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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド・14歳編

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結婚式と指輪さん

 ディルクはドレスが長いので、私をお姫様だっこしました。え?待って!このまま行くの!?


 ディルクは軽い足取りで私をお姫様だっこしたまま歩き出す。


「あれ?ロザリンドちゃん、ついに結婚するのかい!」


「こりゃあめでたいな!後でお祝いもってくよ!こうしちゃいらんねぇ!皆にも教えてやらなきゃな!」


 な、なんか注目されてる上に、知り合いのおじさんやおばさんから次々と祝福の言葉が贈られる。化粧がぐちゃぐちゃになったから、今はすっぴんで微妙なんでディルクにひっついた。


「し、幸せ…」


 ディルクは私にひっつかれて嬉しそうだ。私も幸せだと思える。たくさんの祝福の声と笑顔は、やはり嬉しいものだ。


「あ、お幸せに~」


 あの浮気疑惑の女性が嬉しげに手を振っていた。


「あ、あの…そういえば広場の女性は友人なんですか?」


「いや?店員さんだよ。大量に買ったから見送りにでて来たとこを見たんじゃないかな?広場に店があるんだよ。今度は一緒に行こう。ロザリンドが好きそうなお店だから」


「わかりました」


 浮気は完全に誤解でした。友人ですらなかったというオチでした。








 そして教会に到着。素早くラビーシャちゃんと母、マーサ、ルーミアさんが私に化粧を施した。ディルクは定位置に移動。父のエスコートからやり直しとなりました。




 ゆっくりと父にエスコートされて歩く。




「ロザリンド、幸せになりなさい。いつでも家に帰っていいからな」


「ふふ、ありがとうございます」


 父はちょっと涙目だ。私ももらい泣きしそう


「いくぞ、皆!」


『おう!!』


 アルディン様の号令で元クラスメート達が複合魔法で虹色の花を降らせた。


「綺麗…皆、ありがとう!」


「まだまだ!いくよ!」


 私の精霊さんたちも複合魔法を使い虹の花をシャボン玉に変えた。


「うわぁ…」


 夢みたいな光景にため息が出た。


「ロザリンド」


 優しい笑顔のディルクが待っている。父からディルクにエスコート役が変わる。


「……まだ俺は未熟で、今回もロザリンドを悲しませてしまいました。ですが、必ず彼女を幸せにします!娘さんを私にください!」


 ディルクは頭を下げた。えええ!?あ!娘さんを僕にくださいのやり直しか!自分で言っといて、すっかり忘れてたよ!


「父様…」


「…顔を上げなさい。ロザリンドは生涯の伴侶に君を選んだ。君の努力も知っているよ。夢よりこの子を選んだこともね。私の娘を、よろしく頼む」


 父が静かに頭を下げた。


「はい!」


「父様、大好き!」


「ああ。寂しいものだが…嬉しくもあるな」


 とても珍しい、満面の笑みを見せた父に見送られ、今度こそ祭壇に立った。




 神父様が、誓いの言葉を告げる。


「新郎、ディルク=バートン。汝は病める時も、健やかなる時も、この者を妻とし生涯愛し、慈しむことを誓いますか?」


「誓います」


「新婦、ロザリンド=ローゼンベルク。汝は病める時もこの者を夫とし生涯愛し、慈しむことを誓いますか?」


「誓います」


「では、誓いの口づけを」


 ディルクがそっと私のヴェールを外してキスをした。歓声がおこる。


「よろしい。結婚証明書にそれぞれサインを」


 ディルク、私の順で証明書に署名する。


「最後に、指輪の交換を」


 もともとこの世界に指輪の交換は無かったが、ミス・バタフライが宣言通り流行らせ、今では結婚式でポピュラーなイベントになっている。


 指輪はディルクが用意したのだろう。白金かな?銀色に薔薇の刻印が美しくシンプルなものだ。


「ロザリンド、手を」


 ディルクが私に結婚指輪を嵌めようとした。




 すると、戦乙女の指輪と婚約指輪達、さらにディルクの指輪が浮かび上がって混ざりあい………え?混ざって…………る?




