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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・神様のつくり方編

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神様って?

 ようやく皆落ち着いて帰った頃に、ボロボロな天ちゃんが来ました。


「はー、ひどい目にあった」


「なんでそんなにボロボロなんスか?テンコ様に怒られたッスか?」


 テンコ様は渡瀬が管理している天狐神社の神様で、天ちゃんのお父さんである。


「半分正解。半分は篤がしつこくて…元気になったのはいいけどさぁ…」


「お疲れ様ッス。こっちも主にロザリンドちゃん…凛姉ちゃんと世界が大変だったッスよ」


 天ちゃんが固まった。


「凛姉ちゃんはともかく…世界がって何?…いや、聞きたくない!嫌な予感しかしない!!」


 耳を塞いで聞こえないアピールの天ちゃん。


「こんにちは。君の浅はかな行いのせいで、ロザリンドの精霊はおろか精霊王も暴走してね…この世界は潰滅一歩手前だったんだよ」




 ディルクが笑った。天ちゃんとしっかりと目をあわせた。




「2度と、絶・対・に!俺の最愛の妻を勝手に拉致しないでくれるかな?」




 ディルクさん、穏やかに笑ってるけど完全に目が真剣(マジ)。殺気も怒気もダダモレで、天ちゃんは呼吸もままならないご様子。窓もビリビリしてます。凛花が私の背後でビビってます。


「す…すいません、でした」


 しかし、その状況下でも天ちゃんはきちんと謝罪した。私を拉致した理由を聞いたらディルクのお怒りも多少和らいだ。天ちゃんは私利私欲のためでなく、友人や二葉さんのために私を連れてったからね。


 ディルクは怖かったが、私、愛されてるなぁと幸せになりました。私のために本気で怒るディルク、素敵。ディルクにそっとひっつくと、尻尾が腰に絡みついた。しかもさ、しかもさ!最愛の!妻だって!うふふ~、にやけちゃう!幸い、デレデレした顔は誰にもばれませんでした。




 とりあえず立ち話もなんだからとティーブレイクになりました。


「親父は関わりすぎだって言うんだ。友達が弱ってくのに、何にもしないのが…本当に正解なのか、納得がいかねぇ!」


 その辺りは難しい所だろうな。愚痴る天ちゃんに、私は苦笑した。


「んー、そうねぇ。今回、天ちゃんに私が日本に連れていかれて、こっちが滅亡しそうになりました。天ちゃんは間違っているでしょうか」


「う……今回は、間違ってた」


「間違ってたかは、天ちゃんが決めることだよ。私は決して間違ってたとは思わない。今回のことで周囲にどんだけ愛されてるかがわかったし、私が居なくなったら大変なことになるのもわかった。二葉さんも下手したら死んでたし、篤君もいらない罪を犯して一生を台無しにしなくてすんだ。間違ってたとは思わない」


「…うん」


「ただ、神様として正しいかはわからない。天ちゃんが救えるモノには限りがある」


「…うん」


「まぁ、要は何を選ぶかってことだよね。ところでさぁ、聞きたいことがあるんだよね」


「おお」


「神様って、何?」


「え?」


「神様は神様ッスよね」


「天ちゃんみたく神様から産まれる神様もいるけど、神を神とするのは、人間?」


「な、なんか難しい…」


 天ちゃんはすっかり困ってしまったようだ。まあ、仕方ないか。天狐様ならわかったかな?そんなことを考えていたら、ポッポちゃんが話しかけてきた。


「無事戻ったようでホッとしたよ、ポッポだけにぅわっとりぃぃ!?」


 瞬時に私のハイキックがポッポちゃん(中身は多分シヴァ)に炸裂した。


「ロザリンドちゃん、ポッポちゃんがかわいそうッス!今くそつまんねーギャグをかましてイラッとさせたのはシヴァさんッスよ!」


 凛花がポッポちゃんの体を守ろうとかばった。


「そうだね。ポッポちゃんはあんなくそつまんねーギャグをかまさないよね!」


「悪かったからディスるのやめて!」


 ブリブリするマッチョ姿なポッポちゃんinシヴァ。


「「ブリブリすんなキモい」」


 私達の冷たい視線にさらされ、シヴァは引っ込んだらしい。


「シヴァ様が申し訳ありません。ディルク様、先程は私もお仕えすべきロザリンド様がいきなり連れ去られたために頭が真っ白になってしまい、マトモな返事ができず申し訳ありませんでした」


「いやもう、すんませんでしたぁぁ!!」


 ポッポちゃんの謝罪に、天ちゃんが土下座した。ポッポちゃんは多分……多分天ちゃんを責めてないよ。


 シヴァが引っ込んでよかった。シヴァより彼の方が嘘をつけない。私は直球を投げてみた。


「ポッポちゃん、シヴァって弱ってるの?」


「ぴひゅ~ぴぴ~」


 目線をそらしてダラダラ汗を流しながら下手くそな口笛をふくポッポちゃん。


「…弱ってるんスね、やっぱり」


「なんでわかったんですか!?」


「「わからいでか」」

「わかりやすい」

「俺もわかるぐらいだから…」


「く……くるっぽー……」


 うちひしがれるポッポちゃん。君の素直さと真面目さはわりと好きですよ。


「全く、これだからポッポは…イタタタタ!つつくなぁぁ!?」


 見えないが、ポッポちゃんは向こうでシヴァに攻撃をしているようだ。


「…自分、ポッポちゃんとなら仲良くなれる気がするッス。ポッポちゃんて勇者の連絡と補佐役なんスよね?自分もポッポちゃんがいいッス」


「ぽぽ!?」


 ポッポちゃんが赤くなった。照れ隠しなのか、キレのいい電車の動きを披露する。マッチョ姿なポッポちゃんがキレのいい電車の動きをしている……なんてシュールな光景だろうか。


「…凛花、考え直した方が…」


 凛花は天ちゃんの忠告をスルーした。


「どうスか?ポッポちゃん」


「誠心誠意お仕えいたします!」


 ポッポちゃんは私と凛花兼任のサポーターとなりました。



 さて、凛花のサポーターが正式決定したところで本題です。


「神様の力ってどうやったら回復するかなぁ」


「実験ッスね!実験に犠牲は付き物ッスよ!」


「嫌な予感しかしないんだけど!?」


 弱った神を救うために、いろんな人に協力を要請することにしました。どうなるか楽しみです!

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