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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・奇人変人変身魔法院編

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汚部屋と呪い

 さて、第1開発室にやってきました。


「初めまして、ロザリンド=ローゼンベルクです」


「初めまして。室長のハンスです。いやあ、あの賢者様のお弟子さんが来てくれるなんて!」


 若干表情がひきつった。やっべ。開発室=オタク部屋?室長さん、兄と同じ匂いがする!しかも魔具製作に関しては私も話がわかっちゃうから回避不可能です。


「皆、新しい研修生が来たぞ」



 しーん。




 え?無反応なんですけど。ハンスさん涙目だよ!?


「ごめんね…皆研究に夢中みたいで…聞いてくれないんだよ。しかも倒れるまで研究するし………」


「そして片づけもしないんですね…」


 なんというか…賢者の汚部屋初期段階のコロニーが形成されている。コロニーとは!私の造語で賢者の周囲に形成されるほぼゴミでできた壁である。


「い、いや一応皆が食事に行くとき片づけてますよ!」


「…ハンスさんが?」


「………………………………うん」


 ダメじゃん!自分でやらせろよ!でも…この人達、ただの寝不足にしては目がイッテる気がする。


「てい」


「ぎゃあああああああ!?」


「ちょっと!うるさいよ!!」


 試しに超大音量クラッカーをパーンしてみたが、ハンスさんと開発室の個室から飛び出してきた少年以外は無反応。おかしくね?集中力とかって問題でもなさそう。少年は怒鳴るとすぐまた個室に帰った。


「うーん」


 あの大音量クラッカーでチラ見もしないって、おかしい気がする。


「ロザリンドさん、いったい何…おう!?」


 試しに研究員のほっぺを限界までびろーんとしてみたのだが…


「………」


 反応がない。目が死んでて怖い。次々ほっぺをびろーんしてみるが…やはり反応はない。さすがに目隠しは手をはたかれたが、研究の邪魔さえしなければ無反応だった。


「…これ、異常じゃないですか?」


 ハンスさんは真っ青になっていた。あれ?そういやさっきの少年、攻略対象の引きこモヤシじゃないか。間違えた。確かエルンストだっけか。とりあえず、モヤシよりは異常を先にどうにかするか。


「そ…う、ですね」


 ハンスさんに色々聞いてみたところ、仕事というか研究に関しては反応があり、支障がなかったらしい。だから集中しているのかと気にしていなかった。そもそも第1開発室はさほど私語がなかったのも気がつかなかった原因だろうとのこと。


「んー」


 目をこらす。僅かだが…呪いを感知した。


「アリサー」


「はーい」


「呪われてる…と思うんだけど、どうかな?」


 アリサもじっと働いている男性達を見つめると頷いた。


「呪われてるね。しこうせーげんの呪いだと思うよ。アリサの出番かな?」


「思考制限…解けるならお願いします」


「はーい」


 柔らかな光が部屋を包んだ。恐らく、研究のこと以外は考えられなくなる呪いなのだろう。


「…ん?」


「あれ?」


「うわ!精霊様がいる!」


「美少女だ!」


 あっという間に囲まれ、質問攻めにされた。地味に怖い。ハンスさんが止めようとするが、誰も聞いてない。しかも風呂にも入ってないのか臭い。兄か奥方様に助けを求めようとしたところで、不機嫌Maxの引きこモヤシがキレた。


「だから、うるさぁぁぁい!」


 見事な雷魔法で研究員をのしてしまった。静かになったらさっさと立ち去るモヤシ。ありがとう、モヤシ。今度多分お礼するよ。私?もちろん防ぎましたよ。相殺しました。モヤシは防いだ私にちょっと驚いてました。


「…他の部署はどうなんですかね?」


 結局第2開発室は無事でした。多分原因はマグチェリア。アリサのマグチェリアを株分けしたやつがあって、皆さんで大事にお世話しているから呪い耐性がついたせいだと思われる。


 第3開発室はアウト。様子を見るために、あえて浄化はしなかった。室長のスタウトさんともう一人の研究員だけは無事だった。

 武は全部合わせても数人だけだった。


 しかし、魔法院でこれだけの人間を呪いにかけるなんて…第3開発室の研究員の呪いは解かなかった。第1に犯人がいるなら、今回でなんらかのアクションがあるはずだ。多分、だがないだろうけど。


「い、院長に報告してきます!」


「あ、はい」


 ハンスさんは走っていった。


「うーん、どうしたもんかな」


 正直、騎士団と違い誰が怪しいのかが解らない。多少の予想はあるのだが、あくまで多少。

 なかなか面倒なことになりそうです。

わりと…シリアスターンですね。


さて、呪いはどうやってかけたのか…次回、体は子供!頭脳は半分大人!迷探偵ロザリンド!を待て!


………すいません、嘘です。

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