悪戯と呪い
魔法院に戻りました。一応責任者だし、ハンスさんに報告しようと思ったわけで………あれ?
「戻りました~」
「おかえりなさい」
ハンスさんが涙目です。皆さん…また呪われてらっしゃるわ…
「なんでかなぁ…」
まあ、調査中だし…とりあえずまた解呪しました。流石に3回目だから自力でもできましたよ。そんなに難しくもない。多数対応だからかしら。
「あれ?おかえり」
「良かったなぁ、エルンスト」
「うっせー」
皆さん、基本フレンドリーですが集中し出すと喋らないらしい。
「あ、これエルンストの研究に寄付します」
ゴロゴロと先ほど狩ってきた魔石をハンスさんのデスクに転がした。盗んできたとか勘違いされたら大変だし、お高いからね。
「………………は?」
「インシェントガルーダの魔石です。飛行魔具作成に向いていると思われます」
「……………………このような高価な品を「狩ってきたから無料ですよ?」
「……………………………へ?」
「ロザリンドとこの兄ちゃんが4体、狼のオッサン2体、俺とこいつが1体ずつ」
ジェラルディンさんは鶏肉持って帰りましたが、ディルクとジェンドはついて来ました。エルンストの話に、硬直するハンスさん。
「エルンスト、狼のオッサンはSSSランクの冒険者だよ。ロザリンドはSランク。ジェンドはまだ7歳になってないから未登録だけど…実力はほぼAランクかな」
「…それ、すごいのか?」
「エルンスト…この世にSSSランクの冒険者は一人しかいないんだよ」
「え?」
「さらに、未成年冒険者でSランク…特例措置をされるほどの実力…」
ハンスさんが頭を抱えてブツブツ言っている。大丈夫ではなさそうだ。
「とりあえず、ロザリンドがおかしいのはわかった。ロザリンドは強すぎる」
「その結論はどうなの!?」
思わず全力でエルンストにツッコミをしたが、ジェンドもディルクも頷いていた。酷い!
「ハンス、俺たちはエドに全力で悪戯をしかける」
「え?ああ。何か思いついたのかい?頑張ってね」
「…いいんですか?」
「うん。たまにはシメ…あいつも反省しないとね。まあ、魔具ジャラジャラ持ってるから突破はほぼ不可能だけど」
魔法院では技術研鑽のために、罠設置が許可されている。ただし、必ず腕章持ちには作動しないことと命に関わる罠ではなく、あくまで悪戯の範囲内の威力であることが条件だとのこと。さらにこの条件を満たしていると上役の許可を得て設置となるそうだ。まあ、いちいち許可をとらず勝手に設置する奴がほとんどだとか。
更なる例外が院長である。彼自身が魔法の天才で、自作の防御魔具を試すために彼は腕章をしていない。彼個人狙いなら、許可なしでも罠設置が可能なんだそうです。
「あ、俺参加したい」
「俺も俺も」
他の研究員さん達も参加を表明しました。うふふふ。
「あ、兄様とミルフィも誘おうかな」
「あー、ルーは呼ばないと拗ねそうだね。ミルフィリア嬢はどうかな…」
早速通信魔具で連絡したところ…ミルフィは残念ながら不参加。魔具については素人だし、救護なら…と言っていたが、救護を要する罠は作らない予定です。
兄は…
「やるやるやる!参加する!何しようか!」
やる気………むしろ殺る気です。ま、まぁいっか…な?
とりあえず、罠について皆で相談しました。メンバーは私、エルンスト、ジェンド、兄様、研究員のライトンさんとレフティさん。ディルクは仕事の呼び出しで帰りました。後で時間があれば手伝いに行こうかな。
しかし、作戦会議は盛り上がった。流石はプロ…しかもクリスティア最高の魔具職人達である。私達は熱く語り合い……徹夜で設置したのであった。ちなみにジェンドは途中リタイア。ねてしまったので徹夜してません。さあ…思ったより大規模になった悪戯大作戦…結果やいかに!!
ひっぱるつもりではなかったのですが、きりがいいのでここまでです。
次回、悪戯開始です!




