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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・おいでませヒロインさん編

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運命の出会い(ややシリアス編)

 夜も遅くなり、お祝いなんだかお祭りなんだか…祝われる側が働いてた気がするッスね。


 自分はジューダス様と仲良くなるために極力寝泊まりはウルファネアでするよう言われたッス。用意された客室がゴージャス過ぎて落ち着かず、眠くなるまで散歩することにした。庶民にVIP待遇はやめてほしいッス。


「あや」


 前方にジューダス様…じゃないな。黒をベースに様々な色が混ざりあう魔力を感じる。


「こんばんは」


「…気分が優れぬ。去れ」


「…なんでジューダス様のフリするッスか?」


「………………………なんでわかった」


 ジューダス様の中にいる人は、顔をひきつらせた。別に隠すことでもないから素直に返答したッス。


「魔力」


 中にいる人は納得したらしいが、自分の相手をするつもりはないようで威嚇してきた。


「……お前はあのカバディ女のまわし者だろ!何も話す気はない!」


 魔力が怒りで膨れる。しかし、膨れるだけで彼は私を害さなかった。いやぁ見事に敵認定されてるッス。つーかロザリンドちゃんたらカバディ女とか言われてるッスよ。ウーケーるー。草が生えるッスよ。

 関係はマイナスからのスタートッスね。大丈夫!あんなに冷たかったあっちゃんとも、自分は友達になれたッス!恋人は無理でも、友達ならなんとか…!



 魅せてやろう、心意気!


 咲かせてみせよう腐女子☆(ウェイ)!!



「自分とお友だちになってくださいッス!!」


 見よ!日本の心意気!古きよき土下座を披露したッス。プライド?ナニソレおいしいの?目的のためなら自分のプライドなんてポイッスよ。


「…は?」


 魔さん…まっさんでいっか。彼はいきなり土下座をしてお友だちになってください発言した自分についていけないご様子だったッス。


「お友だちに「いや、ちゃんと聞いてはいた。なんで僕と友だちになりたいわけ?僕は周りに不幸しか与えないんだよ」」


「…そうなんスか?」


 自分が首をかしげると、まっさんは呆れた様子でさらっと暴言をはいてきたッス。


「君、馬鹿なの?」


「勉強できる馬鹿ってよく言われるッス。馬鹿のくせに全教科満点とか死ね馬鹿とか言われてるッスよ」


「……………………そう」


 まっさんは何かを諦めたご様子でした。しかし、まっさんは付き合いがイイ。くだらない雑談にも適当ながら相づちを打ってくれるッス。


「まっさんイイ人ッスねぇ」


「………どの辺りが?かなり愛想も態度も悪いと思うよ?」


「ちゃんと話を聞いてくれるッス。あっちゃんは面倒な時は物理(ハンドクロー)で強制的に黙らすか、フルシカトするんスよ!」


「…それは酷いな」


「あっちゃんに比べたらまっさんは天使ッス」


「比較対象が酷すぎて否定する気にならない…そのあっちゃんとやらは君の何?」


「友達ッス」


 まっさんが頭を抱えた。どうしたのかな?


「…友達やめたら?」


「えー?あっちゃん、面白いんスよ。皆なんでかそう言うんスよね」


「まあ、君が変なやつで無駄に図太くて図々しくて突き抜けて変な奴だから……僕と本気で友だちになりたいと考えているのはわかったよ」


「マジッスか!?」


「…なんでそこで嬉しそうになるかなぁ……ばーか」


 まっさんはふんわりと笑って消えてしまった。うん…ちょっとは仲良くなれたかな?




「…ずいぶん仲良くなったようだな」


 どうやらまっさんが引っ込んだからジューダス様が起きたみたいッスね。


「えへ…ならいいんスけど」


「というか、アレは会話をするのだな」


「へ?まさか…」


「私はアレと会話したことがない」


「マジッスか!?まっさん悪い人じゃないから、もっと話してあげてくださいッス!きっと聞こえてるはず!」


「…………やってみよう」



 柔らかく笑うジューダス様。それは同じ顔なのにさっきとは全く印象が違う笑顔だった。胸にじんわり幸せを感じる。


 渡瀬凛花、バッドエンドを回避するためにお役目頑張るッスよ!

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