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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・贈り人と真実編

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酷すぎるツンと有能なメイド

 私はディルクが眠る客室を出ると、私に用意されていた隣の客室に入った。


「ただいま戻りました、お嬢様」


 ラビーシャちゃんが客室に居た。普段通りにも見えるが……


「なんか疲れてない?」


 私の一言でメイドから友人モードにチェンジしたのだろう。愚痴りだした。


「聞いてくださいよ、お嬢様!大変だったんだから!」


 ルドルフさんは私達の予想通り外堀を埋めて………いや私達の予想を上回り、外堀を埋めるどころか囲ってしまって逃がさない姿勢になっていたらしい。マーサの両親に挨拶を済ませ、新居を契約し、国王に至急で婚姻届を用意させ、我が家に結婚報告をして、マーサ不在で婚姻届を提出するところで捕まえたそうな…


 マーサとアーク、両親の誠意と説得と脅しでどうにか丸くおさめてきたとのこと。マーサは誤解させたこともあり、今夜はルドルフさんと過ごすそうです。


「想像以上の大暴走でしたよ…また誤解をとくのが大変で…」


「おうふ…」


 拗らせに拗らせた恋ごころは大変だったそうです。マーサは私の予想通り、ちゃんとルドルフさんが起きてからではなく寝ているうちに戻ってしまったらしく…ルドルフさんはショックを受けたらしい。しかも、結局マーサはちゃんと言葉にしていなかった。甘いムードでイチャイチャしまくり…いたしたらしい。いや、そんな…考えるな、感じろ!空気読めとか…ダメですよ!言葉は大事!


 結果、ルドルフさんはまさかのマーサは子供が欲しかっただけでやはり自分をなんとも思ってないのではと勘違い。そうであってもマーサを愛しているルドルフさんが大暴走してしまったわけだ。


「いやぁ、お嬢様にも聞かせたかった」


「?」


「マーサさん、結婚はしますがお嬢様と話し合ってからです!とか言っちゃって」


 マーサ!!多分彼女は私が素敵なウェディングドレスを母と拵えると話したのを覚えていたのだ。だから、ドレスの仕上がり日程を相談する必要があると言いたかったのだ。多分!


「言葉が足りない…」


 これでは、ルドルフさんより私が大事みたいだよ!?


「そうなんですよ!そしたらルドルフさんが嬢ちゃんと俺、どっちが大事なんだ!とか言っちゃいまして」


「うん」


「お嬢様って言っちゃいまして」


 マーサぁぁ!?


「な、なんで!?」


「なんかマーサさん、本気で呪われてんじゃないかレベルでルドルフさんに素直になれないみたいなんですよね。その後も珍プレーを連発して、私は成人男性が本気で号泣手前になるのを初めて見ました。マーサさんの内面がわかんないルドルフさんはもうズタボロでして、アークさんも旦那様と奥様も沈痛な表情でした」


「おうふ…」


 マーサぁぁぁ!!?

 いや、いまだに結婚してなかったのはこれが理由だったのか…ルドルフさんはあまり察するタイプじゃないから、相性が悪いとしか言いようがない。


「そこで、私が提案いたしました!」


 ラビーシャちゃんが胸をはった。ラビーシャちゃんは、口を開くと酷いことを言ってしまうので、ならば話さなければいいじゃない!と発想を転換したわけだ。


「マーサさん、マーサさん、このままではルドルフさんがかわいそうです。私の質問にはいなら頷く。いいえなら首を振るで答えてください」


「…え?」


 マーサはきょとんとしたが、従ったらしい。


「ルドルフさんと結婚はしたいんですよね?」


「………(こくん)」


「ルドルフさんにお嬢様と話さなきゃって言ったのは、お嬢様がマーサさんにウェディングドレスを用意してくれるって約束したから、それを着て結婚したかったからですよね」


「………(こくん)」


「そうなのか!?」


「………(こくん)」


 マーサは目をそらしながらも同意した。ルドルフさんはそれだけで感激していたが、喜びの閾値が低くてかわいそうでしたとラビーシャちゃんに言われてしまった。


「ルドルフさん以外の男性に興味はありますか?」


「……(ふるふる)」


「お嬢様とルドルフさん、本当はどちらも選べないぐらい大切ですよね?」


「………(こくん)」


「マーサ!」


「ルドルフさんを愛してますよね?」


 この質問に、マーサは硬直したらしい。しかし、だいぶ間をあけてから、はっきり頷いた。


「………(こくん)愛してますわ……」


 マーサは耳まで真っ赤になり、ルドルフさんに抱っこされて思う存分愛でられたらしい。グッジョブ!ラビーシャちゃん!


 意思を確認したので、アークと両親が婚姻届やらは後にしてほしいことや、今後について話し合ったそうな。


「ラビーシャちゃんにサポートお願いしたのは大正解だったね。お疲れ様」


「お嬢様にお願いされましたからね!どーです!有能なメイドでしょ?」


「うん、超有能。私の専属メイドは最高だね」


 嘘偽りなく実際有能過ぎる。私は素直に肯定して誉めた。


「えへへへへぇ。誉められちゃいました。お嬢様は私達をやる気にさせるのが上手いですよね」


「ん~?ラビーシャちゃんへの賛辞に関しては純粋な感想でしかないよ。本気でそう思ってる。ラビーシャちゃんは能力が高いし、信頼できる。正当な評価だよ?」


 ラビーシャちゃん?耳赤いよ?なんか変なこと言ったかい?


「お嬢様の人たらし…」


「なんで!?ラビーシャちゃんはスゴいんだよ!?情報収集能力に特化してて、いつも私を支えてくれてるじゃない!友人でいてってワガママも嫌がらないで聞いてくれるし!他にもメイドとして素晴らしい成長を「わかりましたから勘弁してください!あんまり誉められ過ぎると恥ずかしい!ほら、明日の準備しましょう!せっかくだから巻き髪しようって道具持ってきました!」」


 真っ赤になったラビーシャちゃんはせっせと私の髪にカーラーをつけ、スキンケアを念入りにしてくれたのでした。


 テレる美少女(ラビーシャ)ちゃんは可愛かったです。照れをかくしつつ、持ってきた衣装を確認しました。私の専属メイドは趣味がいいです。明日の装備はバッチリです。


 さて、明日はデート!楽しみですね。

 マーサが結婚しなかったのは、ルドルフさんが好きだけど伝えられずにいたからです。今回はラビーシャの機転でどうにかなりましたが、多分今後もやらかすのでロザリンドに矯正されるといいと思います。


 ルドルフさんにマーサの説明書を作ってもいいかもしれませんね。

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