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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・神様のつくり方編

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そして頭を抱える女神(笑)様

 ディルクと休憩をしていたら、彼方さんから通信が入った。彼方さんからの通信がきたら、なんとなく…きっと来る的ホラーミュージックが鳴るようを設定してしまったのだ。


「なんか恐ろしげな音楽だね…出ないの?」


「…出たくないの」


 しかし出ないわけにもいかないので仕方なく出ることにした。ストレス緩和のためにさりげなくディルクのお膝に座る。はにかみながら私を撫でるディルク。天国はここにありました!和んだところで魔具を起動した。


「…彼方さん、あれから何かありました?」


「………あった」


 ですよねー。心当たりがありすぎるわ。


「…………嫌な予感しかしないんですが」


「………筋肉は、なおった」


「よかったですね」


「ああ、おおきに」


 そう……筋肉『は』なおっただろう。原因は排除した。しかし、新たな問題が発生したのだろう。アルディン様の魔力を使ったら、白を通りすぎてゴールデンシャイニング☆シヴァにクラスチェンジしてしまったのだ。

 でも、ドリル(縦ロール)は直ったからよしとした。あまりいろいろ混ぜたら悪化するかもしんないし、いいことにした。諦めたともいう。



 しかし、彼方さんは私が考えていたのとはまったく別のことを言った。



「ロザリンドちゃん、まつ毛長いつり目美人、ナイスバディ、紫の瞳で連想するもんは何?」


「はい?」


 何それ、なぞなぞ?


「ロザリンドちゃん、まつ毛長くてつり目やんな」


「はい」


「ナイスバディやんな?」


「……はい。ディルクに育てていただきました」


 胸のクッションは自慢の逸品ですよ。よく育ちました。ディルクが真っ赤になってます。わざと胸を押し付けたら、アワアワしてます。可愛いんだから!


「…ディルク君ロリコン疑惑はスルーするとして、ロザリンドちゃんの目の色、紫やったよな?」


「ディルクはロリコンじゃないですよ。私にしか反応しないだけで…そうですね。紫の瞳です」


 ディルクが泣きそうでしたが、私のフォローに必死で頷いてました。可愛い。

 




「「………………」」





 沈黙が落ちた。さっきから嫌な予感しかしないんですが?




「筋肉は直ったけど、シヴァがロザリンドちゃんに似てきた」


「なんでそうなった!?」


 思わず全力で叫んでしまい、ディルクの耳がビックリしてピンとなった。


「いや、こっちが聞きたいわ!心当たり、ないんか!?」


「ありません!」


「言い切った!!」


 あったらなんとかしてるよ!つうか、予想外すぎるわぁぁ!!とりあえず深呼吸して心を落ち着かせた。


「……とりあえずそちらについてはまだ捜査中ですから、原因がわかり次第どうにかします」


 もちつけ、もちつけ…ロザリンド…ぺったんぺったん…………ダメだ!なんでもちついた!?


「お願いします。あとな、シヴァ……髪がキラキラしとんのやけど。黄金色でまばゆい………「ワガママ言うんじゃありません!!」」


 思わず逆ギレしてしまいました。やっぱりゴールデンシャイニングのままだったか!そして今頃それ言うか!?


「えええええ!?」


「ドリルは直ったでしょ!」


「いやまあ………うん」


「私も失敗した感は否めなかったけど、白い魔力の持ち主なんて輝きの白アルディン様しか思いつかない!」


 ついに崩れ落ちた私に、ディルクがオロオロしている。地味に萌える。


「いや、輝きが余計な結果があれや。賢者は?なんや白いゆうてたやろ?」


「あ」



 そういや居たわ。賢者は魔力も確か白かったわ。というわけで、賢者のお家に行くことに。ディルクはお仕事に行きました。





「おや、ロザリンドちゃんじゃないか。いらっしゃい」


 今日も爽やかなイケメン…ではなくマダムな奥方様。


「ロザリンドちゃん、いらっしゃい」


 4歳のサリーダ君もお出迎えしてくれました。さりげなく手を取り応接室に案内してくれた。更に椅子を引いて座らせてくれるなんて、完璧なエスコート………待て!天才か!末恐ろしすぎる!!つーか、奥方様と瓜二つだな!


