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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・ラブラブ新婚編

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壊れた理性とその先

前話のディルクサイドになります。

 我が家の応接間で話し合いしようとなったけど、空気を読まない腹の虫が鳴ったので、昼食となりつつあるご飯を食べた。ロザリンドがちらちらと俺を見ている。覚悟は決めていたから、俺から話し始めた。


「ロザリンド」


「何?」


「今朝のこと…いや、ここ最近のことなんだけど、俺はロザリンドがちゃんと16になるまでは待ちたいんだ。無理矢理結婚したし…負担だろうしこれからの事を考えたら、子供はまだ作らない方がいいと思う」


 改めて自分の考えを述べた。だが、正直な本音はそれだけではない。俺は、自分の欲が怖い。彼女を自分だけのモノにしたいと願う、汚い自分を知られたくない。自分の欲で彼女を傷つけたくないんだ。


「わかった。でも、私はこれ以上待ちたくない。ディルクが私の負荷を考えてくれているのは知ってる。ディルクは正しいよ。この結婚が私の意思ではなかったのは確かだけど、私はディルクと結婚するつもりはあった。今じゃなかっただけで」


「…うん」


「結婚も最終的には承諾した。嫌々結婚したわけじゃない。ディルクのちゃんとしたお嫁さんになりたい」


「…………え?」


 ちゃんとしたお嫁さん?どういう意味だ?


「週末だけにしたのは、フェロモンとかで襲わないためでしょ?確かに大変にはなるけど、新婚なんだから夜ぐらいは一緒にいたい」


「…ロザリンド…」


 それは…俺だって居られるなら彼女といたい。そこは今なら問題ないだろう。生殺しにいつまで耐えきれるかが不安だけど。


「1回だけでもいい、私を…全部貴方のものにしてほしい」


 クラクラしてきた。最愛のつがいに、自分のものにしてと言われるなんて…あまりにも甘美な誘惑だ。そして、1回だけでも抱いて欲しいというのが彼女なりの妥協点なのだろう。


「…………勝てる気がしない!なんなの!?どうしてそんなに健気なの!?」


「健気ではないと思うよ。ディルクの意思を理解した上でワガママを通そうとしてるだけだよ。ディルク、私もだよ。7年待ったよ?年の差が辛かった。我慢しないで、私を貴方のものにして?」


「うう…」


 そうだった。彼女との結婚を俺が7年待ったように、彼女も待っていたのだ。俺も彼女も間違ってはいない。


「私は、自分の意思で身も心もディルク=バートンのものになりたい。そして、ディルクの意思で私を本当の意味でロザリンド=バートンにしてほしい」


 彼女の言葉で、俺の心は決まった。


「…もう、どうなっても知らないよ?泣いても痛がっても止められない。君を…俺だけのものにする」


「…うん」


 ずっと、彼女を自分だけのモノにしたいと願っていた。彼女も同じように願っていてくれた。この喜びを、衝動を、痛いぐらいの切なさと幸せを…表現できる言葉を俺は知らない。


 俺の理性の最後の一欠片を完全破壊したのは、この『言葉』でした。






 いや、うん。やらかした。正直いたす前にお風呂入るべきだし、そもそも真っ昼間だったけど、そんな些末なことはどうでもよくなってしまった。何回気絶させたかわかんない。



 俺の我慢が大暴発いたしました。ロザリンドが気持ち良さそうだったのが救いだろうか。多少血が出たぐらいで裂けたりはしていなかった。しかも1回ではおさまらず何度も何度も…思い出したらまた彼女を襲いかねないからやめておこう。






 そして翌朝、ロザリンドは動けなかった。






「無理させてごめんね」


「いや、私が望んだし…」


 あんな目にあわされたのに、ロザリンドは全く怒ってなかった。謝罪にも苦笑しただけだ。立てないロザリンドの世話をする。


 ああ、またしたいなぁ…。1回砕け散った理性は復活に時間がかかるらしく、ついついさりげなく触ってしまう。ロザリンドも気がついているようだが、嫌がってないようだ。


「…その、今夜もしていい?」


 ずうずうしくも、お願いしてみた。体が辛いなら諦めるつもりだった。


「………うん。私もそれ考えてた。でも今後のことも話し合いたいし…今夜は手加減してね?ダーリン」


 俺のお嫁さんは女神でした。まさかの許可である。しかし…その、目を潤ませて恥じらいながらのそのセリフは大変けしからんと思うんだよ。


「……………………あのね、ロザリンドが可愛すぎるのもいけないと思うんだ」


 あまり煽らないでほしい、と言ったのだが……


「なら、一生可愛がって、私の面倒をみてね。もう寂しいのはやだよぅ……」


 まさかのナナメ上な解答だった。触れていると不思議な感覚がしていた。彼女の寂しさがわかったのだ。彼女との新たな絆…魔力の結びつきを感じた。フェロモンで俺が彼女の側にいられなくなって…彼女の寂しさと不安が伝わってきた。


 照れかくしに抱きつく彼女が可愛くて…彼女が安心してくれたのが嬉しくて…思わず彼女を抱きしめた。

 恥ずかしくて、幸せで、胸が苦しいと…彼女も感じているのが、たまらなく嬉しい。ロザリンドもぎゅうっと抱きついてきた。愛おしい。


「……………全く勝てる気がしない!くっそ可愛い!!嫌がったって放さないからね!寂しがらせる暇なんてあげないから!」


 とは言ったものの、流石にロザリンドの負担を考えたレベルをキープした。ロザリンドがよほど俺を煽りまくらない限り、ちゃんとできていたと思う。1度味わってしまえば…我慢ができない。俺のせめてもの気遣いなのだが、たまに台無しにされるのは仕方ない。


 とても満ち足りた気分で彼女に寄り添った。




 

 そして話し合いの結果、新居で暮らすことになりました。転移もあるし、やはり二人で過ごしたい。仕事は忙しいけど、毎日楽しくなりそうです。



 それにしても、蜜月が終わって帰ったら大変なことになってました。ロザリンドが死んだ魚みたいな目をしてました。ロザリンドといると、平穏とは無縁ですね。また厄介なことになりました。

 次回、なにが誕生しますやら……シリアス先輩の出番はない、とだけ申し上げておきます。

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