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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・凛花さんと○○編

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凛花さんとルー様

 凛花視点、ラストになります。

 こんにちは、凛花です。ただいま、人生初の迷子なうッス。自分は凛姉ちゃんと違って方向音痴じゃないッスよ!


 今日はロザリンドちゃんに頼まれて、ルー様を探してるッス。ルー様は現在次期公爵として勉強しつつ、領地やウルファネアの研究施設で様々な分野の植物研究をしているらしいんスよ。


「凛花、悪いんだけど急ぎで兄様に届けてほしいの」


「かしこまりッス」


 軽い気持ちで引き受けたお使いだったッスが……




・ローゼンベルク邸

 

「申し訳ございません。ルー様は本日、ウルファネアのラトル家に出かけるとうかがっております」


 マーサさんが申し訳なさそうに話したッス。というわけで、ラトル家…シーダ様のおうちに行くことに。




・ラトル家


「すまない。ルーはもう話し合いが済んだからここにはいないぞ。確かディーゼル殿に会いに行くと話していたから、シャルト家に居るんじゃないか?」


 シーダ様には会えたが、また入れ違いだったらしい。まあ仕方ないッスね。また移動しちゃうかもだし、急いでシャルト家…ディルクさんのお祖父様んちに行くことにしたッスよ。しかし、やな予感がするッス。




・シャルト家


「申し訳ございません。先程お帰りになられました。確かこれから我が領地の農園に行くとおっしゃられておいででしたよ」


 嫌な予感は的中したッス。申し訳なさそうな執事さん。つうか、ルー様チョロチョロし過ぎッスよ!とりあえずシャルト邸を後にした。某竜なクエストの、のんびり屋らしい王子様を思い出したッス。あんちくしょうめ(八つ当り)

 先回りすべきと考えて、少しシャルト邸から離れたところで通信魔具を起動した。


「ロザリンドちゃん…」


「兄様に会えた?」


「会えないんスけど!なんかルー様やたらチョロチョロしてて、追いつける気がしないんスけど!」


「あ、あはは……やっぱり?」


「ロザリンドちゃんのばか!予測の範囲内ッスね!?先回りできねぇッスか!?」


「ゲータが居ればスケジュール確認できるんだけど…今日は蜜月(デート)中だからなぁ……」


「ゲータさんは却下ッスね」


 万が一通信してうふんとかあはんとか聞こえたら、洒落になんねッス。デートの邪魔したくないし。


「つか、ルー様は通信魔具持ってないんスか?」


「かけたら、マーサが出た」


「おうふ…」


 携帯電話を携帯しなくて通じないような感じッスね……


「今日中に渡してくれたらいいから!」


「待て!切んないで!!せめてヒントをくださいッス!」


「必ず領地とウルファネアの温室に行くはずだから、どっちかで待ってるか伝言頼めばいいんじゃない?」



 というわけで、ウルファネアの研究施設や温室に伝言を頼み、ローゼンベルク領に来たわけですが………


「うおぉ………」





 温室、広大でした。


 しかも、人がいない。伝言を頼めない。



 とりあえず、人を探して歩くこと30分。異変に気がついたッス。




 道がない。





 いや、違う。道が消えた。後ろをふり返ったら、歩いてきたはずの道がない。慌てて前に向きなおったら、道がない。


 そして、冒頭の迷子なうに繋がるわけなのだが……これさぁ、迷子というか、ホラーだよね!!麦っぽい畑に囲まれて動けない。下手に作物を傷つけると、ルー様の逆鱗に触れる危険があるし……どうしよう……



 途方にくれていたら、麦もどき達がさわさわと揺れだした。薄々そんな気はしていたが、この麦もどき…動いてない!?どうしよう、怖い!


「…リンカ?」


「ラヴィ君!?」


 優しくてぶっきらぼうなその声は…………






「…ラヴィって誰?」





 チタ君でした。


「チタ君!怖かったッス!道はなくなるし、ルー様いないし、植物に傷つけたらルー様が荒ぶる気がするしぃぃ!!うああああん!!」


「よーしよし、落ち着けリンカ。植物に傷つけたらルーが荒ぶるのは確かだな。麦が騒いでるから何かと思ったら…見に来て正解だったな」


 チタ君は頭をなでなでしてくれた。気分が落ち着いていく。


「チタ、麦達が騒いでるみたいだけど、何かあった?」


「ルー様、いたあああ!!うわああああああん!!」


 落ち着きかけたが、探していたルー様を発見してまた感情が爆発してしまった。つうか、麦が動いて道を作ってる!麦、足がある!顔がなんかリアルでキモいぃぃ!!


