人の振り見て我が振り直せ
いちゃいちゃほのぼの回になります。ロザリンド視点です。
夏休み中、私は他の用がなければ大体毎日ディルクとお仕事をしています。宿題?3日で終わりました。未来の侯爵夫人として、領地の状況把握や農地のことなど。お仕事は多岐にわたります。
書類とにらめっこしているディルクもカッコいいです。あ、ディルクも集中が切れてきたみたい。
「ディルク、お茶にしよう」
きっちり休憩してしっかり仕事すべきだ。効率も落ちる。時間的に早めの昼食かな。勝手知ったるバートン家のキッチン。ここのシェフは気のいいおじさんで、私が来るとにこにこしながら飴をくれる。
最初はメイドさんや執事さんがお茶や軽食なんかを用意してくれたが、私がディルクのためにお茶を淹れたいとワガママを言ってからは私にさせてくれている。なんか、ほほえましい的な視線を感じるのはなんでだ。
「ちっちゃい奥様、今日はどうした?」
「ちょっと休憩です。軽食を作っても?」
「坊ちゃん大食いだからなぁ。手伝うかい?」
「あ、なら玉葱刻んでほしいです」
サンドイッチを山盛り作成し、ついでにおじさんにも手伝いのお礼におすそ分けしてディルクの所に戻る。
「ただいま」
「おかえり、ロザリンド」
そしてサンドイッチと紅茶をいただいているのですが、何故私は自分の椅子ではなくディルクの膝に抱っこされて、食べさせられているんでしょうか。いや、流されてる私も私だけど、サンドイッチと紅茶を用意したら手招きされて…流れるようにこんなことに。解せぬ。
「はいロザリンド、あーん」
「あ、あーん」
最近のディルクはとてもスキンシップが多いし、私の心臓を止めに来ている気がする。
「ディルク、最近私にベタベタしてるし甘くないですか?」
「え?うん。ちょっと自分もあんな偉そうに講釈したんだから、頑張ろうかなって。ロザリンドが可愛いから愛でられるのは仕方ないんだよ。ロザリンド、大好きだよ。ずっと抱きしめていたいぐらい」
「わ、私も大好き…」
顔を上げて目線が合うと…ディルクは蕩けそうなぐらい甘い表情で私を見ていた。あ、甘い!見るんじゃなかった!心臓が割れる!!
「坊ちゃん、いいお菓子をいただきましたので、是非お嬢様に………………………………失礼いたしました。暫くは人払いをしておきます」
「頼む」
うおおおおい!!
ノックに気づかず、執事さんが入ってしまった。執事さんは一瞬固まったが、できる執事さんなので人払いをしておくと告げ、菓子だけおいて撤退してしまった。アワアワしてるのは私だけで、ディルクは平然としていた。
どうしちゃったの、ディルク!イケメン過ぎて心臓がパーンしそうなんですが!
「ディルクがイケメン過ぎて辛い…」
「そう?」
首をかしげる癖は可愛いけどね。
「…団長とマーサさんにアドバイスをしたんだ」
「うん」
「でも、色々考えてみたら、俺ももっと頑張れるとこがあるなって思えた。ロザリンドとずっと居たいから…ずっと好きでいてもらうためにもう少し頑張ってみようと思ったんだ。それから……」
ディルクは私の口の端を舐めた。ちょ!このイケメン!エロカッコいい!舌なめずりするのがエロカッコいい!
「そうやって喜んだり照れたりするロザリンドを見てると嬉しくて…幸せ」
胸が締め付けられる。きゅんとした。いつもいつもこれ以上ないぐらい彼が好きだと思ってる。でも…それ以上に好きになる。
「…正直惚れ直しました。これ以上なんてないと思ってましたが、前よりもっと………ディルクが………すき、です」
いや、私どうした!?大好きとか、いつもさんざん言ってるよね!ディルクが自分に自信ないのを知ってたから、少なくとも私に愛されてると思うように…よく口に出すようにしていたから。な、なんで今さら恥ずかしいの!?私、おかしい!
「ロザリンド…!」
「え、今はちょ…心臓割れる!!」
ディルクに耳をはむはむチュッチュされました。
「耳はらめぇ!」
くすぐったいしゾクゾクする!首も舐めないで!
「はあ…いい匂い…」
「はわわわわわわわわ」
堂々と匂いを嗅がれるなんて、とんだ羞恥プレイだよ!嗅ぐならせめてこっそり…いや、それもどうなんだ!?
私が耐えらなくなり勘弁してと泣き出すまで、ディルクによる愛玩羞恥プレイは継続されました。
でも、なんだかんだでディルクにたくさんかまわれて………やっぱり恥ずかしいけど嬉しいのは内緒にしておきます。
結婚したら、こんな風に過ごすのかな。仕事して、いちゃいちゃして…うん。未来はきっと、幸せだと思います。
ディルクはレベルが上がった!素面でもいちゃいちゃできるようになった!
ロザリンドの愛情度が上がった!ロザリンドの幸福度が上がった!
………なんちゃって(笑)




