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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・奇人変人変身魔法院編

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こうかはばつぐんだ

 多分忘れられてるんで一応。


・トサーケン➡ルーに預かられてる犬獣人


・ミケル➡ウルファネア国王暗殺の実行犯。今は孤児院で奉仕労働をしている。山猫獣人。

 多分、書類回しても大半は見ないだろうなと思ってた。予想通りだった。私は院長に土下座されていた。


「悪魔っ子よ」


「誰が悪魔っ子ですかい」


「謝るから「却下」


「…………」


「ちゃんとやればいいだけですよ。通常業務をおろそかにしておいてペナルティがなかった今までがおかしいのですよ」


「しくしくめそめそ」


「泣き真似してもダメ」


「鬼!悪魔っ子!魔女王!」


「待て!最後の誰から聞いた?」


「騎士に愚痴ったら、教えてもらった。君、宰相のまわし者なの?」


「現宰相の娘で元宰相秘書官ですが何か」


「まーじーでー?」


「マージーでーすー」


 つうか、私身分も何も隠してなかったよ?元宰相秘書官はわからないまでも、兄もいるんだし宰相の子供だってことぐらい把握しとこうよ!


「院長ぉぉ!」


 そしてまた、書類を出さなかった馬鹿野郎が院長の部屋に駆けこんできた。


「はい」


 ぴらりと院長は1枚の書類を渡す。もう慣れたもんである。これで何人目だっけか?


「こ、これは…!酷いじゃないですか!こんなの知りませんでした!」


「悪魔っ子、よろしく~」


「へ?」


「はじめまして。ロザリンド=ローゼンベルクと申します。今回の件に関しまして、宰相様から直々に全権をいただいております」


「は、はぁ」


「先ほど貴方はこの書類に関しまして『知らなかった』と申されましたが、この書類は全職員に配布され、読んだかを上司に確認するよう要請してあります。そのチェックがもれたのでしたら、上司の責任ですね。貴方のお名前、部署と上司の名前をお願いいたします」


「…名前はバングル。部署は知の第3、上司はスタウトです」


「はい。では…」


 録画された映像が写し出された。スタウトさんが研究しているバングルさんに説明している。わかったかと問うと返事をしている。


「「………………」」


 にっこり笑う私。真っ青なバングルさん。


「はい、アウトー!お帰りいただこう!」


「次はきちんと書類を読んでくださいね~」


 院長の合図で、パワーアップしたシャカさん&シャカ君…ジェンドが足したらもっと怖いかなと言うんで腰で合体させたら本当にもっと怖かったゴーレムに追われ、奇声をあげて逃げていく。


「…これで何人目だっけか」


「30ぐらいでしたっけ?」


「お、横暴だ!」


 涙目になりながらもバングルさんは反論している。根性あるな。


「いやぁ、仕方ないよ。宰相直々の命令書だよ。私なんか、すでにハーフカットだからね?」


「………ちっくしょぉぉ!!」


 バングルさんは走り去った。


「はあ…あと何人来るかなぁ?」


「元はとえば、院長がちゃんとしてないからですよ。本来きちんと取り締まるべきトップが職務怠慢してたからでしょ?通常業務をサボっといておとがめがなかった今までがおかしいんですってば」


「正論って1番耳に痛いよね。そして悪魔っ子はルー君によく似てるよね」


「お褒めにあずかり光栄です」


 私はニヤリと笑った。ちょっと悪役令嬢みたいかもね。書類とは、数日前に宰相の命令で出されたもの。


『期日までに書類を出さない、人や建物に被害を出す実験を申請なしで行った場合、研究費をカットする』


 というもの。皆さん支給日の今日気がついてかけこんできます。エルンストに、研究員にとって1番厳しいのは研究費をカットされることだと教えてもらいました。


 結果が出るまでに多少時間はかかるでしょうが、効果はあるんじゃないだろうか。一応救済策として、期日切れの書類と期日前書類10枚で5%研究費が戻ることになっている。書類何枚での何%カットするかはまあ良かったけど、被害の程度でのカットの場合、算定が難しく、ちょっと悩んだりもした。しかし、宰相執務室の全力バックアップがあり、最速で実施できたと思う。




「父様…いえ、宰相様、騎士団の代理で書類をお持ちしました」


 父は書類を受け取りながら、私の足元をじっと見ていた。


「…ロザリンド」


「はい」


「床のそれは」


「哀れな恋の奴隷…トサーケンです」


「…毛並みが斑だが…」


「金銭欲しさに実験体になったそうで。たまにこーゆー犠牲者も出るし、早急になんとかして欲しいなと思いまして」


「……わかった。トサーケン、金ならなんとかするから実験体はやめなさい」


「…いいえ…うぅ…僕は毒に耐性が…あり…ますし…彼女に…」


「…そうか」


「父様納得したらダメ!」


「まぁ、魔法院の怠慢は目に余ってましたし」

「ここらでしめるべきかと我々も思います」


「うむ」


 できる宰相秘書官達の後押しもあり、すぐさまディスカッションとなりました。


「…ところで、あの獣人、青くなってないですか?」


「トサーケン!?」


「あ…川の向こうに死んだばあちゃん……」


「三途の川ってこの世界にもあるっけ!?逝くな逝くな!あ、アリサアリサちゃんアリサ様ぁぁ!!」





 どうにか解毒が間に合いました。





「あ、症状書かなきゃ」


「こんのバカ犬!」


 復活したら、自分の症状を書類に記載し始めたバカ犬に蹴りをくらわせた。


「キャイン!すいません!」


 死にかけたのに、余裕だな!父も秘書官さん達もアリサも引いてるじゃないか!


「今まで死者が出てないのが奇跡ですね…」


 宰相執務室はバカな犠牲者のおかげで、本気になりました。ちなみにバカ犬は仕方ないので私が狩りに付き合わせ、自力で目標額達成して、ミケルにプレゼントしてました。しかし…


「こんな高価なもの、受け取れないわ」


 断られてました。だろうなと思ったよ。流石に哀れなんで事の顛末を話したら、ミケルに泣きながら説教されてました。


 プレゼントのネックレスは無事受け取ってもらえたらしく、ミケルが毎日つけてます。良かったね。守護の魔具なんで見た目可愛いネックレスだけど御値段が可愛くないんだよ。

 トサーケンはミケルを眺めて幸せそうです。でも、兄とミケルと私で2度と実験体にならないと念書まで書かせました。


 いのちだいじに!!

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