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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・凛花さんと○○編

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凛花さんと騎士団

凛花視点です。

 騎士団にはたまにロザリンドちゃんからおつかいを頼まれて行くことがあるッス。


「リンカちゃん、こんにちは」


「こんにちはッス」


「はい、これあげる」


 皆さんフレンドリーッスよ。魔法院と違って、異物混入も罠もないッス。普通って素晴らしい!可愛らしいクッキーをいただいたッス。


「お返しッス」


 最近騎士団に行くとやたらお菓子をいただくので、お返しを持ち歩いている。


「ありがとう!こないだのも美味しかったよ」


 顔見知りの騎士さん達とはお菓子交換をよくするようになったッス。


「お粗末様でしたッス。今日のは自信作ッスよ」


「楽しみだな、じゃあね」



 しばらく歩くと、また騎士さんに会いました。


「あ、リンカさん!先日はありがとうございました!これ、良かったらどうぞ!」


「気にしないでくださいッス。困ったときはお互いさまッスよ」


 こないだ魔法院で罠にかかっていた騎士さんから、可愛らしいクッキーをいただきました。ラッピングも凝ってて嬉しかったッス。


「あ、リンカちゃん。お兄さんが飴をあげよう」


「わーい、ありがとうございます」


 べっこう飴みたいなやつでした。甘くておいしい。


「リンカちゃん、おいちゃんがおやつ分けてあげよう」


「わーい」


 料理長さんからマフィンいただきましたッス。後で食べようっと。







「お届け物でーす」


 見ためチワワなドーベルさんに書類を渡す。お仕事は完了ッス。


「お疲れ様です、リンカさん。焼き菓子は「いただきます!」


 ジャッシュさんが焼き菓子をくれたッス!ロザリンドちゃんのお菓子に負けない美味しさッスよ!


「では、どうぞ」


「ひゃっふー!明日はジェンド君達とダンジョンだから、自慢するッスよ」


「ならジェンド達の分も…」


「駄目ッス。帰るいい口実になるッスよ。ちょっとジェンド君達、頑張りすぎッスからね」


 にんまり笑うと、ジャッシュさんは苦笑したッス。


「そうですね。帰るように仕向けていただけますか?」


「了解ッス!報酬はこの焼き菓子で」


「ふふ、ではお願いします」


 穏やかに笑いあって、和やかな空気を感じた。へにゃっと笑ったら、破壊音がした。


 破壊音……なんか割れたというか、砕いたというか、とんでもなく豪快な音がしたッスよ?


「え?」


「大丈夫ですよ、リンカさん」


「ええ、ちょっと躾て参ります。おつかい、お疲れ様でした」


 ジャッシュさんは自分の頭を撫でるとヒョイっと窓から飛び降りた。


「ここ3階ぃぃ!?」


 しかしジャッシュさんは猫のようにしなやかに、何もなかったかのように着地して走り出した。すげぇ。


「じ、自分も行くッス!つーさん!」


 つーさんにまたがり、魔女のホウキみたいにつーさんから魔力を放出させて飛んだ。


「高ぁぁいッス!超怖いッス!」


 自分でやっときながら、超怖かったッス。どうにか地上に到着してホッとしていたら、何やらケンカをしていたようッス。あれ?片方はさっき可愛くラッピングされたお菓子をくれた騎士さんッス。騎士さん達は大暴れしていて、周囲はめちゃくちゃになってたッス。さっきのはこの暴れてる音だったようッスね。


「ジャッシュさん、あの騎士さん達はなんでケンカをしてるんスか?」


「可愛らしい猫さんにちょっかいを出したという理由ですかねぇ。丁度良いときに来てくれましたね」


 なんとなく、ジャッシュさんの笑顔が黒い気がしたッス。


「リンカさんはケンカをするような野蛮な輩より、キチンと話し合いで解決できる紳士の方が好ましいですよね?」


「え?そうッスね」


 まあ、ケンカをするより話し合いで解決できるならその方がいいッス。

 そして何故か、ケンカをしていた騎士さん達が固まったッス。


「さあ、いつまでリンカさんに醜い争いを見せるつもりなんですか!さっさと片付けて、仕事に戻ってください!リンカさん、仕事にうちこむ男性をどう思いますか?」


 ふと、書類仕事を頑張るラヴィ君を思い出したッス。


「…素敵だと思うッス」



「ふぬおおおお!!」


「うりゃあああああ!!」


「ふへ!?」


 騎士さん達が一斉に片付けをして訓練を始めた。


「リンカさんのおかげで、早めに片付きました。ありがとうございます」


「え?はい?良かったッスね」



 よくわからなかったが、明日はダンジョンだから早めに帰って休むように言われたので帰ったッス。





 てなことがあったんスよ。今日あったことを話したら、ラヴィ君が顔をしかめた。今日のラヴィ君は鳥みたいな見ための精霊さんに体を借りていて、羽があります。


「貰ったお菓子、見せて」


「はいッス」


 中にメッセージカードが入ってて『お友だちになってください』と書かれていたッス。自分、くれた騎士さんとはお友だちのつもりだったんスけどね…


「リンカ」


「はいッス」


「なるべく騎士団に行くな」


「…………はい?」


「なるべく、騎士団に、行くな」


 ラヴィ君は真剣でした。


「…はいッス。でも、なんで…」


「…とにかく行くな。いや、行かないでくれ」


 ラヴィ君が悲しげな表情になったッスよ。


「わかったッス」


 よくわかんないけど、ラヴィ君が悲しい顔をするなら行かないッス。

 でも、ラヴィ君がなんで悲しそうな表情してるのかわからなかったから、騎士団へのおつかいお断りついでにロザリンドちゃんに相談したッスよ。


 ロザリンドちゃんは重たいため息をついたッス。


「お前、にっっっぶいな」


「…ロザリンドちゃん…というか、凛姉ちゃんには言われたくないッス」


 自分は鈍くないッスよ…多分。

 鈍くない皆さんはわかったと思いますが、騎士団で凛花はモテています。話しかけやすくて可愛いからです。


 ラヴィ君はやきもちを妬きました。幸い凛花は気がついていません。


 ちなみにロザリンドは高嶺の花過ぎる、守護神(ディルク)が怖いのでモテません。

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ユハズ先生も絵が綺麗なので必見ですよ!!悪なりコミカライズ、スタート!! 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!コミカライズのリンクはこちら!」 小説二巻、発売中です。書き下ろしもありますよー 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!二巻のリンクはこちら!」
― 新着の感想 ―
いや、それ以前に幼い頃、ディルクの扱いに対して激おこで、物騒な渾名つけられて恐れられてたじゃないですか…。 あそこからの思慕は、幾ら美人で可愛くて料理上手でも、Mい人くらいしかまずあり得ないと思います…
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