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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・ドラゴンとヒーロー編

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新ヒーローの舞台裏

 時間は遡り、ジャッシュ達のもとへ合流する途中、とりあえず私は変身してみたのだが………


「ディルク、正直な感想を述べよ」


「…………正直な?」


「オブラートなし。正直な感想。」


「………………微妙。なんか可愛い」


 そう、微妙。ちっこいナイト・ヴァルキリーは…正直かっこよくない。身長が足らない。かといって、上げ底は危険だ。バランスが悪く、戦闘に向かない。



「あ、私である必要はないのか。ディルク、かっこよくしてあげるよ!」


「俺!?ジェンドはロザリンドに言ってたでしょ!?」


「英雄譚、好きでしょ?たまにはやってみなよ!」


 というわけで、ナイト・ヴァルキリー完成版。ディルクの指輪はイメージ的に黒が多いが、私がイメージしたので白銀のロボット風。外装は着脱可。ディルクはスタイルも姿勢もいいから、文句なしにカッコいい。


「うん、カッコいい!文句ない!」


「わあ、ディルクお兄ちゃんカッコいいよ!」


 私もコウも満足な出来ばえです。


「そ、そうかな」


「そのままだと声でバレちゃうから、低めに喋ってね」


「わかった」


「後は…登場時の決め台詞ですね!!」


「それ必要!?」


「「必要!!」」


「あはははははは!」


 声がピッタリな私達に、マリアさんが爆笑してました。


「だ、断罪の」


「もっと自信ありげに!」


「断罪の…」


「恥ずかしがったらダメだよ、ディルクお兄ちゃん!」


「さあ、断罪の」


「「地声になってる!」」


 私とコウの熱血指導をうけたナイト・ヴァルキリーことディルク。そして、本番。


「さあ…断罪の時間だ。神の加護を受けし戦士、ナイト・ヴァルキリー降臨!!」


 なんだかんだでディルクもノリノリですね。ちなみに私は隠蔽(ステルス)消音(サイレント)、それに(ウォーター)(ベール)で匂いも消して隠れてます。



『うおおおおおおお』



 いまだかつてない騎士達の盛り上がりに、ディルクは地味にビビっていた。ディルクとはイヤリング魔具で会話しているので、他には聞こえていません。


「あ、あの…本当にいいのかな…だ、騙したことにならない?」


「なりませんよ。ディルク以上の騎士を私は知りません。ディルクほど優しくて高潔な騎士はいません。ディルクは私のヒーローです」


「ロザリンド…」


「さあ、魔物をやっつけちゃいましょう!」


「そうだね!」


 ディルクの指輪でバズーカを作り、私の魔力と共鳴させた結果が………


「威力がすげー」


 我ながらドン引きの威力でした。しかも、やっぱ同じ天啓があっても動体視力なのかセンス的なナニかなのかはわからないけど、ディルクは着実に多数の魔物を仕留めていく。私なら、もっと無駄撃ちするに違いない。


 あっという間に魔物を殲滅してしまった。ちょっとマリアさんから苦情が…ほ、他にもまだ魔物いるし、大丈夫!すいませんでした!


「ディルク、手を振って」


「こう?」


 ディルクの手に合わせて魔法を使った。騎士さん達は、魔法も使えんの?ナイト・ヴァルキリー様超スゲエ…と言わんばかりのキラッキラした視線を向けてきました。



「罪悪感が…!スゴいのはロザリンドであって俺じゃないのに!」


「はっはっは。ディルクの物はディルクの物。私の物もディルクの物」


「なにそれ!?」


「ジャ○アンという(ある意味)偉人が残した格言を引用しました。正確にはお前の物は俺の物、俺の物も俺の物といいまして、それはジャ○アニズムとも言われます」


「それただのワガママじゃないの!?」


「正解!」


「正解なの!?」


「大丈夫です。最強鬼婆(かあちゃん)にシメられるというお約束付きです!」


「ジャ○アアアン!?それ本当に大丈夫なの!?」


 とりあえず、ディルクの気をそらせました。大丈夫ですよ。悪がきがシメられただけだもん。ディルクはやはり優しいです。







 そして、ナイト・ヴァルキリーは大人気でした。


『ナイト・ヴァルキリー様万歳!!』


『ナイト・ヴァルキリー様最高!!』


『ナイト・ヴァルキリー様ぁぁぁぁ!!』


 ナイト・ヴァルキリーは騎士さん達から熱狂的な声援を受けました。ドラゴンが飛び立ち、ナイト・ヴァルキリーがディルクだとばらしたわけですが、ディルクが遠い目をしていました。


「ロザリンド、今までごめん」


「はい?」


「ロザリンドは今まで聖女とか崇められたり、下僕志願されたり、よくわからない称号をつけられるのを嫌がっていたけど」


「………はい」


「俺、される側になってわかった。キツい。なんか精神的にキツい!凡人には耐えられない!」


『ディルクは凡人ではないと思う』


 総員からツッコミがきました。ジェラルディンさんからもとかすごくない?


「なんで!?」


「…俺(英雄)と同格の実力者が凡人なら、皆凡人以下になるだろう」


「…う」


「頭もすごく良いですよね。かなり前から侯爵夫人教育受けてる私にもう追いつきそうです。ディルクが凡人なら、私が無能になりますが」


『それはない』


 いや、私は知識チートというアドバンテージがあるだけで、凡人だと…よくて秀才だと思ってます………あの、皆さん何言ってんだコイツ的な目線は止めようか!冷たい視線が私を苛む!


「僕はヒーローになったカッコいいロザリンドが見たかったのに」


 ジェンドが拗ねたご様子です。


「ジェンド、勘違いしてはいけません。ナイト・ヴァルキリーは二人で一人の仮面ライ………………ヒーローです」


「え?」


「あのバズーカ…武器は私とディルクの複合魔法ですし、ディルクをプロデュースしつつ、黒子の如くこっそりフォローしていました。つまり、ナイト・ヴァルキリーは私とディルクが協力しなければ生まれなかった。二人で一人のヒーローなのです!」


「…なんかカッコいい!いいなぁ……」


「そうだな………カッコいい」


「ひーろーだっけ?カッコいいよね」


 ちみっこ3人…ジェンド・オルド・コウ(身体はおっきい)もヒーローが好きみたいですね。


 さて、急いで残りの魔物を倒さなきゃね!

 お次は腹黒チームの戦いです。くだらないネタを引っ張ってすいませんでした。


 たまにはディルクも目立っていいと思うんですよね(笑)



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