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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・おいでませヒロインさん編

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凛花と魔

 ロザリンド視点に戻ります。

 朝になりました。凛花を拾いに行ったら、談笑しているジューダス様と凛花を発見……いや、あれは……


「げっ!」


「あっ!?」


 魔だったみたいです。一瞬で気配が消えました。相変わらず私が苦手なのだね。


「……しかし、アレは本当にロザリンドが苦手なのだな。全く反応がないぞ」


 ジューダス様は苦笑している。私も苦笑いした。


「うー、まっさんともう少しお話したかったッス…」


「なんかごめん…というか、まっさんって何?!?めちゃくちゃ仲良くなってない!?」


「めちゃくちゃかどうかは知らないッスけど、お友だちになってくださいって土下座してお願いしたッス」


「何故土下座!?」


「目的のためなら自分のプライドなんてポイッスよ」


「潔いな!」


「ぶふっ…す、すまない。本当に面白いな、リンカもロザリンドも。方向性は違えど、どちらも魔にとって特別な存在なのだろう。私にはあれだ。ふるしかとだったからな…」


 ジューダス様が涙目でした。ジューダス様かわいそうだな。


「まっさぁぁん!?無視はダメ!明らかにジューダス様が傷ついてるッスよ!!」


「馬鹿!揺らすな!仕方ないだろ!僕のせいでジューダスはいらない不幸を背負ってるんだぞ!話せるわけがないだろう!」


「「「………」」」


 魔って案外思考がマトモなんだなぁ…知らなかった。出たらカバディで引っこめてたからなぁ。


「まっさん…!」


「!?ばっ…!?抱きつくな!」


 といいつつ勢いよく抱きついた凛花をちゃんと抱き止める魔。いや、本当に仲いいな。


「結婚してくださいッス!!」


「…は?」


「…へ?」



 けっこん………ケッコン………



 結婚!??




「ね、姉ちゃんは許しませんよ!」


「なっ…ばっ……あ、会ったばかりだろ!?な、なんでそうなる!?」 


 混乱する私とは逆に、魔は至極マトモな返答をした。


「いや、その…自分、でも……まっさんが好きだなぁと思ったら…つい」


「ついで求婚したらだめだろ!しかもこんな実体もない幽霊みたいな上に、人間を憎み、怨み、害することしかできない『悪』の塊だ!こんな汚いものを好きだなんて、おかしい!」


「汚くないッス。否定しないで。自分が変な奴なのは今さらッスけど…自分はまっさんを汚いとは思ってないッスよ。むしろまっさんは綺麗で優しいッス」


「………っば…ばーか」


 泣き出しそうな表情で魔は消えた。しかし、照れていたらしく首まで赤かった。



「凛花すげー」

「リンカはすごいな」


 たった一晩でここまでたらしこむなんて…恐ろしい子!


「まっさん隠れちゃったッス…お返事くれなかったッス…」


 凛花は珍しくかなり本気でへこんでいた。そんなに好きか。


「魔は照れているだけだ。凛花への想いにとまどっ「余計なことは言うな!!あ、会ったばかりだから返事ができない!仕方ないだろ!」」


「なら、知り合ってどのぐらいならオッケーッスか?」


「僕だってわかんないよ!でも、そんな悲しそうな顔すんな!」


「はいッス!じゃあ、まっさんの返事をゆっくり待つッス!」


「…いい返事なんか、できない」


 いや、うん。魔よ…あんたそれ、いい返事を本当はしたいともとれるよ?


「状況も境遇も関係ないッス。まっさんがどう思ったかがほしいッスよ。結婚出来るかどうかじゃなく、まっさんの気持ちがほしいッス」


「返事は、できない…けど…………………うれしかった…」




 最後は囁くようで聞き取りにくかった。泣き笑いの表情をして、魔は今度こそ気配を消した。うん…ベタぼれじゃないかい?うちの姪っこスゴいな!流石は勇者兼ヒロインボジションだなぁ……


「すげーときめいたッス。何あの笑顔…動悸がえらいこっちゃッス」


 凛花も真っ赤ですな。ジューダス様は…何故まるまじろ?


「甘酸っぱいな…こちらが恥ずかしくなるぐらいだ。しかも魔の感情がダイレクトで来るから…わかった。余計なことは言わぬ。しかし、たまには私とも話してくれ………リンカのおかげでもう、ふるしかとはしないと約束してもらったぞ」


「よかったッスねぇ」


 魔は内部で苦情を申し立てたみたいです。ジューダス様も嬉しそうだし、結果オーライ!というか…予想外に計画は上手くいってるみたいです。

 凛花さんが暴走しました。作者も予想外の展開でした……どうしてこうなったと頭を抱えています。

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ユハズ先生も絵が綺麗なので必見ですよ!!悪なりコミカライズ、スタート!! 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!コミカライズのリンクはこちら!」 小説二巻、発売中です。書き下ろしもありますよー 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!二巻のリンクはこちら!」
― 新着の感想 ―
基本的にネームドの死人が出ないから、コイツも討伐はされても同情を引くような終わり方しそうだなぁと思ってたらめちゃくちゃ斜め上に来たな…… なんていうか精霊よりも神様よりな感じがするし。邪心や悪心、憎悪…
[良い点] なんかめっちゃドキドキした。 こっちまでまっさんの感情が流れてきた感じ。 [気になる点] そして毎回思うけど・・・ どうしてこうなったって、それでいいのか作者ァ!?(建前) [一言] いい…
[一言] 至高神(作者)様でも手綱握りきれてないんですね…( ̄▽ ̄;) りんかちゃんはどこに行くのやら
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