実験開始
早速各方面に連絡しました。最初にアイディアを出してくれたのはミルフィでした。
「聖水は神の奇跡と言われていますわ。それを使うのはいかが?」
「採用!!」
その1・聖水を使ってみよう!
聖水は基本かけて使います。というわけでお風呂にしてみました!ちなみに夢には持ち込めないので勇者特権でセインティアのシヴァ神殿・降臨の間をお借りしてます。
本来は神のお告げを聞ける場所らしい。ここだけは神々の約定により神と人が共存できるのだそうです。つまり、ロザリンドとしてシヴァといても大丈夫というわけなのです。
「ロザリンド」
「はい」
「煮えたぎってないかい?」
「効果を高めるために、めっちゃ煮詰めました!というわけでどうぞ!」
「却下!煮詰めるより錬金釜で抽出して!あんな高温、煮物になる!死ななくたって苦痛はあるんだから!」
シヴァが泣いたので、仕方なく隠れ家で錬金釜を使いました。わがままなシヴァです。
「ロザリンド」
「はい」
「これはなに」
「(元)聖なる水」
うん。シヴァが言いたいことは解ってるの。多分、気合い入れすぎたの。水通り越してスライム状になってるし、なんかキラキラ輝いてるし、ちょっと…だいぶ浮いてるし。
「とりあえず、使ってみよう!」
「いやあああああ!気持ち悪い!ヌメヌメするうぅ!!」
容赦なくシヴァに塗り込んだ。
「わがまま言うな!熱湯はやめたんだから我慢しなさい!弱って消えられたら寝覚めが悪い!」
「うわああああああん!!」
1時間後。
「「…………………」」
スライム、消えました。そして、シヴァの肌がプルプルになりました。
「………えっと、美肌効果があるのね……力は戻った?」
「…………多少?」
実験結果=効果はいまいち。美肌効果は抜群。
次は、エルンストが案を出してくれました。
「神の力の源は多分魔力だろ?魔力を分けるのはどうだ?」
「採用!!」
その2・魔力を分けてみよう!
今回は魔力コントロールが得意な私がいますからね!もちろん私がやりますよ!
魔力を同調させて……
「う…」
「ロザリンド!?」
シヴァの魔力に同調しようとした途端に気分が悪くなり、動くのも辛くなった。魔力酔いだ。
「うー、気持ち悪い…」
すぐに薬を取り出してゆっくり飲んだ。炭酸は一気するとむせる。
「大丈夫かい?」
「無理。ロザリアの部分がすごく不安定になる。魔力酔いしながらじゃさすがに分けるのは無理」
結果=魔力酔いにより実行不可。
次に、兄が意見をくれました。
「魔力がある植物で薬を作ってみるのは?」
「採用!!」
その3・お薬を飲んでみよう!
「ロザリンドさん」
「はい」
「大変勇気がいる飲み物なんですが」
「がんば☆」
兄特製の『神様回復スペシャルドリンク』は味を度外視した上に凶悪な見た目でした。なんか、ヘドロが赤くて緑で紫で、目玉が浮き沈みする。ちなみに目玉は本物ではなくメンタマの実というれっきとした果実である。丸ごと使うと薬効が上がるらしい。
「兄が色々考えてくれたドリンクです!つべこべ言わずに飲め!」
「くっ…シヴァ!逝っきまーす!」
ぐびぐびぐび………………ぱたり。
「シヴァ!?」
へんじがない。
ただのシヴァのようだ。
「いや、ボケてる場合じゃないわ!シヴァ、大丈夫!?」
「あまにがすっぱぁぁぁい!!」
シヴァが走り去りました。吐いちゃったらしいです。
「うう…不味いだけでは言い表せないとんでもない味だった……」
シヴァが体育座りでめそめそしています。
「はい、おかわり」
「嫌だあああ!!」
シヴァが泣きました。
「泣くんじゃない!神様でしょ!こっちはさっきよりだいぶましですから!」
「え?」
「さっきのは『効能優先味は考えないドリンク』こっちは『味はましだけど効果は落ちるドリンク』です」
「何でそっちを先にだしたのさ!」
「不味すぎるものが先なら、後のインパクトが薄くなるかなぁと思いました」
シヴァは納得し、震える手で青と紫と緑のドリンクを受けとりました。
ぐびぐびぐび……
「…さっきよりは、まし」
シヴァはかろうじて吐きませんでした。
「で、効果は?」
「…………多少?正直、あの味を我慢してこの程度じゃわりにあわなすぎる………」
「あれ?シヴァ、胸腫れてない?」
「……………うん。ロザリンド並みになってる」
揉んでみた。ミスティアほどではないが、なかなかだった。
結果=効果はあったが、味が厳しい。我慢してこの程度じゃわりにあわなすぎると神様が泣いた。なぜか乳がふくらんだ。
追記・乳は1時間ほどでしぼみました。兄に確認しましたが、原因は不明でした。




