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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・奇人変人変身魔法院編

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魔法院と院長さん

 さてさて、今日から魔法院。私を心配してくれた兄が案内してくれるらしい。ミルフィも案内を申し出てくれたが、兄はさっさと魔法院の院長に根回ししたらしく、先生からも兄についていくよう説明された。兄…準備いいね。ミルフィにも今度案内してもらう約束をして、いざ魔法院!




 魔法院はなんというか…


「ぎゃああああ!」


「馬鹿だな、誰かまた床トラップにひっかかったぞ」


 魔法院は、からくり屋敷でした。私は精霊眼と兄のナビがあるからさして困らないが…普通の人が大変だ。あれ、よく見たら騎士じゃないか。


「大丈夫ですか?」


「ロザリンドちゃん…あたた…書類届けるのも命がけだよ」


「…誰に届けるのですか?」


「院長にだけど」


 兄に目線でついでだし…とアイコンタクトすると頷いてくれた。


「なら、私達が代わりに届けても?」


「いいの!?マジで!?ありがとう!ありがとう!!」


「ええええええ」


 感謝しすぎじゃないだろうか。騎士…クルットさんだっけ?あ、クルトンさんだ…多分。彼は泣くほど感謝して去っていった。


「大袈裟じゃない?」


「いや、院長はこの変態の巣窟のトップ…つまり変態の中の変態キングだからね」




 帰りたい。





 しかし、兄はそんな変態に頼むほど私を心配してくれたわけだ。兄は優しい。手を繋ぎ、トラップを避けて歩く。


「兄様、そこは何か魔法がかかってます」


「うん」


「兄様、その壁に気をつけて」


「…………うん」


「兄様、天井に何か仕掛けてあるから迂回しましょう」


「………ロザリンド」


 しかしトラップだらけだな。まぁ、威力は悪戯程度だから結界かけて突っ切るか、加速で作動より速く走り抜けるか………


「ロザリンド…僕の案内はいらなかったかもね…なんでこんなにトラップが増えてるんだ…」


「はっ!いや、兄様のおかげで迷子を回避してますから!」


「…うん」


 とりあえず兄に魔法無効化(マジックキャンセラー)の魔具を渡しました。見た目はバングルで、オシャレアイテム風です。


「わりと強力なやつなんで、大概の罠や魔法は無効になりますよ。支援魔法も無効化しちゃうので気をつけてくださいね」


「…ありがとう」


 兄は素直に装着してくれました。更に私が罠を指摘しつつあるくことしばし。


「ここが変態の巣…じゃなかった、院長の部屋だよ」


「はあ…」


 気は進まないが、ノックして入室した。いきなり氷結魔法が来たので瞬時に相殺して魔法を使った相手を転ばせ関節を極めた。


「ギブギブ!ごめんよ、ちよっとしたオチャッピイなんだよ!許して許して!」


「ロザリンド、いい機会だから人体はどこまで曲がるか実験しようか」


「待って待って!悪かったよ!もうしません!ルー君許して許して!」


 兄が本気でキレてます。なので、私は兄に従うだけです。まあ、先にわりと洒落にならない攻撃したのは院長さんだし…別に私はどうでもいいけど…



 しかたないよね?



「ロザリンド、やっちゃえ」


「ラジャー」


「ぎゃああああああああ!!」


 限界ギリギリまで腕ひしぎ十字固めをお見舞いしてやりました。



「ううひどい……」


 とりあえず治してあげて、いざ話し合いです。


「ひどくありません。うちの可愛い妹に攻撃するなんて…髪一本でも傷ついてたら…腕を折っても足りませんよ」


「レートがおかしくないかな!?」


「魔具じゃらじゃらつけてんだから、腕の1本や2本生えてくるでしょ」


「生えないよ!いくらなんでも無茶苦茶だよ!」


「普段僕に無理難題押し付けてるから、返しただけですよ。みっともないからわめかないでくれます?」


「兄様、この人は」


「一応院長。危険人物(アウト)だから極力近寄らないようにね」


「はーい」


「アウトって何さ!全く…ようこそ、魔法院へ。私は院長のエドウィンだよ。親しみをこめてエドって呼んでね☆」


「ロザリンド=ローゼンベルクです。慎んでお断り申し上げます」


「……………君の妹って感じだね」


「はい。本物の妹ですからね。えらいぞ、ロザリンド」


「えへ」


 微妙な表情のエドウィンさんに対し、上機嫌な兄。


「ところで、エドウィンさんは男性ですよね?」


 声は男性だし、立ち居ふるまいも男性だ。先程腕ひしぎ十字固めをしたときも、明らかに女性の体ではなかった。しかし、大きなお胸がたゆんたゆんしている。本人が中性的だから、喋らなければ女性に見えなくもない。


「そうだよー。色々自分の身体で実験したら、こうなりました☆」


「自分を大事に!健康第一!無茶すんな!」


「………兄妹だねぇ。ルー君もほぼ同じリアクションだったよ」


「こういう人だから、飲食物は全て断るように」


「はーい」


 自分まで実験台にしちゃうとかヤバすぎる。私は兄の教えを心に刻んだ。


「もう、ルー君は私に塩対応過ぎないかい?で、妹ちゃんの配属先なんだけど」


「あ、はい」


「第一開発室にしようと思うんだ。年の近い子もいるしね。これからよろしくね☆」


「はあ…よろしくお願いいたします」


「じゃあ行こうか」


 その開発室とやらにも兄が案内してくれるらしい。第一開発室…どうやら、私が会いたい相手とすぐに会えそうな予感です。ちなみに兄は院長補佐的な仕事と第二開発室がメインらしいです。なんでそうなったかというと、一番は身分。あの院長、ああ見えて侯爵なんだそうで…たまに権力も使うから厄介らしい。さらに兄はなんだかんだ常識があり、迷惑なことに院長からも気に入られているから比較的言うことを聞くんで補佐というか…操縦を頼まれるらしい。


 魔法院初日、まだ序盤だけど………大丈夫じゃないね、魔法院!!と心から思いました。

 ちなみにトラップは開発室の人間が趣味で設置しており、威力が悪戯程度だから放置されています。学生があると困るので暇なときに解除してます。

 トラップが増えてたのは夏休みで除去する学生たちが居なかったからです。

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