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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・ドラゴンとヒーロー編

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モテ期?いや、違う。

「待ち人様、この火山林檎はこの山特産でとても美味なのですよ」


「待ち人様、お刺身とやらがお好きなのですよね!」


「待ち人様、お会いできて光栄です。このジュエルベリーはとても美味しいですよ」


「待ち人様、この宝石などお似合いかと」


 でっかい火の精霊王とちっさい水・風・地の精霊王の分身にモテています。あの、貢がなくていいですから。


「ナビィ君…どーゆーことなわけ?」


 とりあえず冷静なナビィ君に確認したところ、精霊王は救世の聖女に任命された精霊で、救世の聖女の加護精霊なのだそうです。彼らにもこと姉ちゃんは私の事をよく話していたらしく、もはや記憶がないぐらい昔にあったきりだった親戚状態の精霊王達。ねだればなんでも買い与える親戚のおじさん状態でもあります。貢がんでいい。


 火の精霊王が連絡したら、皆すぐ来てしまい、それぞれ精霊王の心をくれちゃいまして、今ちび精霊王が大集合なわけです。


「お姉ちゃんには僕が加護をあげてるんだから、おとーさん達はベタベタしないで!」


「そうだよ!クーリン達のお姉ちゃんなんだから!」


 強い精霊の気配を察知したらしく、コウとクーリンが心配して来てくれました。さらに私を庇うように前に出ます。頼もしいです。


「しかし、我らも待ち人様をずっとお待ちしていたのだ!少しぐらいよいだろう!」


「「ダメ!」」


 うん、うちの子可愛い。ダメいただきました。いや、正直よく知らない人に貢がれるのも嫌だし…それに…


「すいません、うちのつがいがそろそろ暴れそうなんで勘弁してください」


 ディルクが暴れるのは時間の問題です。先程から私の隣に居たのですが、目が笑ってない。特に、火と地が男性なので、さっきから隣で尻尾がてしーん、てしーんと怒りのリズムを刻んでいます。


「…まだ暴れないよ」


 いずれ暴れると言ってるじゃないか。怒りを少しでも鎮めるためと、焼きもちが嬉しくてディルクにひっついた。


「まあ、精霊王の心もいただきましたから、今後またゆっくりお話しましょうよ」


 そう言うと、納得してくれたようで帰ってくれました。いや、魔と繋がっていたと聞いて、精霊王全部に至急会わないとかな~と思っていたから、そこは良かった。


 しかし、不機嫌なマイダーリンをどうしよう。そして、コウとクーリンが地味に膝を取り合っている。見た目は可愛い金魚とミニドラゴンがてしてしやりあっているのだが、真の姿を考えると実は怪獣大決戦だったり。どっちも撫でたら半分こで落ち着いたらしい。可愛い。うちの子可愛い。


 そして肩にもふ丸。当然可愛い。背後に完全獣化したディルク。拗ねてても可愛い。さりげなく尻尾が甘えているのが世界一可愛い。奇跡的に可愛い。


 動けないが幸せな私。幸せはここにありました。

 ディルクによりかかり、ふかふかぽんぽん背もたれをもふりつつ、コウのすべすべとクーリンのヒンヤリを堪能しつつ、もふ丸がたまにスリスリしてくる。完璧である。


「ねえ、おれいしたい」


「ありがとう」


 私がさんざんビビらせた火の精霊が寄ってきたが、私はツンとそっぽを向いた。


「怒ってる?」


「怒ってる…」


「なんで?」


 戸惑う火の精霊たち。なんでって?そんなのは決まっている。さんざん私にビビらされたがきちんとお礼しようという心がけに免じて、理由を教えてやった。


「うちの子にイジワルする子は嫌いだから、お話ししません」


「!!」


「あ!」


「そっか!」


 火の精霊たちがコウに謝った。根っこは素直。基本火の精霊は単純明快だ。


「ごめんね」


「許して」


「イジワル、ごめんね。君はわるくないのに」


「うん、気にしてないよ」


 コウはニッコリ笑った。うちの子は天使ですね。火の精霊たちはまた聞いてきた。


「おれいしたい」


「お願いない?」


「じゃあ……」


 レイデ火山の素材をお願いしました。話を聞いていた火の精霊王がとんでもないレア素材を持ってきてしまい、受け取れない、いや君のものだとやりとりをしまくり、結局負けました。 火の精霊たちもたくさん採ってきてくれました。後で賢者にも分けてやろう。これでヒューの最強武器もつくれますね。


 アルフィージ様と話し合い、今日は騎士達も一緒にバーベキューをしてから帰還となったのですが…


「ナイト・ヴァルキリー様かっこよかったよな」


「まさに、英雄(ヒーロー)!」


「また会えねえかな…」


 ちら、と隣のディルクを見た。これ以上ないくらい赤面しています。


「もうナイト・ヴァルキリーにはならない……」


「あはは…」


「え?面白かったぜ?」


「絶対ならない!」


 ディルクは涙目で宣言してました。私にも黒歴史(ロザリンリン)があるだけに、気持ちが痛いほどわかります。


「ええと、まあ尊敬されてるみたいだし…」


「恥ずかしい…」


 恥ずかしがるディルク、可愛かったです。


 ちなみに、肉じゃがとステーキ食い放題にしてあげました。相当な量を作ったのですが、カーティスとジェラルディンさんは完食しました。どこにあんなに入るんだろう。特にカーティス。


 こうして、レイデ火山での用事は終了したのでした。

 現在300話記念企画を実施しております。詳しくは活動報告を見てください。期限は300話達成までです。

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