彼の理性を壊すには
我が家の応接間で話し合いとなりました。とりあえずディルクの雄々しいギャオスが鳴いたので、昼食となりつつあるご飯を食べながらどう切り出したものか思案していたらディルクから話しかけてきました。
「ロザリンド」
「何？」
「今朝のこと…いや、ここ最近のことなんだけど、俺はロザリンドがちゃんと１６になるまでは待ちたいんだ。無理矢理結婚したし…負担だろうしこれからの事を考えたら、子供はまだ作らない方がいいと思う」
「わかった。でも、私はこれ以上待ちたくない。ディルクが私の負荷を考えてくれているのは知ってる。ディルクは正しいよ。この結婚が私の意思ではなかったのは確かだけど、私はディルクと結婚するつもりはあった。今じゃなかっただけで」
「…うん」
「結婚も最終的には承諾した。嫌々結婚したわけじゃない。ディルクのちゃんとしたお嫁さんになりたい」
「…………え？」
「週末だけにしたのは、フェロモンとかで襲わないためでしょ？確かに大変にはなるけど、新婚なんだから夜ぐらいは一緒にいたい」
「…ロザリンド…」
「１回だけでもいい、私を…全部貴方のものにしてほしい」
「…………勝てる気がしない！なんなの！？どうしてそんなに健気なの！？」
「健気ではないと思うよ。ディルクの意思を理解した上でワガママを通そうとしてるだけだよ。ディルク、私もだよ。７年待ったよ？年の差が辛かった。我慢しないで、私を貴方のものにして？」
「うう…」
「私は、自分の意思で身も心もディルク=バートンのものになりたい。そして、ディルクの意思で私を本当の意味でロザリンド=バートンにしてほしい」
「…もう、どうなっても知らないよ？泣いても痛がっても止められない。君を…俺だけのものにする」
「…うん」
最終的に、彼の理性を完全破壊したのは、この『言葉』でした。
いや、うん。スゴかった。正直いたす前にお風呂入りたかったし、真っ昼間だったけど、そんな些末なことはどうでもよくなりました。何回気絶したかわかんないです。あれか。快楽責めか？記憶が半分あるかないかです。あまり痛くはなかったですよ。拡張したから？多少血が出たぐらい。
そして翌朝、動けなくなりました。
「無理させてごめんね」
「いや、私が望んだし…」
立てない私をかいがいしく世話するディルク。色気がだだもれです。しまってください。さりげなくセクハラはしないでいただきたい。いや…まあ、やぶさかではないが…明日も立てないのはちょっと困る。けどまぁ、困るぐらいで仕事じゃないしなぁと考えていたり。
「…その、今夜もしていい？」
「………うん。私もそれ考えてた。でも今後のことも話し合いたいし…今夜は手加減してね？ダーリン」
「……………………あのね、ロザリンドが可愛すぎるのもいけないと思うんだ」
「なら、一生可愛がって、私の面倒をみてね。もう寂しいのはやだよぅ……」
多分、これが私の本音だ。あの１ヶ月だけでなく、フェロモンでディルクが側にいられなくなって…ずっとずっと寂しかったのだ。恥ずかしくて、幸せで、胸が苦しくて…ディルクにぎゅうっと抱きついた。優しく私を包む腕が愛おしい。
「……………全く勝てる気がしない！くっそ可愛い！！嫌がったって放さないからね！寂しがらせる暇なんてあげないから！」
しかし、ディルクがここまでフィーバーをかましたのは今回だけで、彼はよほど私が煽りまくらない限りは私の負担を考えて優しくしてくれた。
体は動かないけど、とても満ち足りた気分でうとうととまどろんだ。
そして話し合いの結果、新居で暮らすことになりました。転移もあるし、やはり二人で過ごしたい。仕事は忙しいけど、毎日楽しくなりそうです。
ようやっと蜜月も終わりですねぇ……皆様よく文句を言わずお付き合いしてくださったなぁ……心が広いんですね！作者はそろそろ飽きました(笑)
次回は今回のディルクサイドになります。
ディルクサイドの次話でお話が動きます。次の次、○○誕生！どうしてこうなった！？をお楽しみに！