「偉いぞ、サリーダ。女の子には優しくするんだぞ」


「はーい」


 サリーダ君、素直で可愛い。


「おりこうさんなので、お菓子をあげましょう」


「わーい!」


 非常食のチョコチップクッキーをあげました。うん、こうしてみると普通に子供らしいね。奥方様にはパウンドケーキを出しました。


「気を使わせてすまないな」


 優雅にお茶をいれてくれる奥方様。


「いえ、奥方様にはいつもお世話になってますし…ご注文の品です」


「ふふ…期待しているよ」


「あと3~4ヶ月で臨月なんだから、無茶はしたらダメですよ」


「ふふ…適度な運動は安産に必要だよ」


 色気たっぷりに言われました。うーむ、こうして見ると美女にしか見えない。カッコいい美女…憧れますね。


「ところで賢者は?」


「寝てるよ」


「おとうさんはひろうこんぱいなんです」


 ひろうこんぱい…脳ミソコネコネ狐灰留ーではなく、疲労困憊?


「……もしや、あれですか?」


「…うむ、いい夜だった」


 よく見たら奥方様がツヤツヤしてました。羨ましい。


「実は賢者に用がありまして……」


 ここに来た理由を告げると、奥方様は頷いた。


「ダーリンは体力が尽きてるだけだから、魔力は大丈夫だろう。サリーダ、お客様を頼んだよ」


「はぁい」


 にぱっと笑うサリーダ君は少しだけ賢者に似てました。


「えっと…ロザリンドちゃんはびじんだね」


…………ん?


「ありがとう?」


「まるでほうせきみたいにキラキラしてて「サリーダ君ストップ。なんのお話かな?」」


「おきゃくさまのおあいて。お母さまがいうとみんなよろこぶから、ロザリンドちゃんもよろこぶかなって」


 奥方様!息子さんがタラシにならんか超心配だよ!!今からならたぶんまだ間に合うから、軌道修正してください!


「…いや、普通に遊ぼっか!」


「あそぶ?」


 二人だと……あ、そうだ!


「わああ…!」


 室内をゆったりと飛ぶミニ飛行魔具。動力は魔石です。うちわであおぐと軌道を変え、ふわふわと飛んでいます。

 サリーダ君も飛行魔具をあおいだり追いかけたりと楽しそう。


「大丈夫だから!寝こんでたのがバレたら、あの馬鹿弟子のことだから馬鹿にされるし深読みする!」


「そうかい?しかし事実だから仕方ないだろう」


「…………ハニーが体力ありすぎるからだよ。僕は普通…よりちょっと体力ないぐらいだからね!」


 奥方様とやいやい話ながら賢者が来ました。話が丸聞こえだったというべきかしら…………あれ?




 私は無言で賢者に鏡を差し出した。


「…鏡?…………!?なにこれ!?」


「愛の証だな!」


「つけすぎ!見えるとこはやめてっていってるじゃないか!!」


 賢者の首はキスマークだらけでした。よく見ると足がプルプルしているし、昨夜は激しかったらしいですね。

 賢者は涙目です。本当にリアクションが面白い。奥方様も楽しげにニヤニヤしてます。


「お父さま、お病気?」


「いいや、母様の愛の証だよ」


「間違ってないけど、変なこと教えないで!」


 賢者が泣いた。かわいそうだから消してあげました。先程また新作納品したから今夜は眠れないに違いない。


「これはサービスです」


 栄養剤と回復薬をそっと渡しました。


「……破廉恥弟子」


「いや、今のあんたの方が破廉恥だよ」


 キスマークだらけだった男にはさすがに破廉恥とか言われたくありません。


「う、うるさい!さてはまた変なもん持ってきたな!?」


「いいえ、注文の品をお届けしただけです」


「うむ。それに何だかんだで毎回ダーリンも悦んで「ストップ!子供の前だから!!」」


 これ以上子供に聞かせたくはないからか、賢者が話題を変えました。


「何に使うわけ?僕の魔力なんて」


 魔力電池を返却された。百聞は一見にしかず。私の魔力を例の魔具を使って賢者に流した。


「神様がこうなりました」


 賢者は見事なドリルを装備しました。


「なんじゃこりゃああ!?」


「副作用で髪の毛に変化が出るんですよ。大概は色なんですが、私のは何故かドリルになるんです」


「面白いな」


 ちなみに奥方様の魔力は青でした。なんでわかったかって?賢者が実験体になったからです。

 ついでに奥方様が賢者の魔力で白くなったりしました。これならシヴァも髪の毛は元に戻るはず!というわけで賢者の家からセインティアに行き、賢者の魔力を使いました。


 シヴァの髪の毛は元に戻りました。しかし、問題はまだ残っています。早めになんとかします。セインティアで会ったシヴァは本当に私に似ていました。


 マジで、どうしてこうなった!?

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