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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・凛花さんと○○編

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凛花さんと業(カルマ)

 凛花視点です

 お尻を隠しながら仕事をする王様を眺めつつ、皆さん休憩になりました。


「リンカ、本当に助かったよ!ありがとう…」


「リンカ、礼を言う」


 ジェス様にいたっては涙目である。苦労しているのがわかって、つい頭をなでなでしてしまった。




 多分、それがいけなかった。





 扉の隙間からこちらを見ている瞳と目があった。ホラーッス!!


「ひぃっ!?」


「?」


 しかし、離れていった後ろ姿は見慣れた女性のものだったッス。


「ジェス様、緊急事態ッス!全力をもってトルテさんを追いかけるッス!!」


「!?わ、わかった!」


 ジェス様は慌ててトルテさんを追いかけたッス。


「凛花、俺には?手伝いしたろ?」


「天ちゃん、ありがとうッス」


 天ちゃんの頭をなでなでしたッス。あれ?なにやら行列が…精霊王達も誉めてほしいんスね。ちゃんと心をこめてお礼を言ったッスよ。みっさんとかっちゃんにはロザリンドちゃんブロマイド、コンちゃんにはロザリンドちゃん特製いなり寿司をあげたッス。


 一息ついたとこで、袖をクイクイされたッス。


「………リンカ、僕も」


 頬を赤らめて恥じらいながら、自分にナデナデをねだる天使(エンジェル)がいたッス。





 萌 え た 。





 か、可愛い!ハァハァしちゃったのも仕方ないと思うんスよ!


「ラヴィ君もお仕事頑張ってえらいッス」


 ナデナデをしたら、嬉しそうにはにかむ天使(ラヴィ)君。鼻血を出さなかった自分を誉めてほしいッスよ!


「…微笑ましいねぇ」


「うむ!主達はラブラブだな!」


「仲がよいな」


「いいわねぇ…」


「妻との昔を思い出すな」


「「!?」」


 恐らく悪意がないジューダス様と精霊王達の言葉に照れてクネクネしてしまう。照れてまうやろ~!もっと言ってくださいッス!


「……そいつ、凛花とどういう関係なわけ?」


 天ちゃんが死んだ魚的虚ろな瞳で聞いてきたッス。え?天ちゃん、喜んでくれないんスか?


「えーと…」


 しかも、改めて言われると難しいッス。片想い……かな?



「……………こ、こいびと、だ」



「え?」

「は?」

「おや」

「おお」

「ほう」

「良かったな、リンカ」

『おめでとう、主!』


 私、天ちゃん、みっさん、コンちゃん、かっちゃん、ジューダス様、精霊王達がそれぞれ反応した。



 濃い人……だと?確かに自分、キャラ濃いッスけど。いや、鯉人かもしれない。いやいや、自分魚人じゃないし。他に何があったっけ?故意、乞い、請い、古井……………




 混乱して、完全にから回る思考。ラヴィ君が自分の服の裾をクイクイしたッスよ。


「その、違うのか?僕とデートも……き、キスも(ほっぺだけど)しただろう?リンカは僕の…恋人だろう?」


「恋人です!恋人ですとも!(いつから付き合ってたのかわかんないッスけど!)誰が何と言おうと恋人ッス!!」


「……うん」


 いやあああ!カメラぁぁ!カメラが欲しいッス!!はにかむラヴィ君でらかわゆす!!


「……待て。お前は、凛花の(カルマ)…いや、本性(腐女子)を知っているのか?」


「ぐふっ!?」


 知りませんよ!知らないほうが絶対にいいと思うッス!


「知らない…知らない、が…リンカは罪を重ねた僕を許してくれた。僕も、どんなリンカでも受け入れたい」


「ラヴィ君………!」


「…いつまでそんな事を言ってられるかな?これを読め!凛花はこれを愛している!」


「そ、それは……!!」




『さぶソングは永遠に』





 それは、かつての自分の聖書(バイブル)


 女子を腐女子に転職させる腐りの書…


 愛しさと切なさとエロさが素晴らしい、自分を腐らせ…いや、今の自分へと覚醒させた導きの書…そう、腐導書(まどうしょ)


 さりげなく新刊が混ざっている!そんな場合ではないが…読みてぇぇ!!





 そして、ラヴィ君と自分は『さぶソングは永遠に』を全巻読破した。どうでもいいが、ラヴィ君は日本語もわかることが判明した。




 そして、奇跡が起きた。





 ラヴィ君は泣いていた。うんうん、この話は泣けるんスよ。


「なんで男同士の恋愛なのかわからんが……話は面白かった」


 ラヴィ君の心に『さぶソングは永遠に』が響いたのである!スゴいぜ聖書(バイブル)!!まさしくミラクル!!


「………なんでそうなる!」


「……?」


「ラヴィ君、自分の世界では、こういう本を好む女子は基本嫌がられるんスよ」


「…別に個人の趣味だろう。何か迷惑をかけるわけでも…」


 そこで何かに気がついたラヴィ君は王様を見た。王様は涙目でしたッス。


「………迷惑をかけるわけでもないだろう」


 あ、なかった事にしたッスね。若干お顔がひきつってるッスよ。お察しのとおりッス。


「……お前は、自分と他の男がヤってるのを妄想されてもいいのか?」


「……………するのか?」


 流石に困惑したご様子のラヴィ君。確認してきたッス。


「………………………たまに」


「……せめて、僕とリンカぐらいにしといてくれ」


「は、はいッス…」


 いやいや、うん?それもどうなんスか!?そんなん想像したら、ラヴィ君と話せないッスよ!!い、いやあああああん!!でも正直、ありッスね!!


「ち、ちくしょおおお!!」


 天ちゃんは泣きながら帰っていきました。


「…天ちゃん、何がしたかったんすかね?」


『にっっぶい!!』


「へ?」


 全員から鈍いとのツッコミが………じ、自分そんなに鈍くないッスよ!た、多分! 

 ウルファネア編はもう少し続きます。


 天ちゃんが『さぶソングは永遠に』を持ってたのは凛花が好きな本だから。新刊もわざわざ買ってあげたらしいです。なにげに勇者(笑)


 天ちゃんの敗因は、本のチョイスがライトだった事な気がします。あと、ラヴィ君は異世界の民だから、まだキチンと腐女子を理解してません。

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ユハズ先生も絵が綺麗なので必見ですよ!!悪なりコミカライズ、スタート!! 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!コミカライズのリンクはこちら!」 小説二巻、発売中です。書き下ろしもありますよー 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!二巻のリンクはこちら!」
― 新着の感想 ―
[一言] せめて天ちゃんの気持ちを理解した上で振ってやってほしいなあ。
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