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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・ダンジョン攻略準備編

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ダンジョン攻略準備・ローゼンベルク邸

 ローゼンベルク邸で、エクストラダンジョン攻略について話しました。メンバーは両親、兄、アーク、マーサ、たまたま帰宅していたジェラルディンさんです。ちなみに話し合いが最初じゃなかったのは、父と兄の都合がつかなかったから。


「僕もついていきたいけど、今研究がたてこんでるし、植物達の管理もあるからなぁ……」


「無理しなくて大丈夫ですよ、兄様」


「…うん。今回僕は不参加にする。気をつけてね。あまり無茶をしないように」


「はい、兄様」


 その笑顔がまた不安なんだよなぁと呟く兄。し、失礼な!そんなには無茶しないよ………多分!


「大丈夫だ!俺がいるからな!」


「「………………」」


 元気に発言したのはジェラルディンさん。いや、武力的には問題ないが、未知のダンジョンにジェラルディンは結構な不安要素な気がする。


「……(ジェラルディンさんを)連れていくの?」


 兄が明らかに心配そうだ。


「……まだ決めてません」


「ぬあ!?俺は行くぞ!俺は主の剣であり、盾だ!……ダメか?俺では役に立たないか?主…………きゅーん………くーん……」


「くっ………」


 やめなさい!ムキムキマッチョのごっついオッサンのクセに、上目遣いに涙目、さらには悲しい鳴き声のコンボをかますな!!


「ロザリンド…」


 父がかわいそうだが連れていってやらないのか?と目線で言っている。いや、いつもの無表情だけど、多分父はそう言っている。


「…わかりました。連れていきます。ただし、今回行くのは未踏破ダンジョンです。走らない、勝手な行動はしない、一人でうろつかない、その辺のものを勝手にいじらないと約束するなら連れていってあげます」


「わかった!約束する!」


「…条件が小さな子供並みだなぁ…」


 兄が遠い目をしていました。し、仕方ないよ!ジェラルディンさんだもん!本人は喜んで尻尾を振りまくっています。


「お嬢様……私達は…」


「マーサとアークは家を守ってほしい」


「……はい」


「任せとけ。仕方ないだろ、姉貴。マークもまだ小さいんだから」


「…………うう」


 マーサも来たかったみたいですね。元冒険者だし、血が騒ぐのかしら。私はマーサの手をとって、目線を合わせた。


「マーサ、貴女を心から信頼し、頼りにしているからこそお願いいたします。このローゼンベルクを…私の大切なものを、私が留守の間守ってください」


「マーサにお任せください!いかなる敵が来ようとも、このマーサが倒してごらんにいれます!!」


 うん、マーサが元気になったようでなによりです。


「お嬢様、本当に姉貴の扱いが上手いよな」


 アークのつぶやきは聞かなかったことにした。マーサの戦闘能力や、冒険者としての経験値は正直惜しい。だが、5歳の息子(マーク)と旦那を放置してまで来てほしいとはいっても思わない。


「ロザリンド、無理はするな」


「そうね。ロザリンドちゃんならディルクちゃんもいるから大丈夫とは思うけど、あまり無理したらダメよ」


「はい。気をつけます」


 両親から抱きしめられた。少し気恥ずかしく思っていたら、私の天使達が入ってきた。


「「お姉様、おかえりなさい」」


「ただいま、ルシル、ルチル」


 ルシルは弟、ルチルは妹。二人ともお揃いの服を着ている。ルシルはズボンでルチルはスカートだけども。


「お姉様、今日は時間ありますか?」

「お姉様、ルチルとルシルは楽器を習ったのです。お姉様に聴いてほしいのです」


 今後のスケジュールを脳内で思い出す。


「せっかくだから聴きたいな」


「「やったあ!」」


「早く用意しよう!」

「わかった!」


「お嬢様、ぼっちゃま、まってください~」


 必死で双子を追いかけるのはマーサの息子、マーク。


「あ、ロザリンドお嬢様。こんにちは」


「こんにちは、マーク。ルシルとルチルは私に演奏を聴かせてくれるつもりみたい。ここに居たら戻ってくるわよ」


「そうなんですか」


 あからさまにホッとした様子のマーク。私ほどではないが、双子も色々やらかすので、マークはそのストッパーになっていた。な、なんかごめんよ!



「「お姉様、ただいま!」」


「どうせだから、マークもやろう」


「知ってる曲だし、タンバリンならできるでしょ」


 ルチルとルシルは別にマークを無視していたのではなく、効率重視をしただけのようだ。マークも嬉しそうにタンバリンを手にした。


 ルシルはバイオリン、ルチルはフルート、マークはタンバリン。曲目は童謡のメドレーだった。


「皆、とっても上手だったわよ」


 私たちの拍手に、ちみっ子達は照れていた。


「よかったな、お嬢様がダンジョン行く前に聴いてもらえて。ダンジョン行ったら1ヶ月は出られねぇだろう「アーク、馬鹿!!」


 兄が慌ててアークの口をふさいだが、遅かった。


「お姉様、帰ってこない?」

「1ヶ月…なんにち?いっぱい?」

「お嬢様ぁ……」


 泣きじゃくるちみっ子を宥めるのは、ものすごく大変でした。しかしまぁ、言わないわけにもいかなかったし、アークが悪いわけではない。ダンジョンから戻ってからお泊まりで遊ぶことを条件に、なんとか許してもらったのでした。

エクストラダンジョン

攻略参加予定者


・ロザリンド

・ディルク

・凛花

・ジャッシュ

・ジェラルディン(new)


不参加予定者

・アルディン

・アルフィージ

・ラビーシャ

・カーティス

・アデイル

・ヒュー

・ルーベルト(new)

・マーサ(new)

・アーク(new)


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ユハズ先生も絵が綺麗なので必見ですよ!!悪なりコミカライズ、スタート!! 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!コミカライズのリンクはこちら!」 小説二巻、発売中です。書き下ろしもありますよー 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!二巻のリンクはこちら!」
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