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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・ドラゴンとヒーロー編

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ヒーローの素顔

 腹黒チームはクーリンに乗ってもらい、獣人チームは転移させた。私たちは上空から魔物が多いところを探す。


 ジャッシュが魔物寄せでも使ったのか、村の手前に魔物が大挙している。このままでは村も危険だ。

 ジャッシュ達に連絡をとろうと通信魔具を起動したら、声が聞こえてきました。


『はははははは!正義の使者、ウルファネアマスク参上!!』


「…楽しそうだね、ジェラルディンさん」


「…うん」


 なんだか脱力した。そしてジェラルディンさんが士気を上げたらしく、騎士達の活気ある声が聞こえてきた。行かなくても大丈夫な気はしなくもないが、少しでも魔物が村にたどり着いてはまずい。


『もう温存は不要ですね…影に生きるは我が運命さだめ…愚か者に裁きを与えん!ウルファネアシャドウ!』


「ジャッシュも楽しそうだね」


「うん」


『あれ?これチカチカしてる』


「ジェンドかな?」


『うん。お姉ちゃ…ロザリンド?』


「そうそう。そっちに1番魔物が来てるから、行くね。ドラゴンは味方だって言っといて」


『はーい。スゴいんだよ!おとーさんとおにーちゃん!カッコいいんだよ!』


「よかったねー」


 ジェンドには好評なようです。完全に他人事と油断していました。





『ロザリンドは変身しないの?』




 どうしてそうなった。しないよ。私は公爵令嬢だよ。変身しないのよ。


「しない」


「即答だね」


『えー?ロザリンドならできるでしょ?』


 できるかできないかで言われると…………


「できなくは、ない」


………が、したくはない。


『お願い、お姉ちゃん』


 可愛い従弟に可愛くおねだりされてしまいました。その結果が………




「さあ…断罪の時間だ。神の加護を受けし戦士、ナイト・ヴァルキリー降臨!!」




 そう、白銀に輝くニューヒーロー!ヴァルキリーをやや細身にしたフォルムに、青いマント。騎士の甲冑を意識して、なかなかにカッコいいできばえとなったナイト・ヴァルキリーである!


『うおおおおおおお』


 いまだかつてない盛り上がりを見せる騎士さん達。ナイト・ヴァルキリー、大人気です。なんというか、ディルクもだったけどヒーローへの憧れが騎士さんって強いのかも。ウルファネア市民の皆様より、なんというか…熱気が正直ドン引くレベルである。ガタイのいい男性のスーパーハイテンション怖い!


 マリアさんとコウは騎士さんもブッ飛ばさないようにちょっと離れた位置で戦うよう指示を出した。なんかドラゴン流の戦いかたを教わってました。


 ナイト・ヴァルキリーは今回殲滅目的なんでバズーカ装備。次々と魔物を仕留めていく。いや、魔物が次々と凍っていきます。後で肉にしよう。今夜は肉祭りだね。食えないやつもいるけど。ちなみに魔物はいわゆるエレメント系、ジュエル系、ゴーレム系が食べられない。熊や猪や狼のデカイ版や植物系が食べられます。我ながら、魔物を食える食えないで見るようになったのは問題な気がしなくもない。うん、まあ…仕方ないよ!


 あらかた魔物を片付けて、騎士さん達全体に治癒魔法をかけ、腹黒チームに合流しようとした。


「まだ魔物は残っている!皆はこのまま村を警護せよ」


 そう言ったのだが…


「お願いします!我々もナイト・ヴァルキリー様と共に戦わせてください!」


 いや、ドラゴンに乗るのってコツがいるし、マリアさんは特にスリリングだし、この人数は多分乗れないよ?


「…さ、様?と、とにかく!街道や他の町、村に危害が及ぶやもしれない。我々はドラゴンと共に行く。警護も重要な任務だ。村を頼む」


 ナイト・ヴァルキリーがそうお願いしたら、予想外に騎士さん達のテンションが上がった。


『うおおおおおおお!!』


『わかりました!任せてください!!』


『ナイト・ヴァルキリー様万歳!!』


『ナイト・ヴァルキリー様最高!!』


『ナイト・ヴァルキリー様ぁぁぁぁ!!』



 なんというか………ウルファネアでのロッザリンドォォなノリを思いだし、私は大変微妙な気分になりました。


 コウの背中に乗って、腹黒チームと合流することになりました。


「ロザリンド、かっこよかったね!」


「ああ…かっこよかった」


 ナイト・ヴァルキリーは困ったように首をかしげ…ヘルメット状の頭部を外した。


「えーと…………ごめん」





「は?」


「え?」


「む?」


「おや」


 呆然とする皆。ヘルメットを外したナイト・ヴァルキリーの正体は、サラサラの黒髪と素敵なお耳のマイダーリン、ディルク様でした。

 最近悪役令嬢が迷子ですとコメントしましたら、その茶目っ気爆弾のせいじゃね?という御意見があり、納得しました。


 だからか。


 ちゃんとこのお話のオチは考えてあります。茶目っ気爆弾はたびたび発動しますが、生暖かい目で見ていただけると嬉しいです。

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