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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・凛花さんと○○編

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凛花さんと魔法院

凛花視点になります。

 魔法院にはエルンストことエルルンに呼ばれてたまに行くッス。エルルンは札術について興味があるみたいッス。元魔法院院長さんはハァハァしてるから怖いッス。会いたくないッス。変態ッス。

※珍しい魔法に興奮しているからハァハァしているだけ。性的な興奮ではないが、変態という点は変わらない。





 初めて魔法院に行くことになったとき、ロザリンドちゃんに言われたッス。


「いい?魔法院は奇人・変人・変態の巣窟だから、食べ物や飲み物はエルンストか兄様以外からは絶対もらっちゃダメだからね!」


「いや、小さい子じゃないんスから、ついてったりしな「ナニが混入されてるかわかんないから、後悔するわよ」


「………絶対受け取らないッス!!」


 魔法院は怖い場所ッス。異物混入が前提とされているとか、おかしいッスよ!!







 魔法院は魔法関連のトラップが山盛りてんこ盛りだから、天啓の訓練にはいいッスね。罠も命に関わるような危ないやつはないから、気が楽ッス。


「よし、解除っと…」


「チッ」


 今、誰か舌打ちしたッスよ。怖いッス!誰ッスか?今舌打ちしたの誰ッスか!?前言撤回!魔法院は怖い場所ッス!!


「何してんだ?」


「罠解除ッス」


「ああ…なるほど。あんまり解除するとレベルが上がるから気をつけろよ?」


「…レベル?」


「罠を解除されたやつが解除できないようにと無駄にやる気を出すんだよ」


「…………………マジスか。あの、ストッパーは居ないんスか?」


「いたらこんなトラップ無法地帯になると思うか?」


「思わないッス!」


 エルルンは沈痛な表情だったッス。つうか、魔法院にブレーキは存在しないんスね。


 あ、見知らぬ騎士さんが罠にかかってる。助けてあげたッス。

 あ、見知らぬ(多分)商人さんが…………

 あ、見知らぬ………………


「キリがないッスよ!!」


 ついにキレた自分。どーなってんスか!もおお!


「適当に見捨てとけ」


「無理ッス!」


 自棄になった自分は、片っ端から罠を解除し、逆罠…つまり、罠を仕掛けようとしたやつが罠にかかるようにしたッス。


「気がすんだか?」


「……はいッス」


 かなり時間がかかってしまいました。待たせてすまんッス、エルルン。


「しかし、面白いな。無駄がない」


「そうッスか?」


 札に魔力を通したり、鑑定したりとエルルンは楽しそうッス。自分は質問に答えたり、エルルンの目の前で札を作ったりしてたッス。

 穏やかに札術について話していたら、爆発音が響いたッス。え?爆発音??



「「………………」」



 そして、爆発音が響いた箇所から巨大なクラリンが……………………え??巨大なクラリンのつぶらな瞳と目があったッス。


「クラリィィィン!?」


「リンカァァァァ!!」


 ちょ!雄叫びで窓割れたッスよ!?クラリン、でっかぁぁ!なんか屋根から顔出てる!魔法院、全壊しかねない!


「誰だ、人体実験しやがったやつは!!」


 さいわい、エルルンが魔法を解除できたんで事なきを得たッスが……建物も魔法であっさり修復してたッスが………魔法院は怖い場所ッス。

 ビッククラリンにビックリしたッスよ……ビックラ○ンッスよ!あ、だじゃれじゃないッス。




 そして、帰りに…自分は忘れていたッスよ。自分の天啓と、その効果を。


「ひゃああああああ!」


「ぬおおおおおおお!?」


「た、助けてぇぇぇ!!」



「あ」


「…スゴいな、リンカ。あのおっさん達は魔法罠のスペシャリスト達だぞ」


「え?」


「すごいです!」


「ええ?」


「あの人達には困っていたけど、悔しかったら俺たちを罠にかけてみろとか言いやがって…!ざまあみろ!」


「ええええ?」


「ありがとうございます、リンカさん…いや、リンカ様!」


「うええええ??」


「流石は勇者様!勇者リンカ様、万歳!!」


「勇者リンカ様!」


「リンカ様ぁぁ!!」


「えええええええええ!?ちょ、リンカ様は…いや、勇者様もやめ…あとあの人達を助けた方が……」


『いい薬だからそのままで』


 練習したんじゃないかってぐらい、皆さんの声は綺麗に揃っていたッス。皆さん、いい笑顔だったッス。どんだけ恨まれてるんスか、あのおっさん達。結局、おっさん達は納豆的ネバネバに包まれたり、宙吊りにされたり、す巻きにされたまま放置されました。後でちゃんと助けるからって皆さんが言うので信じて放置したッス。






「…という事があったんスよ」


 ラヴィ君に話したら、ラヴィ君に渋い顔をされたッス。


「…リンカ、魔法院にはあまり行くなよ」


「え?まぁ、用がなきゃ行かないッスけど…」


「…リンカに何かあったら心配だ」


「あ、はい…」


 そんな辛そうに心配だとか言わないでほしいッス!ドキがムネムネしちゃうッスよ!


「……?どうした?顔が赤いが………まさか、毒か!?」


 ちょ!おでこコツンされたッス!!脈は首ではからないで!せめて手首でお願いします!


「お、主にラヴィ君のせいッス!!」


「?」


「近いッス!ちゅーできる距離ッス!そもそも好きな人に心配されてキュンとして赤面しただけッス!魔法院ではなんも飲食してないッスよ!」


「近い?…………!!は、早く言え!!」


 状況を把握したラヴィ君が凄い速さで離れたッス。


「…………なんで、そんな悲しそうな顔するんだ」


「いや、近いの、恥ずかしいけど嬉しくて…離れたら寂しいなって……」


 腐っていようと乙女心は複雑なんスよ。

 ラヴィ君がちょこんと隣に来てくれたッス。へらっと笑うと、ラヴィ君も柔らかく笑ってくれたッス。お互い真っ赤になってたのはご愛嬌ッスね。


 それから手を繋いで、くだらない話をしたんスけど、ラヴィ君はうんうんって聞いてくれたッス。







 追伸・罠にかかったおっさん達、翌日も罠にかかってたッス。あの…昨日ちゃんと誰かが解放したんスよね?昨日と位置が同じな気がするのは気のせいッスよね??

 とりあえず解放してあげたら、おっさん達は走り去ったッス。



 魔法院は、怖い場所ッス。

 おっさんは、その後また罠を仕掛けようとしてまた逆罠にかかりました。

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