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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・凛花と精霊と魔編

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女子会あとのバートン夫妻

 たしーん、たしーん。


 たしーん、たしーん。


 たしーん、たしーん。


 何の音かって?帰宅が遅かった妻にお怒りなマイダーリンディルク様の尻尾が不機嫌に床を叩く音です。


 ちなみに、ディルクは床にあぐらをかいて座ってますが、私に背を向けています。


「ディルク」


 たしーん、たしーん。


「ただーいま」


 たし……たしーん、たしーん。

 むう、背中に抱きついたら一瞬だけ尻尾が止まったが、またしてもたしたししている。


「遅くなってごめんね」


 ぺし。たしーん、たしーん、たしーん。

 あまりにも反応がないからほっぺをツンツンしたら、尻尾でべしっとされた。ご褒美ありがとうございます。しかし尻尾からから察するに、珍しく大変お怒りなご様子。どうしよう。


「ディルク?」


 顔を覗きこんだら、プイッてされました。なんか地味にショック。ちょっと泣きそうなんですがどうしたら…


「ごめんなさい…嫌いになったの?返事して…」


 返事がない。自分が悪いのは承知しているけど、泣いてもいいだろうか………あれ?なんかくすぐったい? スカートを捲って確認したら、尻尾が足に絡んでる。大丈夫!まだ嫌われてない!


「ディルク…」


 膝に座ってスリスリしても、目を合わせてくれない…が尻尾が嬉しそうだから嫌がってはいない!ありがとう、ディルクの尻尾!君のおかげで私はなんとかくじけずにいるよ!


 しかし尻尾を思い出したらしく、私の足から尻尾が離れてまたたしーん、たしーんとし始めた。


「おわびに全力でサービスします!本当にごめんなさい!!」


 た…………………たしーん。

明らかに動揺した!もうひとおしだな!よし!


「寂しがらせてごめんなさい……あ・な・た。明日はお休みだし…イチャイチャしたいなぁ…一緒にお風呂入ろ?洗ってあげる。ねぇ…許して…お・ね・が・い」


 甘ったるい声でおねだりしつつ、ディルクの胸にスリスリする。膝から下ろされました。

 え?まさかの拒否?とディルクの顔を見ると…首まで真っ赤にして、何かに耐えるような表情だった。あ、丸まった。


「ロザリンドがあざと可愛すぎて辛い…俺はロザリンドが約束を破ったので怒ってます」


「え?」


 約束?約束……


「続きは家で…」


「あ」






 私は固まった。した!確かにエルフ村で約束をした!つまり、ディルクはイチャイチャの約束を覚えていて私を待っていたのに…遅くまでというか、ディルクが連絡するまで帰ってこなかった……最低じゃないか!!しかも、私が帰ってこなかったから拗ねたディルクも可愛いとか思った私、最悪じゃないか!!




「大変申し訳ありませんでした。お怒りなディルクも大変可愛らしく、私がいなくて寂しかったのねとか内心萌えててすいません!愛してます!いかなる罰でも耐えてみせます!だから無視は勘弁して!尻尾が慰めてくれたから耐えたけど、泣きそうでした!」


「…ロザリンドなんか……駄目だ!嘘でも嫌いだなんて言えない!俺も意地悪してごめんね…ロザリンドは楽しみにしてくれてなかったのかなと思ったら悲しくなっちゃって…」


 あわわわわ…耳も尻尾もションボリしてる!今回は完全に私が悪い!


「…でも、怒ったふりしてたらロザリンドが慌ててかまってくれたから嬉しかった」


 か わ い い 。


 マイダーリン超可愛い!気絶しそうなぐらいくっそ可愛い!!


「ディルク…今夜は覚悟してくださいね。寝かせませんよ。朝まで…いえ、朝になってもかまい倒します!」


「ロザリンド…嬉しい……」


 ディルクは二人きりならちゅーもぎゅーも、それ以上も嫌がりません。ああ、幸せ………


 ディルクの膝に乗り、宣言通りにイチャイチャしながらお風呂にはいって悪戯をしまくって、ディルクのエロスイッチを連打した結果……………朝動けない私がいました。体がだるいし途中から記憶がありません。




「ごめんなさい」


 ディルクからモーニング土下座いただきました。


「いや、煽ったの私だし……正直すごく気持ち良かったです。ディルクは?」


「いや、その………最高に良かったけどね?動けなくなるまでしちゃうのは……」


 すり、とディルクにすり寄る。


「ディルクは我慢ばっかりだから、たまには羽目をはずさないと。それより、私はディルクに腕枕して欲しいな。イチャイチャしようよ。土下座よりそっちの方が嬉しい」


「……うん」


 いそいそと布団に戻るディルク。まだ上半身は裸だから、肌が心地いい。


「起きたとき、今みたいに隣にいて欲しいな…こうやって寝てるときもぎゅーされたいし、したいの…だめ?」


 だめ?と首をかしげたら、ディルクが何やらプルプルしていた。


「天使か…」


 何が?


「俺のロザリンドが可愛すぎて辛い…!」


「…………する?」


「いや、昨日も散々無茶させたし…」


「ごめん、狡い言い方した………私、もっとディルクが欲しいな…」


 恥ずかしいけどおねだりしました。ディルクが何やら悶えています。


「………くうう…可愛い…おねだりしたのはロザリンドだから…途中でやっぱりはなしだよ?」


 ディルクのスイッチがONになったらしい。すさまじい色気にくらくらする。


「…うん、嬉しい。ディルク、大好き」


 結局、ほぼ1日をイチャイチャイチャイチャたまにエロという感じで過ごしました。


 色々と限界で動けない私に、ディルクはかいがいしくお世話してくれました。


 今日は引きこもりでしたが、とってもいい休日でした。たまにはこんな日もいいかなって思います。

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