 結婚指輪も混入された。






「「「………………」」」





 私もディルクも神父様も見上げてポカーンである。多分この中で耐性があった私が一番最初に復活した。


「指輪さん達、何やらかしてんの!?」


『我々ハ決メマシタ』


『主ノ役ニ立ツタメニ』


『主ノ側ニアルタメニ』


「だから、指輪にお役立ちは求めてないからぁぁぁ!!」


 私の叫びは残念ながら聞き入れていただけませんでした。賢者が仕方ないよね、非常識弟子だから。とか呟いたのが聞こえた気がしました。




「その結婚、待ったぁぁ!!」


「今度は何!?」


 派手なインコ…ではなくバーディアの王太子でした。いや、遅いよ。


「ロッザリンドォォ!!」

「おりゃあああ!!」


「「………え?」」


 小さな影達が見事なシャイニングウィザードをきめた。片方はヴァルキリー(小型で子供ぐらい)だとわかるが……もう片方は……誰かに似てる気がする。


「ロザリンド、隠し子?ロザリンドとディルク足して割った感じじゃね?」


 カーティスの言葉に、子供をよく見ると、確かにディルクの耳と尻尾をつけた黒髪金目の私…7歳ぐらい?に見える。


「オレはロージィ!ご主人様、敵やっつけたよ!褒めて!」


「………え?うん。えらいね?」


「えへへ」


 多分男の子……なのかな。ディルクに褒められて得意げである。


「ええと、君は?」


「あ、お母さん」


 お母さんて、私ですか?





 しん、と場が静まった。









「……………浮気?」


「いやいやいや、してないしてない!処女だから!産んでない!!そもそも妊娠してない!」


 まさかの私に浮気疑惑である。しかし、他人にしてはそっくり過ぎる。いや、待て!もしや……


「ディルクの指輪さーん」


「はーい」


「「…………」」


 手を上げるロージィ。


「ディルク、指輪の名前は…?」


「その…銘は無かったけど、だったら好きな女の名前とかにすればって団長にいわれて…………そのままじゃなんか恥ずかしいからちょっとかえてロージィにした……」


 つまり、この子はディルクの指輪なわけか。


「あのね、オレら皆で決めたんだ。大好きなご主人様達のために役に立ちたたいし、側にずっといたいから。これからもよろしくな!」


 ロージィは指輪にとけて私の手に指輪が落ちてきた。


「主ヲ、ヨロシクオ願イシマス」


 ヴァルキリーも指輪に戻り、ディルクの手に落ちてきた。


「ええと…………嵌めてくれる?」


「あ、うん」


 互いの指に互いの指輪をはめた。指輪はリッカの花と薔薇の意匠で、シンプルだが精霊達の小さな石がはまっている。中央には青い魔石。私のは銀色、ディルクは黒銀のリングだ。


「ロザリンド!結婚してくれ!」


 あ、インコが復活した。


「ごめんなさい。私は…私、ディルクと結婚したいの。本当はまだ結婚するつもりではなかったけど…いいきっかけだったわ」


「だ、第2でもいい!結婚してくれ!」


 バーディアは女性が少なく、一妻多夫という珍しい国である。


「「「クリスティアは一夫一妻ですから」」」


 神父様までツッコミ、王太子は撃沈した。


 ディルクは私を抱き上げて進んでいく。何かがふりまかれる。ライスシャワーかな?


「行くよ、いい?」


「「おう」」

「はい!」


 一瞬でステンドグラスに光が灯る…あれは、光の薔薇?さらに水が光を反射して虹を作る。ミルフィ、兄、シーダ君とミチェルさんによる合作魔法のようだ。チタが楽しげに空を舞う。


「綺麗…」


 花びらも輝く光の薔薇は美しい。


「薔薇の聖女に幸あれ!」


 高らかに、シュシュさんが叫ぶ。負けじと怒号のように祝福の言葉が贈られる。


「おめでとさん!幸せになれよ!」


「ありがとう!」


「ロザリンド、あの魔法は俺が頼んだんじゃないんだ。幸せだね。君が助けた人達が、みんな祝福してくれている」


「……私だけじゃないよ。ディルクだっていつも手伝ってくれたじゃない」


「…そうかな」


「そうなの!一緒に行こう!」


「…うん!」


「皆、ありがとう!」


「ありがとう!」


 ディルクと共に扉をくぐるまで、何度も皆にお礼を言った。

 きりがいいのでここまでとなります。指輪さん達…特に婚約指輪さん達が用済みになるんでは!?と不安だったみたいです(笑)

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ユハズ先生も絵が綺麗なので必見ですよ!!悪なりコミカライズ、スタート!! 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!コミカライズのリンクはこちら!」 小説二巻、発売中です。書き下ろしもありますよー 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!二巻のリンクはこちら!」
― 新着の感想 ―
仕方ないよね?! だって「ロザリンドちゃん(とその愛するディルクの)指輪達なんだもん。」…諦めて(´∀`)? 「みーんなロザリンドちゃんのせいで(ほぼ)間違いないから!」
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