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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・奇人変人変身魔法院編

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約束と未来への布石

 ちなみに、院長は第1の平研究員になりました。魔法院の不祥事を考えればクビでもおかしくないけど、魔具作成の天才だからと惜しまれたらしい。本人は楽しそうに魔具を作っている。


「悪魔っ子、これどう思う?」


「悪魔っ子、ちょっとアドバイスしてよ」


 なんかやたら絡まれてうざい。早々にエルンストの部屋に避難した。元院長うざい。


「…ん?どうした?ロザリンド」


 エルンストはすっかりフレンドリーになりました。


「エルンスト、折り入ってお願いがあります。場所を移して…真面目な話です」


「おー」


 エルンストと院長室に行き、遮音結界をはったらバチッていった。部屋の外に、盗み聞きしようとしてたらしい男を発見した。


「…………………なにしてんですか、元院長」


「あ、あははははは。…………混ぜてください、お願いいたします!めっちゃ楽しそうな気配がする」


 楽しいかはわからないが、魔法研究者にとっては興味ある話になるだろう。この元院長はちゃらんぽらんだが研究者としては天才だ。というか、私この人の顔よりつむじを見てる気がする(会うと土下座されるので頭ばっかり見てるから)

 少し考えた。まあ、いいかな?


「……他言無用。誓えます?少しでも漏らしたら、記憶を消します」


「…うん!言わないよ!拷問にかけられても言わないよ!」


 なんで嬉しそうなんだよ…と思いつつ、元院長も参加となりました。







 私がやりたいこと、これからそのためにやらねばならないこと。エルンストはその最後のピースになること。

 更には不測の事態に備えた対応策とフォロー。私は思いつく限りを話した。




 スタウトさんは息を吐いた。真っ白ですよ?大丈夫?ごめんね、貴方を院長にもってきたのは、私の…いや、私達のためなんだ。貴方は絶対断れないし、断らないと確信している。


「お話、承りました。ロザリンド様、私はこのお役目を果たすまで魔法院に院長として留まりましょう。必ずや貴女の望みを叶えます」


「ありがとう」


「ロザリンド、俺も協力する。魔法使いとして能力を研鑽するのは俺にとっても利がある」


「うん、ありがとう」


「はいはい!やるやる!何する?今する?なんでもするよ!こんな…魔法史に残っちゃうぐらいの大プロジェクト、参加したいに決まってるよ!」


「楽しそうですね…まあ、後から細かく指示だします。貴方は身軽ですから、世界中を転々としてもらう可能性もあるんでそのつもりで」


「はーい!」



 とりあえず、真面目な話し合いは終了した。


「エルンスト」


「なんだ?」


「エルンストの夢の魔具は、あと機体をどうにかできれば造れるよね」


「…まあな。理論上は可能だ」


「造ろっか、今から」


「おう………………………は!?」


「はいはーい!見学希望!」


 楽しそうだな、元院長。まあ、私はかまわない。エルンストは停止している。


「エルンストに聞いて」


「見学!見学希望!お手伝いもします!」


「え?あ…かまわない、けど」


「ひゃっふー!いやあ、院長辞めたら楽しいなぁ!研究時間は増えるし、毎日刺激的だ」


 とりあえず兄の協力も必要なんで、第2で兄も連れて、我が家の庭に来ました。


 我が家のお庭には、立派なユグドラシルさんがいらっしゃいます。



「…………ロザリンド」


「はい」


「この樹は」


「素敵なツリーハウスですよね?内部にトランポリンがありますよ。後でうちの子達と体力が尽きるまで遊んでくださいね」


「……立派なユグドラシルだねぇ…これ、ユグドラシルだよね?」


「はい。いい子なんですよ~。ほら、喜ぶと花も咲くんです」


「そうそう。喉乾くと実を落としてくれるし」


「「ねー」」


「へ、へー」


 流石の元院長も顔をひきつらせています。エルンストはまた停止している。


「ユグドラシルさん、この図面の奴を作りたいから、材料に枝とかちょっと分けてほしいんだけど…」


 ちょっと質は落ちるが、不要な枝葉を合成して板にしようと思っていた。ユグドラシルさんは図面を根っこで器用に拾い上げる。私の手首に根が巻きついた。


『イイヨ、魔力チョウダイ』


「あ、はい」


 魔力を手首から送り込む。チラッと見たら、兄も魔力をあげていた。別の根っこが膨らみドームみたいになる。私にイメージをくれ、というので寸法を正確に思い出した。他にも大型旅客機を思い浮かべたのが、多分いけなかったんだと思う。余計なことを考えてしまったわけで。






 ユグドラシル製の飛行機的なものが、2機できた。






「ロザリンド!こら!」


「すいません、出来心です!いずれ造りたいって雑念がぁぁ!」


 兄に即叱られました。エルンストはまだ停止している。元院長は大喜びで機内をチェックしている。とりあえず、小型の方を先に仕上げ、大きいのは後日仕上げることにした。


 それから作業は急ピッチで進みました。ポッチのお手伝いにより、機体は美しい赤に羽の紋様で飾られた。


「ポッチ、天才画伯!」


「素晴らしいよ、ポッチ!」


「えへへへへ」


 私達の惜しみないナデナデ攻撃に、ポッチは嬉しそうです。しかし、本当に綺麗な飛行機…いや、飛行魔具?


  私とエルンストで内部に紋様と魔力伝達効率を上げるためのミスリル合金を張り巡らせて、魔石を設置。座席や内装を整えて…………



「完成!!」




 エルンストと手を叩きあう。エルンストは涙ぐんでいた。


「泣くには早いよ。飛ばせないと」


「ああ!」


 飛行魔具は6人乗り。操縦席にエルンスト、サブに私、客席に元院長、兄、ポッチ、たまたまユグドラシルに遊びに来たジェンド。


 飛行魔具はゆっくり飛び立ち…試験飛行は問題なく終わった。試験飛行は問題なかったが、出来心で王城付近を飛んだらお城がパニックになり…後で呼び出された。


 自分も乗りたかったとアルディン様に拗ねられ…無茶言うな、試験飛行だからなんかあったら大変だと返し、アルフィージ様に色々報告をしろと叱られた。あ、後で報告するつもりだったんだよう!



 この飛行魔具が世界中の国々を繋ぐ足となるのは、あと数年後のお話。アルフィージ様が外交で使用料をめぐりその辣腕をふるいまくったらしいというのは余談である。ちょっと外交担当に同情するわ…


 そしてエルンストは、その開発者として脚光を浴びるが…本人は迷惑らしく、引きこもりからアウトドア派にジョブチェンジしてしまった。いいような悪いような…引きこもりよりはいい…かな?

 ジェンドと能力的に相性がよく、素材採取にチームで行くらしい。冒険者登録してパーティを組むのも時間の問題かもしれない。

 これで7歳編終了になります。


 次でロザリンドは成長しますが………明日更新できるか、ちょっと不明です。

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