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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・凛花さんと○○編
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凛花とチタと精霊さん

 凛花視点。入れようと思いつつ、なかなか入れられなかったネタですね。

 ロザリンドちゃんが色々色々やらかした結果、攻略対象やNPCはのきなみ原形をとどめてないッス。チタ君もそんな一人だったので、出会った直後にやらかしたッス。


「私の精霊さん達を紹介するね」


 なんというか、精霊って妖精さんみたいなタイプではなかったッスかね?ドラゴンともぐらにマンドラゴラと金魚(後にバハムートと発覚)はおかしいと思ったけど、魔法の言葉『ロザリンドちゃんだから』で納得したッスよ。


「あ、凛花はこの子、見覚えあるんじゃない?」


 金色の美少年。確かにどっかで見たことあるッス。記憶をたどる。無駄にいい記憶力をもってしても、思い出せそうで思い出せない。


「ヒント。真相ルート、聖女イベント」


「あああああああああ!!」


 瞬時に記憶がヒットした。何度も何度も繰り返したイベント。闇に輝く幻想的な花びら。


「わぁ!?」


 ビシッと驚くチタ君を指差したッス。


「光の薔薇!」


「当たり!」


 わーい!当たったッス!あれ?でも光の薔薇の精霊は美少女だったッス。


「…男装?」


「男だ、ばーか」


「えええええええ!!?儚げな美少女だと思ってたッス!詐欺ッス!騙されたッス!でも可愛いッス!可愛いは正義って訳で許したッス」


「意味わからん!」


 そんな感じで、自分とチタ君の初対面はかなり微妙だったッス。





 それからしばらくして、精霊王達をゲットした後にたまたまバートン邸のお庭探検をしていたら、ロザリンドちゃんとチタ君を発見したッス。声をかけようとしたら話題が自分についてだったので聞いてみることに。


「チタ、できれば凛花に力を貸してあげて」


 自分はどうしても魔…まっさんと関わる。だからロザリンドちゃんが心配したようで、チタ君に自分への加護をお願いしてくれていたッスよ。


「ん。わかっ「ちょっと待ったぁぁ!!」


「「!?」」


 ビクッとするロザリンドちゃんとチタ君。それにかまわずまくし立てる自分。


「精霊の加護ってもっとこう……違うと思うッス!もっとこう…大事ッス!!だから、チタ君が自分に本当に力を貸したいと思ってくれたらがいいッス!」


「どうする?」


「わかった。凛花のいう通りだと思う」


 というわけで、自分はチタ君の加護をその日はもらわなかったわけなのです。





 それからというもの、お仕事を頑張るラヴィ君への差し入れクッキーをおすそわけしたり、一緒にお散歩兼買い出しをしたり、光の薔薇のおせわをしたりした。


「凛花」


「はいッス」


「もう俺達はなか………なっなかよし………だと思う」


 真っ赤になりつつ、チタ君は言った。いやん、キュンとしたッス。いやいや、自分にはラヴィ君が…相手は手のひらサイズの美少年ッスよ!もちつけ!!


「は、はいッス」


「だ、だから…加護、やる」


「ありがとう、チタ君」


 というわけで、加護ゲットした自分ッスけど…後でロザリンドちゃんの精霊さん達に聞いたら、加護ってわりとフィーリングであげてるらしいッス。

 皆との話を聞いたら適当すぎ!うっかり加護あげるとかありえないッス!ゲームだとそれぞれにこう…ドラマがあったんスよ!精霊との絆はロマンなんスよ!と力説したら……



「…物語の読みすぎじゃない?現実なんてこんなもんだよ」


「身も蓋もない!」


 スイ君にバッサリ切られて泣いたッス。マジ泣きしたッス。そしたら、自分をチタ君がよしよししてくれたッス。


「えっと…俺ともそんな、どらま?はないかもしんないけど、ちゃんと俺、凛花が好きになって加護あげたからな?」


 天 使 か 。


 いや、精霊様でしたッス。かわゆす!マジ萌える!


「チタ君!」


 優しく捕まえてスリスリしたッスよ!


「うわわ!?」


「チタ君大好きッス!優しいッス!」


「………おー」


 また優しくよしよししてくれたッス。えへへ。


「確かに仲良しだな」


 ハル君に言われて、チタ君真っ赤になって逃げたッスよ。可愛いッス。


「自分にもロザリンドちゃんの精霊さん達みたいに可愛い精霊さんが加護くれたりするッスかね」


「無理じゃない?」


「まさかの否定!」


 うう…スイ君いじめっ子ッスよ!いじめカッコ悪い!


「いや、凛花がどうこうじゃなくて精霊王がいるからだよ。精霊は基本、自分より上位の精霊に遠慮するというか…上位の精霊が威嚇するというか…」


「なんスか、それ。皆で仲良くしたらいいじゃないッスか」


「…例えばだけど、下位精霊と精霊王の加護があったとする」


「はいッス」


「たき火するのに力を借りるなら?」


「……………」


 納得したッスよ。出番が減るから嫌なんスね。確かにたき火ごときで精霊王は喚びたくないッス。


「つまり、自分には今後ちっさ可愛い精霊さんの加護はいただけないんスね…」


 ションボリしたら、チタ君がいつのまにか戻ってきたらしい。


「ちっこいのなら、俺がいるからいいだろ」


「はいッス!チタ君大好きッス!!」


 スリスリしたら、優しくナデナデしてくれたッス。幸せ~。


「…ロザリンドのとこに行くかな」


 スイ君はいつのまにかいなくなっていたッス。後でロザリンドちゃんに甘えているのを発見したら、えっらいスピードで逃げたッス。ツンデレ、ごちそうさまッス。




 そして、さらに数日後。


「…………………なぜ?」


 精霊王さん達がミニマムになって自分の前に正座なう。


「主は小さくて可愛らしいものを好むと聞いた」


 火の精霊王さんの言葉に、皆が頷いた。


「え」


 まさか、自分のためにッスか!?


「いやまあ、好きッスけど…精霊王さん達は精霊王さん達で好きッスから、気にしなくていいッスよ」


『主…』


 いや、自分まっとうなこと言っただけッスからね?良いこと言ってない。そんなキラキラした瞳で見ないでほしいッス。


「あ、でも…これからロザリンドちゃん達とダンジョン攻略するんで、その時は小さい方がありがたいッス」


「なるほど」


 精霊王さん達も納得して帰りました。しかし、自分がちっさ可愛いものが好きとか何故バレたッスかね…


 物知りスイ君に聞いたら、精霊さん達は加護を与えた相手に好かれたいものらしい。だから精霊王さん達の行動は、精霊基準だと普通なんだそうッス。そして、多分自分の呟きを近くの精霊さんが聞いて報告したんじゃないかとのこと。うかつに呟けないッスね。


「僕だって、例えばだけどロザリンドがハクを1番に好むなら着ぐるみぐらいは着るかもしれない」


「ロザリンドちゃんはそのままのスイ君が大好きだと思うッス」


「僕もそう思う。僕らが異端だろうが、ロザリンドは僕達のままを受け入れてるから」


「ふふ…」


 自然と笑ってしまったッス。


「何」


「あるじゃないッスか、ドラマ。ロザリンドちゃんとスイ君達は、仲良しッス。絆があるッス」


「なっ、とっ、当然だね!ロザリンドは僕らの加護を受けてるんだから!」


 なんというか…精霊さんは基本けなげなんだなぁと思いました。照れて逃げ出すスイ君の背中を眺めつつ、ツンデレごちそうさまと手を合わせたッス。



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