王子様の相談
とりあえず調理が一段落ついたところで、アルフィージ様が私と話したいと言ってきました。またお母様についてかな?と快諾。ディルクも快く送り出してくれました。
冒険者ギルドの一室を借りて結界で防音して話を聞くことに。またクーデターかもな話だとヤバイしね!
「で、ご用件は?」
「…………ああ。私的な話で申し訳ないのだが………」
「かまいませんよ。友人ですし」
「ああ、ありがとう。それで、その………だな」
「はい」
「えっと………だな」
「はい」
「その………あー!駄目だ!言えない!」
「えー?」
アルフィージ様がわかりやすくアワアワしている。なんだろうか、珍しい。
「わざわざ話したいこと、あったんでしょ?とりあえずヒントください」
「……そろそろ婚約か結婚しなければならない」
「好きな女の子を落としたいから協力してくれですか!がってんだ!!」
「待て!!なぜそうなる!?」
アルフィージ様の顔は真っ赤だ。かなりイイ線だと思ったんだけどなぁ……。
「アルフィージ様が言いにくいプライベートで、そろそろ結婚しなければならない現状。話しにくいが私に相談となれば、私の友人辺りに好きな子がいて、橋渡しして欲しいという依頼かと」
「本当に、無駄に頭が回るな……その通りだ。恥を忍んで君に頼む。ラビーシャ嬢はどうしたらふりむいてくれるだろうか」
「……………………え?」
ラビーシャ嬢?
ラビーシャちゃん!?
まさかのラビーシャちゃんでしたか!!いや、よく勧誘されるとは言ってた。たまに頬を染めてた。うん、脈はあるな!
「わかりました。協力させていただきます」
「!?い、いいのか!?」
「…はい?協力してくれと言ったのはアルフィージ様ですよね?」
「いや、私は性格が悪いしラビーシャ嬢にはふさわしくないと反対しないのかと……」
アルフィージ様よ…本当に丸くなったなぁ。
「私、アルフィージ様は優しいと思いますよ」
「………………はぁ?」
うっわ、珍しい。アルフィージ様のポカン顔ですよ。クールビューティが台無しですよ。
「兄のように心配してくれて、何かあったら頼れと言ってくれるし実際フォローしてくれますよね?頭もいいし財力あるし、浮気しなさそうだから応援します」
「………そうか。ちなみにラビーシャ嬢の好みは?」
「…お金がある人だっけか…」
「世知辛いな……」
「ああ、でも優しい人がいいって言ってたかも。ラビーシャちゃん自分が性格きつめだから」
「正反対だな」
どっちかというとツンデレですもんねーとは言わなかった。確実に説教される。私も成長したなぁ…
「ソンナコトナイデスヨ」
「…本音は?」
「基本優しさがわかりにくいしツンデレだしなぁと思いました」
「…………いい度胸だ」
「あだだだだ!ウメボシはいやぁぁぁ!!」
うっかり口を滑らせて(物理的に)しめられました。しまった、うっかり!誰だよ、私も成長したなぁとか言ったやつ!私だよ!
痛かったです。
とりあえず、ラビーシャちゃんがどの程度脈ありかを確認することにしました。
手伝いサボっていた凛花を捕獲。まあ、凛花の冒険者デビューでもあったから正確にはサボりではないんだけど。凛花はご機嫌で瞳をキラキラさせている。
「あ、ロザリンドちゃん!自分、友達…いや、ソウルフレンドができたッス!」
「ナニソレ」
「魂で惹かれあう親友ッス!」
「はあ…」
よくわからないが、凛花はテンションがMAXになっている。後にここでしっかり事実確認しなかったことを悔いるのだが…それはまた別の話である。
私は自分の用件を済ませることにした。
「凛花、あっちのアルフィージ様と腕組んでこい。このメモをアルフィージ様にコッソリ渡してね」
「…?よくわかんないけど、わかったッス!」
凛花は早速アルフィージ様に絡みに行った。さて、ラビーシャちゃんは…居た。
留学に出ている彼女だが、私のお祝いと聞いて帰国していた。ベタベタとアルフィージにひっつく凛花を見てショックを受けているらしい。
「ラビーシャちゃん」
「ひあっ!?おおおお嬢様…あっおめでとうございます」
めちゃくちゃ挙動不審である。普段の彼女だと考えられないが、私の相手をしつつアルフィージ様と凛花を気にしている。
これ、両想いなんじゃないかしら……と思いました。
さて、どうしてやろうかな?楽しくてたまりません。




