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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・ラブラブデート編

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帰宅

 今日、私はクリスティアに帰還します。


「シーダ君…兄を、うちの兄をくれぐれもよろしくお願いいたします!」


 私は土下座する勢いでシーダ君に兄のことをお願いしました。兄は研究があるとかでもうしばらくウルファネアに残るらしいのです。マーサの結婚式までには戻るとのこと。


「借りがでかすぎるからな。ちょっとずつ返すつもりでいるから、ルーの面倒ぐらいいくらでも見てやるさ」


「シーダ君イケメン!仕方ないからミルフィとのお付き合いを認めます!」


「認めてなかったのか!?」


 そんなショートコントをしていたら、シーダ君の背後で爆発音がしました。


「…ロザリンド、元気でな。新学期にまた会おう。バカどもは任せとけ」


 爽やかに笑顔でキレたシーダ君。爆発音に向かって怒鳴りながら駆けていきました。


「今度は何をやらかした!!この3馬鹿がぁぁぁ!!」


 シーダ君…ウルファネアの平和は君にかかっています。遠い目でシーダ君を拝む私。



「世話になったな。また遊びにおいで」


「本当に、本当に、本っ当にありがとうございました!!」


 オスカルさんに頭を撫でられ、アンドレさんに頭を下げられまくりました。彼方さんとシュシュさんはまだ蜜月中。頑張れと伝言をお願いしました。


「また来ますね」


 レオールさん達やディルクのお祖父様達にご挨拶をして…ウルファネア王族は忙しいの知ってますから仕事しろと見送り禁止にして、クリスティアに帰還しました。






「ロザリンド、また明日」


 ローゼンベルク邸でディルクと別れるのですが、ばいばいではなくまたねと言ってくれるディルクに胸キュンしました。


「我々は先に行きますね」


「お嬢様、ごゆっくりー」


 察しがいいうちの専属メイドと従僕が、そそくさと察しが悪い従僕を引きずっています。


「なんで俺は引っ張られているんだ?」


「「邪魔だからです」」


 君たちよ、ジェラルディンさんの扱いが本当にひどくないか?まぁいいけど。


「えと…うん。また明日」


 にっこり笑って行こうとするディルク………ち、ちょっとだけ!やっぱり離れがたくてディルクに抱きついた。


「ロザリンド?」


「充電してるので、待って…」


「…俺、ロザリンドを寂しがらせたくないけど、俺と離れたがらないロザリンドを見ると可愛いし嬉しい。明日を楽しみに待ってますよ、可愛い俺のお嫁さん」


 チュッとキスをして、私がびっくりした隙にディルクは行ってしまった。


 へたりこみ、ディルクの背中を見つめる。か、かっこよすぎる!いつの間にこんな技を…!悶えていたら、家にはいったはずのラビーシャちゃんにからかわれた。


「きゃああ!ときめきますね!萌えますね!去り際チューなんて、ディルクさんカッコいい!」


「同感だけど、いつから居たの!?」


「え?荷物おいたらすぐ戻ってきましたから、お嬢様が抱きついた「忘れてぇぇ!!」」


「いや、次の専属メイドは見たのネタに「主人のプライバシーを売るなぁぁぁ!!」」


 ラビーシャちゃんとそんなくだらないやり取りをしつつ、ようやく帰宅しました。




「ただいまー」


「おかえりなさいませ、お嬢様」


「おかえり、ロザリンドちゃん」


「おかえりなさい、お姉ちゃん」


「おねーちゃん!」


「おかえり、お嬢様」


「おかえり、ロザリンド」


 マーサ、母…みんなからおかえりと言われると、帰ってきたなぁと思います。


「あれ?父様?」


 父が帰宅するにはまだ早い時間です。


「お嬢様が帰るからって仕事片付けたんですよ、全力で。おかげで早くあがれました。恐るべし、親馬鹿力」


 女子力みたく言わないでほしいですが、アークが説明してくれました。


「…父様…」


「…出迎えがしたかった」


 父デレた!そういやしてほしいことがありましたよ。


「とうさ…じゃなかった、パパ抱っこ!」


「……………………」


 父がフリーズしました。あ、懐かしいな。昔同じ光景を見たわ。


「……………ぶはっ」


 うん、父。固まってもいいけど息はしようか。深呼吸、深呼吸。


「だ、だだだだだ抱っこか?」


 動揺しすぎではないでしょうか。甘える私がレアすぎるせいか?


「高い高いをしてほしいのです」


「よし、任せろ!腱鞘炎になるまでしてやる!」


「いや、普通に何回かして欲しいだけ…」


 そんな苦行を強いたいわけではないです。父は軽々と私を持ち上げました。はわ、高い!しかも父は回転させたりなかなか上手い。


「あはは、パパ大好き」


 父がまた静止しました。あれ?父?


「…く…なんという幸せ……」


 あ、喜んでたのね?私はあんまり甘えたことないしなぁ…子供らしくなくてごめんね、父よ。


 ふと背後に視線を感じると、列ができていた。


「マリーも高い高いしてー、パパさん!」


「え、えと…ボクもお願いします」


「…………………(ぺこり)」


「僕も僕も!」


 子供達も高い高いをご希望みたいです。


「パパ…じゃなかった、父様、皆にもしてあげて」


「…家ではパパと呼びなさい」


「…は、はい」


 子供に囲まれて幸せそうな父。あんなわかりやすく笑うのは珍しい。


「ロザリンドちゃん、ママともぎゅー」


「ぎゅー」


 母はいい匂いがします。


「パパ幸せそうね」


「ですねぇ」


「ママも幸せです」


「私も幸せです。ママもパパも…皆大好き!」


 行列ができる父は宣言通り腱鞘炎になりましたが、幸せそうなのでいいことにしました。ちなみに魔法でさっさと治してあげました。

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ユハズ先生も絵が綺麗なので必見ですよ!!悪なりコミカライズ、スタート!! 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!コミカライズのリンクはこちら!」 小説二巻、発売中です。書き下ろしもありますよー 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!二巻のリンクはこちら!」
― 新着の感想 ―
[良い点] まだ読み返し中ですが、主人公にありがちな、愛されに関する卑屈なまでの謙遜さがなく、全力で愛し愛されて前向きなところが良いです。 [気になる点] 登場人物多すぎて、人柄と名前とかが把握できず…
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