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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・ツンデレと日常編

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ツンデレは面倒

 転移してクリスティア王都に帰還した私達。大通りを雑談しながら歩いていたら、ルドルフさんが居ました。マーサのドレスももうすぐ完成。今回ゲットした宝石でアクセサリーも作る予定です。


「ルドルフさん、こんにちは」


「…ああ」


 ルドルフさんは、これから新婚という気配が微塵もなく、げっそりしていました。


「嬢ちゃん、すまねぇ!嬢ちゃんがお膳立てしてくれたのに…!俺、マーサに嫌われちまったァァァァ!!」


 ここは王都の大通り。人通りが多い。そんな場所で7才児に抱きついて号泣する騎士団長。なんとシュールな光景だろうか。


「私はすまないが城に戻る。カーティスはどうする?」


「ん?面倒そうな気配がするから俺も戻る。ロザリンド、頑張れ~」


「では、後で報告してくれ」


「え?ちょっと…」


 アルフィージ様は騎士達を連れて城に行ってしまった。カーティス、見捨てやがった!他の騎士さん達はオロオロしつつも仕事だからアルフィージ様についていきました。たまに団長をお願いしますとか声をかけられます。


「お嬢様、私も仕事があるんで先に帰ります。後でどうなったか教えてくださいね」


「ラビーシャちゃん!?」


 面倒そうだから逃げたな!?どーすんのよ、この号泣したおっさん!

 しかし、救い主は居た。居たが、キレていた。


「団長、いつまで俺のつがいに抱きついているんですか?」


 ニッコリ笑っているように見えて、目がマジです。逃げて!超逃げて!(ルドルフさんが)アブなぁぁい!!


「わ、悪かった!」


 慌てて私から離れるルドルフさん。ディルクから殺気をあからさまにぶつけられて、ルドルフさんも正気にかえったみたいです。


「とりあえず、場所を変えますか」


 というわけで、近かったし口も固いミス・バタフライのお店でお部屋を借りました。後でマーサもくるかも、と案内を念のため依頼しました。呼ぶかもしれないしね。


「で、何があったんです?」


 ルドルフさんは婚約してから暇があればマーサに会いに来ていた。そして隙あらばベタベタする。それにマーサがついにキレた。


「いい年をして、盛りのついた獣じゃないんですから!わたくしに触らないで!」


 そして、拒絶されてさめざめと泣くおっさん。


 ラビーシャちゃんからマーサの呪い的ツンデレを聞かされていた私には、なんとなく理由がわかった。


「ルドルフさん、通訳してあげます。マーサを呼びましょう」


 有能な私専属メイドは既にマーサを召喚してくれていました。仕事があると渋るマーサに、きちんとこなしますからと送り出したらしい。ジャッシュを代わりに寄越してほしいとお願いされ、ジャッシュ、ジェラルディンさん、ジェンド、コウ、クーリンもついでに帰宅してもらった。


「私事でお嬢様を煩わせるなど…大変申し訳ありません」


「気にしないで。普段からマーサにはお世話になりっぱなしだもん。ちょっとぐらいかまわないよ」


「…お嬢様!」


 可愛らしく笑うマーサに、ルドルフさんは何やら葛藤していた。


「可愛い…可愛いが、俺にもその笑顔を向けてほしい…!」


 とりあえずルドルフさんは無視してマーサからも話を聞いた。


 大筋は一緒だが、ルドルフさんは仕事中でもこっそりキスしてきたり、父の古い友人特権を使い、一緒にお茶をしたいと誘う。嬉しいが、仕事は仕事。それに場所を考えないルドルフさんについに爆発したとのこと。


「団長が悪い」

「ルドルフさんが悪い」


「ぐっ」


「いちゃつくのは仕事が終わってから!これ鉄則!」


「…すまない、マーサ。お前が好きすぎるのと、時間が経つほど結婚するなんて夢だったんじゃないかと不安で…」


「ルドルフ…お嬢様の前で好きすぎるとか言わないでください。何度も申し上げましたが、場所を考えてくださいませ。結婚はいたします」


「ちなみにこれは『嬉しいんだけど、お嬢様の前で言われると恥ずかしいわ。二人きりの時に言ってほしいの。夢じゃないわよ、不安にさせてごめんなさい。結婚しようね』と訳します」


 固まるルドルフさんとマーサ。


「………ずいぶん違う気が…」


 とりあえずディルクがツッコミをした。いや、多分8割はあってる。2割は盛った。


「だいたい合ってるよね?」


「…はい」


「マーサ!」


「だから場所を考えてと申し上げましたよね!?触らないで!」


 抱きつくルドルフさんをしばくマーサ。ルドルフさんは慌てて離れています。悲しげにマーサを見るので、マーサも困った表情です。


「ちなみに『だから場所を考えて!二人きりならいいのよ!今はダメ!』と言ってます」


「そうなのか!」


「…はい」


 否定しないマーサ。なんか触りたそうなルドルフさん。


「とりあえず、ルドルフさんは二人きりになったらイチャイチャするように」


「おう!」


「マーサは、少しずつでいいからちゃんと言葉や態度に出してね。私ですらディルクを超好き大好き愛してる…といい続けたにもかかわらず、信じてくれるまでに年単位かかってるから!努力して!」


「はい!」


 とりあえず、その後解散になりました。





 数日後


「お嬢様!私はついにやりましたわ!」


 マーサは自分から手を繋げたと喜んでました。ルドルフさんからものろけられました。ま、まぁ、人それぞれのペースでいいんじゃないかな?しかし、マーサはともかくルドルフさんまで私に報告するのはやめてほしい。閨事情までは知りたくありません。



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