「リンカさん?え?なんで泣いてるわけ??」


「…………さあ?俺が見つけたときにはもう泣いてたぞ」


「びえええええ!」


「……よいしょ」


「………うぇぇ!?」


「はい、大人しくしててねー。暴れると多分落とすから。僕、腕力自信ないし」


 お姫様だっこされたッス!そしてルー様は自分を温室から出すとテーブルセットを鞄から取りだし、お茶を出してくれた。アップルティーかな?甘くて優しい香りがするッス。


「どうぞ」


「おいしいッス…ぐしゅ……」


「で、なんで温室にいたの?」


「ルー様を探してたッス。ロザリンドちゃんからお手紙ッス」


「あー、なるほど。お疲れ様。泣いてたのはなんで?」


「温室、人いなくて…ルー様か誰かいないか探してて…そしたら、道がなくなって、麦畑に取り残されて………怖かったッス」


「ああ、お客さんが珍しくて麦達集まっちゃったんだよね」


……………ん?


「リンカは麦が怖いのか?好奇心は強いが、別に害はないぞ?」


…………………んん?


「………その…ここの麦は、自力で移動する上に、意思があるんスか?」


「うん」

「知らなかったのか」


「知らないッスよ!自分の世界じゃ、基本植物は勝手に動かないッス!」


「「そうなの?」」


 キョトンとされたッス!まさかのワールドギャップ!!そういやこっちには走るサボテンとか居たッスね!


「そうか…だからロザリンドも動くお野菜さんが嫌なのかな?」


 ルー様は、ポッケからトマトさんを出したッス。


「ワタシタベゴロ」


「美味しいよ?どうかな」


「……………り…………」


「ん?」


「無理無理無理無理ッス!自分は…自分はこんな可愛らしいトマトさんを食べられないッス!」


「美味しいよ?」

「オイシイヨ?」


「美味しくても嫌ッス!食べないッス!!」


「あっはっは」


「………からかうなよ、ルー」





 は?カラカウ?




「いやあ、ロザリンドみたいな反応だからつい。ごめんね?」


「び…美形だからって、何言っても許されると思ったら大間違いッス!からかうなんてひどいッスぅぅ!!」


「あっはっは。ロザリンドの特製スコーンあげるから許してよ。紅茶に合うよ」


「……もぐもぐもぐ………うまうま……」


 はう、幸せ………紅茶と食べると超おいしい………トマトさんが寄ってきました。


「オイシイヨ?」


「食べねッス!」


「「ぶふっ」」


「笑わないでほしいッスぅぅ!!」


「「あっははははは」」


「…タベナイノ?」


「スコーンに乗らないで!絶対食べないッス!!」


「「あははははは!」」




 むっちゃからかわれたッス。





「うう…ルー様いじめっ子ッス」


「…リンカさんはロザリンドの姪っ子なんでしょ?」


「はいッス」


「その兄に勝てると思う?」


「なんという説得力!!」


「あははははは!」


 チタ君笑いすぎッス。しかし、自分は絶対にルー様に勝てないということがわかりました。



 ちなみにルーが通信魔具をもたないのはわざとです。研究してたりとか、出たくないときに鳴ると嫌だから。基本ゲータが一緒なので、別に持たなくても困らないらしい。


オマケ

攻略対象+αの凛花への好感度


ルーベルト

➡妹2号


アルディン

➡ちょっと変わった友人


アルフィージ

➡すごく面白い子


カーティス

➡妹みたいなもん…かな?


アデイル

➡すっごく変な小娘


ヒュー

➡すっげぇ変わった子


エルンスト

➡いろんな意味で興味深い


ジェンド

➡気の合う友人


ジャッシュ

➡変わってるけどいい子


ジューダス

➡優しくていい子


ラビィ

➡恋人

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ユハズ先生も絵が綺麗なので必見ですよ!!悪なりコミカライズ、スタート!! 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!コミカライズのリンクはこちら!」 小説二巻、発売中です。書き下ろしもありますよー 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!二巻のリンクはこちら!」
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