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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・凛花と精霊と魔編

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リボン効果とオルゴール

 手首のお揃いリボン効果はてきめんだったッスよ。物売りがカップルに売り付けたい品を積極的にだしてくるッス。商魂たくましいんスね、ウルファネア。知らなかったッス。


「可愛いカップルねえ。お揃いのアクセサリーはいかが?」


「いるか?」


「いや、リボンだけで充分ッスよ。ありがとう、まっさん」


「あら残念。彼氏さん、可愛い彼女に可愛いアクセサリーはいかが?彼女も惚れ直すわよ」


「…………これを貰う」


 まっさんはしばらく商品を眺め…ひょいっと白い花の髪飾りを手に取り代金を支払った。白い薔薇モチーフの繊細で可愛らしい髪飾り。まとめてある自分の髪にパチンととめた。


「ああ…やはり黒髪によく似合う」


 その笑顔は反則ッスよ!うああああぁ!そんな優しい目で見ないでぇぇ!!


「こら、顔をそらすな。よく見せろ。うん、可愛い」


 死ぬ!!心臓発作的何かで死ぬ!!顎クイゴチになりやした!!


「はわわわわわわわわ」


「…?何を焦っているんだ?」


「まっさんのせいッスよ!髪飾り、いいんスか?」


「ああ。よく似合ってる」


「あ、ありがとうございます。自分もまっさんに何かプレゼントしたいッス!欲しいものあったら教えてくださいッス」


「ジュティエスから、デートは男が女に貢いでおごるものと聞いているが?」


 ジュティエス様…何があったんスかね…トルテさんのせい?貢がされてるの?


「…それは…そういうデートもあるッスけど、貰ってばっかりは気がひけるッスよ。だから自分もまっさんに何かあげたいッス」


「…そうか」


 まっさんは穏やかに笑って、一緒に露店やお店を見て回ったッス。色んなものがあって、お互い楽しめたと思うんスよ。




「あ、あのお店を見たいッス」


「見に行くか」


 アッサリ同意してお店に入るまっさん。扉を開けてレディーファーストが自然にできている。紳士ッスね!さりげなくカッコいい!


 お店は雑貨屋さんで、色んな品物が並んでいた。


「あ、オルゴールッス」


「おるごーる?」


「よく知ってるねぇ、お嬢さん。それは救世の聖女様が愛したとされるオルゴール。ウルファネアの職人だけが作れる品だよ」


「はわー、綺麗な音色ッス」


 知らない曲だけど、穏やかで優しい。ほわっとした気持ちになれる曲だ。


「確かに…欲しいか?」


「だからなんでそうホイホイ買ってくれようとするんスか…でも、これいいなぁ…まっさん、自分と1個ずつ買ってプレゼントしない?」


「?」


「この曲、まっさんみたいで好きッス。一緒の持ってたら、まっさんもこの曲を聴くとき、自分を思い出してくれるかなって…ダメッスか?」


「…………かまわない。ただ…僕はこの曲が凛花みたいだと思った」


「ひゅえっ!?」


 ちょっとまっさん!赤面して目をそらしつつ、なんという殺し文句ッスかぁぁぁ!?いやああああん!キュン死ぬッス!

 お互い照れてる自分達に、店主さんが苦笑しながらとんでもない爆弾を投下した。


「いや、お熱いねぇ。しかも、そのオルゴールの曲名は『私の愛しい貴方』だよ。恋人をイメージして作った曲らしいんだが…いやいや、おいちゃんが照れちまうわ。若いっていいねぇ」


「「………………」」


 お互い真っ赤になって硬直してしまったッス。ひあああ!おじさん、気まずくなるし照れるからやめてほしいッスよ!でも嬉しいという矛盾!乙女心は複雑ッスね!だいぶ腐ってるッスけど。


「と、とりあえず…これをプレゼント用に包んでくれ。リンカはこれでいいな?」


 可愛らしいピンクと白い花で飾られた宝箱デザインのオルゴール。曲はさっきのッス。なんというか…まっさんセンスいい。自分好みのものをくれるッス。


「はいッス!可愛いし、まっさんが選んでくれて嬉しいッス!大事にするッスよ」


「………うん」


 あや?なぜ顔をそらすのまっさん?なんかそわそわしてるッスね。しかし、髪飾りといい、まっさん可愛いのが好きなんスかね。


「自分はこれをまっさんにと思うッス」


 自分が選んだのは、周囲がクリスタル素材で中が透けて見えるオルゴール。さっきまっさん、これを眺めて楽しそうだったッスよ。


「!!い、いいのか?」


「はいッス」


 まっさん、明らかに嬉しそうッス。どうやら気に入ったみたいッスね。


「じゃあお包みしましょうか」


「いや…眺めたいからこのままがいい」


 まっさんは宣言通りめっちゃ眺めてたッスよ。気に入ってくれてよかったッス。確かにオルゴールってなんとなく見ちゃうッスよね。


 休憩に入ったカフェで軽くお茶をしつつ、まっさんはオルゴールを嬉しそうに見たり、曲を耳に当てて聞いたりしていたッス。自分はそんなまっさんを観察して幸せを噛みしめていたっすよ………

 まっさん、超可愛いッス。プレゼント喜んでくれてよかったなぁと幸せな気持ちでお茶をしたッス。

 ちなみにまっさんは可愛いものが好きなのではなく、あくまでも凛花に似合いそうとか凛花が好きそうだからという理由でチョイスしてます。凛花は表情がわかりやすいので、まっさんが凛花をよく見ているから凛花好みのチョイスができたようです。

 本人はシンプルな品が好みなようで、凛花が選んだオルゴールはストライクだったのでしょう。


 中身が見えるオルゴールって、なんかいいですよね?

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