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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・ラブラブ新婚編

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持つべきものは友人です

 ディルク視点になります。

 目を覚ましたら、ロザリンドが居なかった。



 既にベッドは冷えていて、彼女が居なくなってから時間が経っているらしい。こんなことは今までなかったから、しばらく呆然としてしまった。

 正気にかえって慌てて家中を探すが、どこにもいない。書き置きもない。しかし、靴が1足無くなっているから外に出たのは確かだ。


 外まで探しに行こうとしたら、誰かが来たらしい。ロザリンドが帰ってきたのかもしれない!とドアを開けると、カーティス、アデイル、ヒュー、フィズだった。落胆してしまう。


「よーディルク。結婚祝い持ってきたぞ…なんで落ちこんでんだ?」


 とりあえず全員応接間に入ってもらい、お茶をだした。


 カーティス、アデイル、ヒューは相変わらず近衛騎士として上手くやっている。フィズは部隊長に昇進した。たまにこのメンツで飲みに行くこともある。


「ロザリンドは?」


 上手く誤魔化せず、洗いざらい吐かされた。





「「へたれ」」


「うっ!」


 知ってる!容赦ないけどその通りだよ!


「…ディルクの考えも間違ってはいないが、難しいな」


 フィズは真面目に考えてくれている。


「んー、ディルク」


「何?」


「俺、難しいことはわかんねぇけど…ロザリンドの負担とかってさ、本人の意思を無視していいほど大事なのか?」


「………え?」


「ロザリンドはディルクとヤりたいわけだろ?だから何回も誘惑してるんじゃね?しかもあくまでディルクの意思でを望んでるから、獣性発散したり、フェロモンを無効化させたりしてる」


「………うん」


「しかもディルクが我慢に我慢を重ねて変に暴発したら、大惨事の予感しかしない」


「………………それは」


「……………確かに」


「…………………ありえるな」


「全く否定できない………」


 アデイル、ヒュー、フィズ、俺の順に発言したが…全員が顔をひきつらせていた。俺の我慢が大爆発……大惨事しかないな。


「しかもさ、ディルク」


「…うん」


「お前、ロザリンドの意思を無視すんの、これで3回目だろ」


「う!」


「今回はロザリンドもディルクの意思を無視してるからお互いさまだけど、ちゃんと話さないからロザリンドが逃げるんじゃね?」


「ぐはっ!」


「…カーティス、正しいがもう少しオブラートに…」


 フィズが本人は庇ったつもりなのだろうが、さりげなくとどめをさされた気がした。


「えー?めんどい。伝わったみたいだし、いいじゃん」


 カーティスはカーティスだったが、彼なりにちゃんと考えてくれた上での発言だろう。


「カーティス、ありがとう。ちゃんと話し合うよ」


 以前はちゃんと話し合っていたけど、最近はフェロモンがあって話し合いもできなかった。今はロザリンドのおかげでちゃんと話し合えるのだから、ちゃんとすべきだ。


「じゃ、待ち人も帰ってきたみたいだし、俺らも帰るか」


「え?」


「ただいまー。あれ?お客さん?」


「ロザリンド!?」


 聞きたかった声がして、走って勢いよく彼女に抱きついた。


「うわわ!?」


 驚いた様子はあるものの、拒否しない彼女にホッとした。すぐに背中をポンポン、と叩いてくれる。


「ひゅーひゅー」


「お熱いわねぇ」


「こーゆーのリアジューバクハツシロって言うんだっけ?」


「それは確かイチャイチャしてんじゃねーよ爆発しろという意味だから、今使うべきではないと思うぞ」


「いや、合ってんじゃね?」


 アデイルとヒューに冷やかされて慌てて離れた。カーティスとフィズはなんかずれてる気がする。


「合ってないから。カーティス、私達が爆発したら、肉じゃがが食べれなくなるよ」


「それは困る!」


「そういう問題じゃないだろう!」


 よかった、ロザリンドは怒ってないらしい。カーティスとフィズに笑いながらやりとりしている。


「じゃ、帰るわ」


「え?昼ご飯食べてけば?」


「いや、明らかに邪魔だろ。弁当大盛りよろしく。あ、これ騎士団から。高い酒」


「…なら、今度飲めば?ご飯作るよ」


「ロザリンド嬢はまだ飲めないのが残念だな」


「だねー」


「じゃ、期待してるわ」


「楽しみだな」


 カーティス、フィズ、アデイル、ヒューは帰るらしい。


「き、今日はありがとう!」


「気にすんな」


「俺らの借りがでかすぎるからなぁ」


「だな」


「…いつでも頼ればいい」


「う、うん!またね!」


 大きく手を振ると、それぞれ苦笑して片手を上げてくれた。


「いい友達だよね」


「……うん」


 素直に頷ける。彼らとは本当に色々あったけど、今は本当に友人だと思うんだ。




 さて、覚悟を決めなくちゃ。


「ロザリンド、話があるんだ」


 ロザリンドは柔らかく微笑んで、私もだよと言ってくれた。

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