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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・ドラゴンとヒーロー編

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憧れの存在(ヒーロー)

 モブ騎士視点になります。

 小さい頃、英雄譚が好きだった。特に騎士がお姫様を救うやつ。そんな騎士に憧れて、頑張って騎士になったけど現実は違った。


 実際の騎士の仕事は地味なもんだし、頑張ってても文句しか言われないこともある。つまらない人生。そんな人生が、終わろうとしている。






 ひしめく魔物の群れ。先頭で戦うのは、騎士じゃなくてよく庶務で手伝いをしていた獣人だ。あんなに強かったなんて知らなかった。必死で剣を振る。振って、倒すがキリがない。


 死ぬ。


 力尽きたら死ぬ。


 倒しても倒しても減らない魔物に、死が現実味をおびてきた。死の恐怖に発狂しそうになった時、それは現れた。いや、現れてくれた。


「はははははは!正義の使者、ウルファネアマスク参上!!」


 それは、圧倒的な存在だった。鍛え上げられた肉体に、狼の仮面をつけた威厳溢れる男だ。現金なもので、助かるという歓喜が沸き上がる。いや、それだけじゃない。


 胸が熱い。ああ、これだ。俺はこれに憧れていたのだ。




英雄(ヒーロー)




 圧倒的な力で魔物を倒すウルファネアマスクは、正しく英雄(ヒーロー)と言えた。カッコいい。つまらない…つまらなかった毎日に光がさしたようだ。見れば、周りの皆もウルファネアマスクの側で戦う少年のように瞳を輝かせていた。


「ウルファネアマスクに続け!」


『おおー!』


 絶望しかけていた皆が、士気を取り戻した。


「影に生きるは我が運命(さだめ)…愚か者に裁きを与えん!ウルファネアシャドウ!」


 うおお!?更に英雄(ヒーロー)が現れた!ウルファネアマスクに比べたら地味だが、これもカッコいい!あの決め台詞いいな!






 しかし、彼らは前座にすぎなかった。それは、空からやってきた。まず、ドラゴンに気がついた。ドラゴンには先程襲われ、皆絶望しかけたが、ウルファネアマスクとシャドウが味方だ!と叫んだ。


 それは、ドラゴンすらも従えていた。


 全身甲冑に似たようで…全く違う形状。白銀の輝きを持ち、見たことのない武器を持っていた。



 それは圧倒的な力で魔物を吹き飛ばし、皆に希望と憧れを与えてくれた。




「さあ…断罪の時間だ。神の加護を受けし戦士、ナイト・ヴァルキリー降臨!!」




『うおおおおおおお』



 いまだかつてない盛り上がりだった。ナイト・ヴァルキリー様の従えた2体の

ドラゴンも次々と魔物を仕留めていく。さらには武器だ。魔物はナイト・ヴァルキリーがほとんど殲滅してしまった。しかも、手を一振りすると…疲労も怪我も治っていた。奇跡としか言いようがない。


「まだ魔物は残っている!皆はこのまま村を警護せよ」


「お願いします!我々もナイト・ヴァルキリー様と共に戦わせてください!」


「…さ、様?と、とにかく!街道や他の町、村に危害が及ぶやもしれない。我々はドラゴンと共に行く。警護も重要な任務だ。村を頼む」


『うおおおおおおお!!』


『わかりました!任せてください!!』


『ナイト・ヴァルキリー様万歳!!』


『ナイト・ヴァルキリー様最高!!』


『ナイト・ヴァルキリー様ぁぁぁぁ!!』


 そして、騎士団でナイト・ヴァルキリー様は大人気となった。友人がウルファネアの子供向け玩具でヴァルキリーフィギュアなるものを買っていた。ナイト・ヴァルキリー様によく似ていて…騎士団内で大人気となったのは言うまでもない。


 俺の部屋にもヴァルキリーフィギュアはある。少しでもナイト・ヴァルキリー様に似せるため、マントや武器を自作した。同僚に強奪されそうになったが、死守した。



 いつかまた、会えるといいな……ナイト・ヴァルキリー様。

 私の茶目っ気爆弾が作動しました。後悔はしていません。

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