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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・ラブラブデート編

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デートと邪魔

 後はお揃いのリボンを買うだけなのだが、お店の外見がぼろっちいのが気になった私。ゴーレム作る術…応用したら綺麗にならないかしら。


「あの、試しにお店に魔法使ってみていいですか?外観だけちょいちょいっといじりたいんです」


「え?いいわよ」


 リスのおばさまから許可もいただいたし、レッツ実験!私のイメージはミスバタフライのお店よりちょっとおとなしめの少女チックなクリスティア風ブティック。


『創造の翼よ、羽ばたけ』


 あ、れ?イメージ通りのお店ですね…ドアを開くとカランカランと軽快なベル音。うん…私すげーな!ま、窓もちゃんと開くし鍵もかかるし、シャッターついてるよ!もともとはウルファネアテイストのお店が…原型ないな!冷や汗が止まらないよ!リスのおばさま…リーネさんも固まってるし、リスの少年…リリアス君も固まっている。ディルクもびっくりしてる。


「素敵!素敵だわ、お嬢様!ありがとう、ありがとうございます!!」


 一番最初に硬直がとけたリーネさんがキラキラしながらお礼をいってきた。


「あ、ありがとう…」


「いえいえ。あ、お礼なら、私達の色をイメージした揃いのリボンが欲しいです」


「任せてちょうだい!最高のものを作るわ!」


 リーネさんは青・紫・黒の繊細なグラデーションカラーのリボンを持ってきた。


「わぁ…」


 一目で気に入り、互いの手首に結んだ。


「ふふふ」


 ディルクもごきげんです。


「ところで、このお店って嫌がらせされてます?」


「そうなんだよ!あのカエル野郎!」


 どうやら商売敵であるこの店に嫌がらせをしているらしい。


「ふむ…」


 一応リーネさんに断ってからお店に呪いをかけました。





「ディルク、あーん」


「ろ、ロザリンド…あむ…幸せ…」


 ディルクさん、ディルクさん?心の声が出てますよ?さっきまでリーネさんと盛り上がっちゃってごめんね。でもデートは始まったばかり。今はリーネさんがデートにオススメだというカフェでいちゃいちゃしつつケーキを食べてます。このお店にはカップルシートなるお席がありまして、ディルクとひっつきながらスイーツを堪能しているわけです。


「ディルク、私にも!」


「あ、あーん」


「おいしい!えへへ」


「ロザリンド、その服も可愛いね…髪型も…おだんごだっけ?」


 リーネさんにサービスだと髪をおだんごに結われて花飾りで飾っていただきました。


「ディルクもよく似合ってますよ。すっごくカッコいいです。さっきまで着ていた服も似合ってましたけど、やっぱりディルクにはウルファネアの服が似合いますね」


 ディルクは照れながら穏やかに笑ってくれた。


「あ、ありがとう。ロザリンドにカッコいいって言われると嬉しいな。そういえば、さっきまで着ていた服はジャッシュさんが用意したやつなんだ。ロザリンドが喜ぶから着てくれって。髪もついでに整えてくれたんだ」


 後でジャッシュを誉めておこう。いい仕事をしてくれました。


 喫茶店を出ると、またしてもカエルと愉快な仲間達がお外におりました。


「…こんにちは?」


「さっきはよくもやってくれたな!」


「私は助けを呼んだだけで、さっきはなにもしてないです」


「…………」


「……………」


 しん、と静かになりました。まぁ、あのウルファネアマスクとシャドウはジェラルディンさんとジャッシュが今日の護衛だったんだけど、正体がばれると厄介だからと彼らが多分魔具を使いたかったため誕生しました。だから厳密に言えば私のせいかもしれませんが、言わなきゃばれません。


「ちなみになんで捕まらなかったんですか?」


「保釈金支払ったんだよ」


 ごろつきが答えた。あ、あれ私に豹柄が似合わない反応したオッサンだ。


「バカ、言うな!」


 カエルがオッサンを黙らせた。なるほど。納得した。しかし相手にしたくないので、私は叫んだ。やっぱりやや棒読みなのはご愛嬌である。


「きゃー!ウルファネアマスク!ウルファネアシャドウ!助けてぇ!」


「わははははは!とう!」


「………影に情けなし。覚悟」


 カエル達はまたしてもウルファネアマスク&シャドウによって捕縛されました。パフォーマンス…というか戦いかたが派手なウルファネアマスクが人気ですね。ウルファネアシャドウはしょんぼりしています。


「ありがとう、ウルファネアシャドウ」


「…お嬢様…」


「主よ、俺にはないのか?」


 あんたは声援をいただいてただろうに。


「ない。周囲に破損なんかの被害がないのはウルファネアシャドウのおかげだし、他の人の声援があるからいいじゃない」


「きゅーん…」


 こ、こら!いい年したオッサンが耳と尻尾をしんなりさせて悲しげに鳴くんじゃありません!わ、私には効かないんだから!


「きゅーん…くーん」


 き、効かない…


「…ありがとう、ウルファネアマスク。素晴らしい戦いぶりでした」


「うむ!」


 単純なオッサンは上機嫌でまたしてもカエル達を引きずっていきました。

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