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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・ドラゴンとヒーロー編

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繋がっていたもの

 私、ロザリンド!王立魔法学校の1年生!


 普通の公爵令嬢なんだけど、ある日魔法少女ロザリンリンになっちゃった☆


 パートナーのもふ丸と一緒に、悪いやつは撲殺しちゃうゾ☆



「…という設定でした」


「とりあえず、わけがわからない」


 アルフィージ様からまっとうなツッコミ頂きました。


 とりあえず、いったん火の精霊王の神殿に戻った私達。事情をちゃんと説明しろ責任者と、正座させられている私です。なんで私が責任者?私、一応公爵令嬢だよ?


「アルジノゲンジツトウヒダ」


「…よくわかった」


 実はマスコット役として肩に居たもふ丸が、一言でアルフィージ様を納得させました。しかし、身も蓋もない!


「私だってやりたくてやったわけではないんですよ!愛するディルクと可愛い従弟におねだりされて…!もう開き直った結果があれ!」


「ロザリンド嬢は身内に弱いな」


「否定できないぃ…!はずか死ぬ!生き恥だぁぁ…!」


 のたうち回る私。生温か~く見守るアルフィージ様。私につぶされないよう避難するもふ丸。


「ちなみにウルファネア戦隊やナイト・ヴァルキリーは」


「私が作りました。ウルファネア戦隊には魔力を消費して身体強化スーツになる魔具を使ったんですよ。応用すれば武器にもなります。ディルクのナイト・ヴァルキリーは武器の指輪の応用です」


「なるほど」


 そんなわりとどうでもいい会話をしていたら、ジェンドが泣きながら飛びこんできた。


「お姉ちゃん、おにーちゃんを止めて!おにーちゃんが死んじゃうよぉぉ!!」


「ジェンド!泣くのは後!よくわかんないけど止めるから、行くよ!」


「うん!」


 身体強化してジェンドを担いで移動した。


「ちょ!?待っ!?」


 アルフィージ様をあっという間に置き去りにしたが、近くでカーティスが護衛してるし大丈夫でしょう。


 ジェンドに方向を指示してもらい、到着すると、土下座する従者と困りきった精霊王&ドラゴンが居た。すごいシュールだね。ジェンドを担いで走ってる間に簡単な状況は教えて貰った。くそ真面目なジャッシュがコウを殺しかけた話をして、殺すなりなんなり好きにしてほしいと言ったそうな。


「私がしたことは許されないことです。理由があったとはいえ…」


「だーかーらー、僕はもうそれはいいって言ってるでしょ!おかげでお姉ちゃんに会えたし、幸せなんだから!」


 コウがそう言うが、ジャッシュは頭を下げたまま動かない。


「すいません、できたらお二人を助けたことでチャラになりませんか?」


「…お嬢様」


 ジャッシュは痛みをこらえるような表情だ。


「いや、息子が殺気を察知できなかったのが悪いもの。報復なんてしないわよ。本人も気にしてないみたいだし」


 マリアさんいわく、ドラゴンは種族にもよるが殺されても殺された本人が弱いのが悪いという認識らしい。ただし、人質など汚い手段での場合は報復もありえるそうな。種族による価値観の違いってやつですね。


「…ジャッシュもおしりペンペンされとく?」


「!?」


「ジャッシュ、私はうちの子を泣かす奴は泣かしますよ?」


「も、申し訳ありませんでした!償いは違う方法でいたします!」


 私の本気を感じ取ったジャッシュは、私に土下座した。


「よろしい。とりあえず、今日は体力尽きるまで全力で子供達と遊びなさい。コウ、ジェンド、全力で遊んであげなさい」


「「はーい」」


 我が家のよい子達はジャッシュの手をとり走り去りました。



「さて、聖女よ」


「ロザリンドです」


「…ふふ」


 火の精霊王が聖女とかいうから反射的につっこんだら笑われた。


「どうかしたんですか?」


 別におかしなことを言ったわけでもないだろう。私は首をかしげた。


「すまぬな。古い知り合いによく似た反応だったゆえ」


 火の精霊王はとても穏やかな瞳をしていた。


「ところで、なんで魔に憑かれちゃったんですか?」


 火の精霊王は噂でコウが無理矢理私に捕まり、奴隷のように酷い扱いを受けていると聞いたらしい。その際に負の感情に魔が反応したとのこと。


「でも、魔の本体はウルファネアに居ますよね?水の精霊王にしても、どこから来たんだろ」


「ああ、魔…とロザリンドは呼んでいたか。あれと我らは繋がっているのだ」


「え?」


 火の精霊王に詳しく説明を求めたところ、救世の聖女が施した封印は二つ。銀狼族の魂への封印と、精霊王の封印。ユグドラシルが大地の魔力を吸い上げ、一部を精霊王達に回して封印を強化して……………待て。一部のユグドラシルが休止したよね?


 まさか…


「あ、あの…ユグドラシルの一部が休止しましたよね?」


「ああ。そのせいもあって一時的に封印が綻んだ。それも我々が憑かれた要因の一つだな」


 ジャッシュには隠し通そう!自殺しかねない!!


 私が頭を抱えていると、隠れ家の鍵が点滅しだした。


「ナビィ君、どうしたの?」


 鍵に魔力をこめ、ナビィ君を出してやる。この辺りに遺跡はないはずだ。


「久しいな、ポンコツ」


否定(ネガティブ)。私ハ管理AIデス。故障モナク、ポンコツデハアリマセン」


「我らの主の持ち物を守っていたのではないのか?」


肯定(ポジティブ)。今ハ待チ人様ノモノデス」


「待ち人だと!?」


肯定(ポジティブ)


「待ち人…まさか…貴女様が待ち人様!?」


「え…あ…正確には私の贈り人がですが…」


「ああ…!ようやく会えた…!お待ちしていました!ずっとずっと…!」


 火の精霊王がひざまずき、号泣している。


「え…あの…」


 マリアさんも、多分ナビィ君もほっこりしている感じだが、私だけがついていけてない。


 ナビィ君にポンコツ呼ばわりして悪かったと何度も巨大な精霊王が小さなナビィ君に謝るのはシュールな光景でした。

 長くなりそうなんで切ります。

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