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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・凛花と精霊と魔編

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初めてのデート開始

久しぶりなんで一応。

ジュティエス

➡ロザリンドの友達でジューダスの弟。

ロザリンドの従僕になりたいがお断りされ続けて、まだ仮従僕。

 昨日、ロザリンドちゃんとデートコースは考えた。装備(コーディネート)もトルテさんと考えて納得の仕上り!軍資金(おこづかい)も稼いだからバッチリ!武器は笑顔!


「渡瀬凛花!いざ出陣ッス!!」


「リンカ様の御武運をお祈り申し上げます」


 トルテさんは深々とおじぎをしてくれました。トルテさんのおかげで今日の私は可愛い的な歌を歌えそうな感じッス!とけてしまいそうッスよ!!


「………なにと戦う気だ」


 通りすがりの金髪美人なケモミミお兄さんがあきれていたッス。お兄さんの護衛さんはプルプルしてたッス。


「ジュティエス様!そんなんだから嫁が来ないんですよ!デリカシー無さすぎです!」


 通りすがりのお兄さんことジュティエス様…ジューダス様の弟さんだったはず…は涙目になってたッス。トルテさんのつがいで果敢にアタックして玉砕し続けていると、後に噂好きなメイドさんに教えていただいたッス。



 さて、待ち合わせの場所でリスさんと戯れつつ待とうと思ったら、まっさんが居た。何故だ。

※現在の時刻=待ち合わせの1時間前。


 まっさんはまだ自分に気がついていない。ソワソワしつつ嬉しそうで…なんだかキュンキュンしちゃったッスよ!!


「…リンカ」


 あ、気づかれた。


「お待たせしたッスか?」


 まっさんに駆け寄る。あや?まっさん?まっさん??目を見開いて固まっていらっしゃるッス。顔の前で手を振っても無反応。


「まっさん?」


「………悪い。リンカが可愛くて…みとれた」


「…………へ?」


 リンカが…つまり自分が、可愛くて?今日はトルテさんに頑張っていただいて自分でも満足な出来ばえッスよ。そんで、みとれた?まっさんが、自分が、可愛くて、みとれた?



「イイイヤッフゥゥゥ!!」


「!?」


「トルテちゃん、トルテさん、トルテ様ぁぁ!!ありがとうございます!ありがとうございます!嬉しすぎるぅぅ!!」


 思わずガッツポーズをしてトルテさんが居ると思われる方角を拝んでしまったッス。


「そんなに喜ぶか?大袈裟だな…色々台無しだぞ」


「好きな人に可愛いと言われて喜ばない女子はいないッスよ。あー、テンション上がったッス。ところでまっさん早すぎないッスか?いつから居たんスか?まだ1時間前ッスよ」


「た、たまたま散歩に来ただけだ!お前も早すぎだろうが!」


 なるほど、まっさんは散歩中だっただけか。


「なら、自分リスさんと待ってるから1時間後にお出掛けッスね」


「べ、別に今から行けばいいだろ!お前も早すぎだろうが!」


「いいんスか?自分はまっさんになるべく早く会いたくて、早く行ってまっさんを楽しく待とうと思ってたッスよ」


 へらりと笑ったら、まっさんが頭を抱えた。何故に?


「…僕も楽しみだから早く来すぎたんだよ!そのリス出せ!行くぞ!」


「はいッス。リスさん、今日はお願いしますッス。あと、まっさんも楽しみにしててくれたなんて嬉しいッス」


 黒いもやがリスさんを包み…黒に近い色に染まる。リスさんは自分の手から飛び下りて……………………リス耳と尻尾のイケメンになったッス。

 ジューダス様はキョトンとしてるッス。


「行くぞ、リンカ…………リンカ?」


 いや、うん。すらりとした少年。自分より背が高くてややディルクさんより細身。ややつり目でパッと見た感じは黒だが光にあたると緑や青にも見える不思議な色あいの髪と瞳。


「まっさんかっこいいッス。リス耳と尻尾はリスさんだからだとして…まっさんってイケメンだったんスねぇ…」


「いけめん?」


「かっこいい男性という意味ッス」


「かかかかかかからかうな!行くぞ!」


「いや、本心ッスよ?からかったりなんてしないッス」


「魔は本来こういう姿だったのだな…楽しんでくるといい」


 照れ屋なまっさんに手を引かれ、ニコニコしているジューダス様に見送られて初デートはスタートしました。

 まずはウィンドウショッピング。まっさん達はめったにお城からでないから、城下町も楽しかろうと手を繋いでのんびり歩く。ウルファネアは職人が多いから、たまに元の世界でも見られないスゴい品があったりする。


「色々あるッスね」


「ああ…ずいぶんと町の様子が違うな」


 まっさんも楽しそうにキョロキョロしている。


「そこのお姉ちゃん、見ていかない?カップルなら恋人の証、お揃いのリボンはいかがかな?」


「リボン?」


「そう!お姉ちゃんは旅の人かな?ウルファネアでは恋人がいる人は手首に相手の色のリボンを巻くんだよ」


「へええ…」


 欲しい。お揃いのリボン、欲しい。まっさんと自分だと黒になっちゃうけど…いいなぁ…


「これとこれをくれ」


「え?」

「まいどー」


 まっさんは黒と緑、紫が混じった繊細な白い花が可愛い刺繍つきリボンを自分に巻き、シンプルな黒いリボンを自分に渡した。


「…欲しかったんじゃないのか?自分じゃ巻きにくいから巻いてくれ」


「あ、ありがとうございます!喜んでッス!」


 緊張し過ぎて手汗はんぱないッス!それでもどうにかまっさんの手首に綺麗に結べた。嬉しいなあ。


「えへへ」


 ニヤニヤしちゃうッスよ。リボンを撫でたらやたらさわり心地よかったッス。しかも恋人の証ッスよ!つまり自分はまっさんの………あかん、にやける。


「…そんなものが嬉しいのか?すまない。エスコートするならもっと調べるべきだったが急だったからな」


「嬉しいッス!楽しいッス!まっさんと居るだけで幸せッス!…あれ?まっさん、お金はどこからッスか?」


「ジューダスとジュティエスが持っていけと言った。対価は労働だ。たまにジューダスが寝ているときに手伝っていたのがバレた」


「いいんスか?」


「何がだ」


「せっかくの労働による対価なら、自分の欲しいものを買った方が…」


「別に欲しいものなんてない。それに、お前が喜ぶのを見るのは悪くない。お前が僕の色を身に付けているのも…悪くないな」


 なに?なんなの?萌え死にそうなんスけど!いやもう、キュン死ぬ!笑顔が素敵すぎる!!


「ほら、何挙動不審になってるんだよ。しゃがみこむと邪魔だぞ」


「基本的にまっさんのせいッス」


「は?」


 無自覚まっさんにしてやられつつ、デートは続くッスよ!

 ちなみにまっさんは2時間前からいました。楽しみにしていたみたいです。


 凛花はツッコミしませんでしたが、まっさんは真面目なので実は寝落ちしたジューダスのかわりにけっこう仕事していてかなり有能です。

 そして、本気で猫の手でもいいから借りたいジューダス様とジュティエスに全力で頼まれて断れなかったようです。賃金もデートで女性に払わせる男は最低と吹きこまれ、渡されました。

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