾネス)

 黒き悪魔を怖れず、果敢に戦うその戦士は………



 お母さん!!

※母ちゃんでも可。



「ゴキブリなんぞ、このりんかーちゃんの敵ではないッスよ!」


「うわあ、強そう!」


 は白いエプロンに赤のワンピース、白くつ下に白いつっかけと…右手に金棒、左手に洗剤を装備ッス。ヤカンin熱湯も考えたッスが、味方が危ないのでやめたッス。


「ゴキブリ退治なら新聞紙と洗剤と思ったッスが、新聞紙じゃ攻撃力が足らないと思ったッス」


「にゃー?」


 よくわからなかったらしいマリーちゃん。まあ、気にしないッス。


「ま、待って!凛花!」


 待てと言われて待つ馬鹿はいないッス。待ったら喰われるッスよ!


「そいやぁぁ!!」


 洗剤を水に混ぜ、コックローチを水に沈めた。もがくコックローチ。やはり洗剤は有効だったみたいッスね。


「ひ…いやあああああ!!」


「ロザリンド、落ち着いて!」


「うわああああん!ディルク、怖いよう!!気持ち悪いよう!!」


 ロザリンドちゃんがなんか大騒ぎしている。洗剤……ああ、真夜中にゴキinコップ事件辺りを思い出しちゃったッスかね?ディルクさんによしよしされて落ち着いたみたいだから……まあよし!


 洗剤が尽きたので金棒で容赦なくコックローチを潰していく。なんかロザリンドちゃんから信じられないと言いたげな目線をいただいた気がしたが、自分からしたらきゃーきゃー言いながら大量のコックローチを仕留めまくったり、ダンジョンの天候を操作しやがったロザリンドちゃんの方がありえないッス!!




 そして、コックローチを殲滅して合流したッスよ。


「寄らないで」


 ロザリンドちゃん、まさかの拒絶ッスよ。


『………………………』


 ロザリンドちゃんはディルク様の膝の上でプルプルしていた。可愛い。気が強い美少女の涙目は美味ッス。多分、全員コックローチの体液まみれだからッスね。寄るな触るな!うわああああん!!とか言いそうッス。


「主、アレの魔石は…「素材も魔石もいらない!むしろ鞄にいれてる人とは関わりたくない!」


 やっぱりか。ジェラルディンさんはわかってないみたいなので説明したら納得したみたいだったッス。全員魔法で浄化したんスけど、ディルク様のお膝から動けないロザリンドちゃん。かわゆす。


「ロザリンド、可愛い」


 ディルク様、めっちゃデレデレしてたッス。羨ましい。


「ロザリンド…可愛い」

「お嬢様、可愛い」


 ジェンド君とジャッシュ君も、涙目のロザリンドちゃんに和んでいたッス。


 とりあえずまたコックローチが来ると嫌なので、馬車は全力で走って無事地下12階をクリアしたッスよ。


 つうか、苦手なものにあたってもロザリンドちゃんはロザリンドちゃんだったッス。

 先に謝罪しますと、この階層は基本Gとの戦いになります。さらっと行きたいです。さらっと。

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